第二章 ラーメンの本質とラーメンの歴史の続きです。
麺類にはスープが付きもので、そばにはそばつゆ、うどんにはうどん出汁、ラーメンにはスープと、麺をおいしく食べるためには、スープは切り離せず、麺は常にスープとのバランスが求められる食べ物です。
麺だけが主張しても、スープが弱いとバランスが取れず、反対にスープが強すぎて、麺の存在が見えなくなります。
例えば、うどんの場合は、麺は香りが強くありませんが、そばの場合は、そばの香りを楽しむ食べ物なので、つゆの香りが強いとそばの香りが消えてしまいます。
従って、そばの香りを楽しむ、もりとか、ざるの場合はつけ汁のつゆは、醤油の香りを飛ばした本かえしを使います。また、かけそばの様にそばの香りが消えている場合は、そばの香りが残っている生かえしを使い、そばの香りの代わりに、そばの香りを楽しみます。
以上の麺類のスープに要求される最も重要な要素は、スープが麺の表面に十分に絡むこと(乗ること)です。
一般的に、和食の職人が作るスープはエキス濃度が低く、うどんそばの麺には乗りません。
ラーメンも同様で、中華の職人が作るスープではエキス濃度が低く、ラーメンの麺には乗りません。
なので、うどんそば、ラーメンの出汁やスープはエキス濃度が十分高く、麺の表面にしっかり乗ることが要求されます。
1.ラーメンスープの構成要素
ラーメンスープは以下の3つの要素で成り立っています。
1.スープベース
1つ目は、スープベースで、うどんそばでは、白だしと呼ばれています。
スープの抽出の原理は、水に食材の持つ旨味成分だけを抽出する作業です。
ですから水は軟水の方が抽出は早まり、抽出率が高まることで、食材のロス、時間のロスが少なくなります。
また、魚介のような食材では、水出しで十分に食材の持つエキスを抽出できます。逆に温度をかけ過ぎると、魚介の臭みや苦味が出てしまう場合もあり、温度コントロールは重要な要素です。
詳細な温度や時間、食材の出し入れの順番は当社のラーメン学校や教科書を参考にしていただければと思いますが、その中でも特に申し上げるとすれば、煮干しを使用する場合には決して沸騰させたり絞ったりしないことです。
なぜなら内臓の苦味や雑味がスープをダメにしてしまうからです。
このように本当においしいスープや出汁を作ろうとすると温度を正確にコントロールするデジタル・クッキングが最適です。
スープベースは、スープの基礎になる部分で、エキス濃度が高いほど、深みやコクが出やすくなり、粘度も上がるので麺に絡みやすくなります。
そのため、濃度計で常に必要な濃度に達しているかどうかをチェックすることは、おいしいスープベースを作る上では欠かせず、濃度計無しで炊く時間だけを頼りに抽出していると、濃度が常に安定せずに、いつもおいしいというスープを作るのが難しいです。
濃度は、濃度計の度数で表示され、ラーメンの場合の最低濃度は、終戦後すぐの食糧難の時期で1度程度でしたが、現在は最低が2度くらいで、透明なスープの場合、最高が4~5度くらいです。
博多豚骨スープや、鶏白湯スープのような白濁しているスープの場合、低いものであれば、最低が3~4度程度で、最高が12度程度です。
このようにラーメンスープの進化の歴史は濃度を高める歴史と言っても過言ではないくらいで、関東地区のラーメンも過去数十年で非常に濃度が高まりました。
濃度が高くなればなるほど、コクのある粘りの強いスープになり、最終的には液体から遠ざかり、固体に近づきます。
今では500円玉が浮くというスープもあるぐらいです。
またスープベースの重要なポイントは、元ダレとか、香味油を使わないで、スープベースだけを飲んでもおいしい状態になっていることです。
スープベースがおいしくなければ、最終的においしいスープはできません。
従って、元ダレとか香味油を入れる前の何も入れてない状態のスープベース単体で味のチェックをした場合に、それだけでもおいしいことが前提です。
スープベースの単体だけでもおいしくないと、幾ら元ダレや香味油を入れてもおいしくなりません。
さらにおいしいスープベースを作るには、食材の品質管理が重要で、動物系の骨は品質管理だけでなく、鮮度管理も大切で、外国産の冷凍骨などは、屠畜後の処理に時間がかかっている場合や、鮮度の悪い骨が混じったりして、良いスープが取れない事が多いです。
