美味しいラーメンの麺生地を作るために1回目の休息

ミキシングが終わると、崩れにくい麺生地ができあがります(水和率が20~40%程度の場合)。さて、この生地をさらに美味しくするための工夫が必要です。
ラーメン作りにおいて、「熟成・休息」は非常に重要な工程です。この休息現象をよく理解し、生地を休ませる方法を適切に行い、グルテン構造を発達させることが、おいしいラーメンを作るために重要です。
休ませるという現象は、次のように働きます。
小麦粉の水分補給
水和とは文字通り、小麦粉の粒子に水の分子を一粒一粒完璧に均等に行き渡らせることである。水和は混ぜただけでは不十分で、練った生地をバラバラにしておくだけで、水の分子が小麦粉の粒子に広がり、しっとりする。これが小麦粉の水和です。これには一定の時間と温度が必要です。
脱気
ミキシング時に生地に小さな気泡が多く入ると、麺を調理する際に次のような問題が発生します。
- グルテン組織に存在する気泡が加熱により何倍にも膨張し、グルテン組織が内部から押し出されるように破裂し、その結果、食感が損なわれる。
- グルテン組織が破壊されるため、調理後の麺は早く柔らかくなる傾向があります。
- また、麺の中に小さな気泡がたくさんあると、麺の透明感がなくなり、白く不透明になる。
つまり、生地が脱気されていれば、グルテン構造に由来する本来の透明感や良好な食感を持つ麺ができるのです。
酵素の役割
小麦粉の原料である小麦は、もともと植物の種子であるため、発芽を助けるエネルギー源としてでんぷんやたんぱく質を蓄えています。これらのデンプンやタンパク質は酵素によって分解され、エネルギーとして発芽しますが、この酵素も小麦粉に含まれています。この酵素が適度に働くと、味が良くなり、ラーメン生地の状態も良くなります。一年のうちで最もおいしいラーメンは、春と秋だと言われています。これは、これらの季節が「酵素の働き」に最も適した気候だからです。夏は気温が高いので、酵素の働きが活発になりすぎて、生地が柔らかくなりすぎて、たるんでしまいます。気温が高いと酵素の働きが活発になり、グルテンやタンパク質を分解してしまうので、麺が切れやすくなります。また、冬は気温が低いため、酵素の働きが弱くなります。その結果、生地が熟成しにくくなります。つまり、気温をコントロールすることで、生地の熟成の進み具合をコントロールすることができるのです。
おいしいラーメンを作るためには、3段階の休息が必要ですが、その中でも1番目の休息工程は最も重要です。 ぜひ一度、その違いを確かめてみてください。次に、この崩れた生地をシート状に加工する工程に入ります。この工程については、別の記事でご紹介しています。
この記事で説明したことについて、何かご質問があれば、お気軽にご連絡ください。