ラーメン生地の正しい切り方

ミキシング、1回目の休養、粗成形、合体、2回目の休養を経て、ここまで来た。
開発中
麺生地のグルテン構造
そして、ようやくグルテンの構造が整ってきました。あとは、麺の大きさに合わせて生地を薄くするだけです。
しかし、私たちヌードルマスター・ラボは、この間引き工程を特殊な方法で行っています。では、ラーメン製麺機ではどのように行われているのか、ご紹介しましょう。
この表は、中加水(小麦粉の重量に対して31~38%)の1.5mm角の麺を作る場合の、間引きの例を説明しています。
推定厚さは、前回の差に今回のローラーギャップを加えたものです。推定サイズであるため、必ずしも実際のサイズになるとは限りません。この差は、小麦粉の種類や水分量など様々な条件によって、変化します。
そして、次に生地を麺に切り分けるのですが、ラーメン作りで通常使用する製麺機の種類は
ロールタイプの機械、
で、スリッターカッターに入る前に生地を薄くします。そこで、この例では、生地を薄くして切る前に、スリッターカッター(麺の幅を決める)をセットする必要があります。
実際の生地の厚さを推定するのは難しいかもしれないので、ローラーの隙間を、生地を薄くすると予想される厚さに、生地シートを薄くしカットしたい最終的な厚さに再度設定します。
シート化作業のための適切なローラーギャップ

ラーメン麺の水分の違いによる薄め作業の適切なローラーギャップについて
そして、この表では、ラーメンの種類(水和率の違い)に応じて、間引き作業における適切なローラーの隙間を共有したいと思います。粗成形・合流工程については、別の記事で同様のことをお伝えしていますが、これは生地シートが合流工程を経た後の適正なローラーギャップとなります。
また、水分含有量が中程度から多量(小麦粉の重量に対して 31 ~ 45% の水和)の生地を薄くする場合、生地のシートがくっつかないようにするために必要な打ち粉について話す必要があります。生地シートが薄くなると、くっついた生地が剥がれにくくなります。含水率が高いとくっつきやすくなり、含水率が低いとくっつきにくくなります。そのため、生地や麺がくっつかないように、薄くする・切る工程で打ち粉をします。
打ち粉に使用する小麦粉は、打ち粉用に加工された特殊デンプンです。日本にはサゴヤシを主原料とした特殊デンプンがありますが、海外では入手が困難です。お客様の中にはコーンスターチなどを使用されている方もいらっしゃいますが、打ち粉を使用すると生地に悪影響を及ぼしたり、麺類を茹でる際に熱湯がすぐに汚れてしまったりするため、それらを考慮して打ち粉を選ぶ必要があります。
生地の厚みを薄くしたら、いよいよ生地をカットして麺にします。麺の切り方、大きさ・形(厚み×幅)などは、また別の記事でご紹介します。
その間に、ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。