鶏の場合も同様で、スープがしっかり取れる鶏ガラ、丸鶏は、脂がしっかりとついていて、鮮度管理ができていなければなりません。
材料の保管も含めて、炊く前に臭いというのはもってのほかです。
2.元ダレ
スープベースがスープの深みを表現するとすれば、元ダレは味の方向性です。
味の種類を大きく分けると、塩、醤油、味噌、豚骨などですが、元ダレでこれらの味の方向性を明確にします。スープベースだけであれば、焦点が合っていないレンズのような味ですが、元ダレによって焦点が定まり、おいしさの方向性が明確になります。
元ダレとは、スープに合わせて、ラーメンの味の輪郭を明確にするための様々な調味料で、普通は塩、醤油、味噌のような基礎調味料にいろいろな旨味をプラスにしたものです。
主だった強い旨味成分とすれば、昆布、アサリ、貝柱、エビ、椎茸魚介の節類などで、これらの旨味成分を醤油等の基礎調味料に取り入れ、何重層にも旨味を重ね合わせ、旨味の相乗効果を得ります。
当社のラーメン学校では、これらの元ダレを0.1g単位で組み合わせて、理想の味を作り込んでいます。
さらには、理想の味にするための比率や方程式までもあります。
まさに精密機械を組み立てるように工程をたどって、どこにもないおいしい味を見つけ出しています。
当社の麺学校の場合は、特に醤油、味噌のような醸造品の場合には、醸造蔵によって付着している麹菌が異なり、常に4種ブレンドで行っています。
すると、菌の相乗効果で味が深まり易くなります。
3.香味油
香味油の役割は、ラーメンの味にインパクトを付けるために必要です。
香味油の字の通り、動物系、(魚介系、削除)植物系のさまざまな油に、元ダレと同じような強い香味成分を持った材料の香味を油の中に抽出しています。
香味油を使うことで、ラーメンの表面に油膜を作られ、ラーメンが冷めにくくなり、ラーメンの麺線をスープの中から引き揚げて食べる時に、ラーメンの麺線1本1本に香味油が絡みつき、ラーメンらしさが強くなります。
また、香味油がない場合と比べると、全体のバランスが取れ、ラーメンのおいしさのインパクトが強くなります。
香りもおいしさの一部で重要な要素です。
以上の様に、日本のラーメンは中国のラーメンから離れ、独自に発達した、まさに日本でイノベーションを起こした食べ物と言えると思います。
寿司がカリフォルニアロールになったように、伝統に囚われず、つけ麺ができたり、混ぜ麺ができたり、次々とイノベーションを起こし続けることにより、グローバルフードとなって、世界中に広まったと思います。
従って、これからも日本のラーメンがますます世界に広まるには、できるだけ、ラーメンとはこのようなものだという縛りをなくして、ただし、本質を見失わずに、自由かつフレキシブルに、イノベーションを繰り返す続けることが今後の課題でもあります。
2.なぜ、多くの既存のラーメン店はスープ作りで、多くの課題を抱えているのか?
実際にラーメン店を経営していても、上記のようなラーメンスープの本質を深く理解した上でラーメンスープを作っている人は少ないと思います。
当社のラーメン学校に参加する生徒さん達の内、約半数は既存のラーメン店の店主あるいは、料理のプロの人達です。
プロの人たちが当社のラーメン学校の門を叩く理由はいくつかありますが、その多くの理由は、おいしいスープが作れていないことです。
また、参加する人達の中には、既に非常に成功している人がいますが、さらなる高みを目指し、デジタル・クッキングの基本を学びに来る熱心な方もいます。
そして、おいしいスープが作れていない原因をまとめると下記のような問題点が見えてきました。
材料に対してどれくらい水を入れたら一番バランスが良いのか分からない
抽出の原理から言えば、食材の量よりも、水はできるだけ多い方が浸透圧の原理で、抽出は楽になります。
ところが、食材の量に比べて水の量が多ければ多いほど、濃度は上がらず、最終的に煮詰めるのに時間がかかり、効率の点から見た最適な水の量は、当社では材料対水の比率を1対2としています。
この程度であれば、透明感を残す清湯の場合は、ほとんど足し湯なしで完成します。
濃度の高い白湯の場合は、途中までずっと足し湯して、濃度が5~6度まで上がると、足し湯を止めて、一気に濃度を8度以上まで上げていきます。
使用する水、ないし湯は、当然全て軟水で、仕上がり時間が早くなり、歩留まりも改善し、効率が良くなります。水道水の場合は、水は蒸発しますがミネラル分は残るので、ミネラル分の濃度が上がり続けることになります。
炊き方とスープを作ってからの保存方法が分からない
動物系スープにしても魚介系スープにしても、どんなスープでも完成したら、冷水で急速に冷却し、冷蔵庫で保存することがスープの品質を長く保つ上では欠かせません。
スープの完成後、常温放置していると、劣化が始まり、最終的には腐敗に至ります。
多くのラーメン店では、早朝からスープを炊き始め、11時の開店時にはスープが十分に完成しておらず、2~3時のアイドルタイムでスープが完成し、その後もずっと火にかけていると、夕方には濃度が上がり過ぎていて、1日中スープが安定しません。
併せて、1日の最後には、余ったスープは廃棄処分になり、ロスが大きくなります。
従って、当社のラーメン学校で指導している様に、前日にスープを完成させ、急速に水冷した上で、冷蔵庫に保管し、翌日に必要量だけ加熱しながら使用すると、スープの品質が朝から晩まで、常にブレずに同じ安定した品質で提供できます。また、さらにこのスープは冷蔵庫内に保管していると、2~3日は使用でき、ロスもなくなります。
スープを作る際に圧力鍋を使ってもいいか
圧力釜に関しては、当社のユーザー様でも賛否両論ありますが、圧力釜の場合は短時間調理で、旨味成分の確保では足りてないという意見が多いようです。
また、圧力釜の中では乳化しておらず、細いホースに圧力をかけて通すことで乳化させており、乳化も安定しない場合があります。
見た目では分かりにくいですが、きちんと乳化していないと同じスープでも味を薄く感じるようになります。
濃度にもよりますが、スープを冷凍して解凍すると乳化が崩れることが多いため、気になる方は冷凍前後で味を比べてみると良いでしょう。
当社の学校では、安定した乳化方法もお教えています。
ただし、昨今の人手不足時代では、使わざるを得ないという意見も増えて来ています。
豚骨スープがものすごく臭いが臭くならない方法はあるか
臭みの出る原因は色々ありますが、1つ目の原因として、骨の鮮度管理ができていないことで、その場合は、骨の入手ルートを変更する必要があります。
2つ目はアク取りが不十分な場合で、豚骨の場合は、強い沸騰状態で約50分程度、アクを取り続けないと、臭みが消えません。
臭みを消すために、キャベツとか、野菜類をたくさん使用する人がいますが、野菜を使い、野菜を長時間煮ると、野菜のアクがスープの色と味を濁らせてしまいます。
そのため、豚骨の臭みを出したくない場合は、沸騰してからの約50分間、アクが完全に出なくなるまで、取り続けることが重要です。
また、スープを炊く時にスープの表面に豚脂が浮きますが、この豚脂の中にはアクの成分が含まれ、臭みを出しやすいので、臭みを出したくない場合はスープの表面に浮いた豚脂は使わずに、香味油は別に取った綺麗な背油を使います。
ただし、博多トンコツのような特殊なスープは、アクも味の内なので、スープを炊いた時の表面の豚脂を捨てずに一緒に混ぜて使います。
九州の呼び戻しスープのような特殊な場合には、脂の酸化臭も問題になってきます。
鶏白湯の臭みを出さない炊き方
以上の、豚骨の場合の臭みを出さないスープの炊き方は、鶏ガラ、丸鶏も全く同様で、特に鶏ガラ、丸鶏のスープを炊くときにスープの表面に浮き、層になっている鶏油をスープに入れると、非常に臭みのあるスープになり、注意が必要です。
従って、鶏白湯を炊くときは、最初の沸騰の後、強火で30分程度アクを取り続け、アクが出てくるのが止まると、次に火を弱めて透明なスープを取る炊き方で、ある程度の濃度(2~3度)に上がるまで静かに炊きます。
すると、スープ表面に鶏油の厚い層ができ、その鶏油を全て取り除いてから、強火に切り替えて、沸騰状態を保つと、清湯から少しずつ白湯に変化し、濃度も上がってきます。
もし、スープ表面に浮いた鶏油を取り除かないで一緒に炊いて白湯を作ると、臭みを含んだ鶏白湯ができあがります。
豚骨の下茹でが正しいか?
スープを炊く前に豚骨とか、鶏ガラを下茹でする人がいますが、これは絶対にしてはいけません。
下茹での時に、重要なエキス分が流出し、最終濃度が十分に上がらないからです。
特に、鶏ガラはエキスの流出がしやすくなるので、絶対に行わないようにしてください。
臭みを除去するために下茹でする人がいますが、アク取りをしっかりやれば、臭みは取れます。
ダブルスープのブレンドの仕方
以前に、動物系と魚介系のブレンドが流行した時期がありますが、通常、動物系と比べて魚介系の濃度は低いため、スープ全体が薄まり、コクが減り、おいしさが減少することがあり、注意が必要です。
特に、鶏とか豚も強く出したい場合は、ブレンドによって鶏、豚の味と香りが弱まります。
動物系の雰囲気も強く残したい場合は、魚介系とブレンドではなく、他の有効な方法があり、専門的な技法になるので、ぜひ、当社のラーメン学校の門を叩いていただきたいと思います。
鶏ガラの下処理の仕方
鶏ガラは、豚骨に比べて取り扱いに繊細さが要求されます。
内臓は必ず除去しなければいけませんが、特に鶏ガラでは骨の周りに付着している肉と脂のエキス分が重要であり、できるだけ水に当てて洗浄する時間と回数を減らすべきです。
長時間、流水に当てたり、水に漬けていると、肝心なエキス分が流出することがあり、注意が必要です。
魚介スープの取り方を知らない
魚介スープは、うどん出汁とそばつゆが原点ですが、うどん出汁とそばつゆの取り方は全く異なります。
うどん出汁は関西食文化圏に属し、甘い出汁で、女性が好む味になっています。
必ず、昆布と薄削りの雑節、煮干しを使い、昆布は60度C以下、雑節は80度C以下で抽出することが、大切です。
ほとんどの間違いは、温度を上げ過ぎ、昆布の雑味、節類の雑味を出してしまっています。
反対にそばつゆは、関東食文化圏に属し、辛いつゆで、男性が好む味になっています。
薄削りではなく、厚削りの本鰹節と宗田鰹節が中心で、江戸前は昆布を使いませんが、関西風は昆布を使う場合があります。
例えば、節類の特性を並べてみると、下記の様になっています。
従って、そばの味か、うどんの味のどちらにまとめたいかよって、使う材料と炊き方が異なります。
また、最近は煮干しをたくさん使う店舗が増えていますが、煮干しの甘い味だけを残したいのか、煮干しの臭みも取り入れたいのかによって炊き方が変わります。
甘い味だけを残したい場合は、水出しから始まり、水温を60℃以上に上げないことです。
これは、節類も同じで、渋味とか酸味、魚介の臭みを出したい場合は、沸騰させればいいですが、そうでない場合は、絶対に80℃以上まで上げないことです。
3.元ダレの作り方が分かっていない
実際にラーメン店を営業し、ラーメン学校に来る生徒さんの中には、元ダレを醤油と化学調味料をブレンドしただけで作っている事例がありました。
元ダレは、前項で触れたように、味の方向性を明確にし、基礎調味料に様々な旨味成分のエキスを取り込んだものです。
ここで、通常のラーメン店店主がほとんど理解していないけれど重要なことがあります。醤油系と味噌系の元ダレには、火入れしない生タイプと火入れしたタイプがありますが、通常はラーメン店では、火入れタイプしか、知りません。
火入れした場合は、醤油とか味噌の角が取れ、マイルドな味になるのに対して、火入れしていない生タイプは、醤油とか味噌の輪郭が明確でシャープな雰囲気が残るので、両方を使い分けすることにより、さらに深い味を作り出せます。
元ダレは元々、そば文化のそばのかえしを応用したものですが、そばのかえしには、火入れした本かえし、火入れをしていない生かえし、そして中間の半生かえしの3種類があり、本かえしは醤油の香りが飛んでいるので、ざるそばとか、盛りそば用で、生かえしはかけそば用と用途が分かれています。
4.香味油の作り方が分かっていない
香味油は、ラーメンのスープの上に浮かせ、ラーメンの味にインパクトをもたらすものですが、既にお店をやっていた生徒さんの中には、スープを取る途中で浮いている動物油脂を香味油として使っている方もいました。
しかし、これを行うと、浮いた油脂には、スープの中のアクとか不純物が溶けているので、スープの香りが臭くなってしまいます。
従って、スープを作る途中で出てくる表面に浮いた脂は絶対に使わず、別途に作った脂を使うのが重要です。
そして、香り付けはラーメンのコンセプトに合った、魚介とか、香味野菜などで香りを付けます。
香味油も最近では、非常にバラエテイ豊かな油脂や香味材料などを使ったりします。
香りだけではなく、スープの表面に鮮やかな色を付けるために、パプリカの粉末とか、抹茶の粉末、あるいは、香辛料を使ったりする場合が増えています。
5.ラーメンスープのブレンド
上記のスープベース、元ダレ、香味油が完成すれば、最後はスープのブレンドです。
幾ら品質の高いスープベースが完成しても、どこにもないような元ダレができあがっても、素晴らしい香味油ができても、最後のブレンドで失敗すると、おいしいラーメンスープは完成しません。
最後のブレンドで大きな力を発揮するのが、大和流ブレンドのテクニックです。
私は17年間のラーメン学校の年月をかけて、無化調でもおいしいラーメンスープのブレンドテクニックを完成しました。
毎月、1~2回、場合によっては3回のラーメン学校で生徒さん達にブレンドを教えていると、おいしい味を作り上げるのは、以下の法則があることを見つけました。
無化調でおいしいスープの完成
当社のラーメン学校では厳格な無化調、無添加で教えています。
化学調味料を使わずにおいしい味にまとめ上げるノウハウを見つけました。
当社で神の雫(かみのしずく)と命名した天然醸造の酢を作り上げ、これを300gのスープに2g前後使うことにより、化学調味料を使わないで、おいしいスープができあがります。
最近は、化学調味料を使いたくない生徒さん達が増え、当社のラーメン学校では無化調が当たり前になりましたが、無化調でも幾らでもおいしいスープができます。
化学調味料を使わなければいけないと思っている人たちが現在でもいますが、その場合は、
- 原材料費を押さえたい、原材料費率を上げないで、おいしいと思われるスープを作りたい場合。
- 化学調味料抜きで、おいしいスープの作り方を知らない場合。
- 化学調味料を使わないと、おいしいスープができないと思っている場合。
以上のような理由で、化学調味料を使っている人が多いと思います。
化学調味料を使った場合の一番の課題は、スープの塩濃度が高いのに、化学調味料でマスキングされ、塩辛さを感じなくなってしまい、化調されているスープを飲むと、後で大量の水を飲みたくなります。
これは、お客様の健康を考えると、あまり良い方法とは言えません。
元ダレのブレンド
当社では様々な元ダレを販売していますが、醤油、塩の元ダレ類では、アサリ、貝柱、エビの3種の組み合わせが黄金の組み合わせであることを見つけ出しました。
この3種類の組み合わせでスープをまとめると、非常にまとまり易く、常にこの組み合わせで塩ラーメン、醤油ラーメン、味噌ラーメンを作り込んでいます。
そして、複雑なことをしなくても、簡単にまとまり易いです。
ラーメン学校に参加している多くの生徒さんは、たくさんの種類の元ダレを使い、複雑なことをやりながら、最終的に味がまとまらないことが多いです。
黄金の味の方程式
当社のラーメン学校で、昔ながらの中華そばのようなスープ濃度が低く、透明度の高いものから、豚骨、鶏白湯、魚介、濃厚魚介、味噌、スパイシー味噌、完全なオーガニックに至るまで、様々な味の方程式を作り上げ、たくさんのデータベースを持っています。
従って、生徒さん達のどんな要望にも応えられるノウハウを持ち合わせています。
そして、最近では、味覚センサーを導入し、人間の味覚の微妙な違いをデジタル測定できる装置を導入し、常に味の繊細なデータを取り続けています。
未だ、当社のラーメン学校に来られていない方、あるいは過去に来たが、再度、レベルを上げたい方は、ぜひ、最新のノウハウの習得に受講されることをお勧めします。
第四章 勝ち残るラーメン店の本質に続きます。
1.ラーメンスープの構成要素
ラーメンスープは以下の3つの要素で成り立っています。1.スープベース
1つ目は、スープベースで、うどんそばでは、白だしと呼ばれています。 スープの抽出の原理は、水に食材の持つ旨味成分だけを抽出する作業なのです。 ですから水は軟水の方が抽出は早まり、抽出率が高まることで、食材のロス、時間のロスが少なくなります。 また、魚介のような食材では、水出しで十分に食材の持つエキスを抽出できるのです。逆に温度をかけ過ぎると、魚介の臭みや苦味が出てしまう場合もあり、温度コントロールは重要な要素です。 詳細な温度や時間、食材の出し入れの順番は当社のラーメン学校や教科書を参考にしていただければと思いますが、その中でも特に申し上げるとすれば、煮干しを使用する場合には決して沸騰させたり絞ったりしないことです。 なぜなら内臓の苦味や雑味がスープをダメにしてしまうからです。 このように本当においしいスープや出汁を作ろうとすると温度を正確にコントロールするデジタル・クッキングが最適なのです。 スープベースは、スープの基礎になる部分で、エキス濃度が高いほど、深みやコクが出やすくなり、粘度もあがるので麺に絡みやすくなります。 そのため、濃度計で常に必要な濃度に達しているのかどうかをチェックすることは、おいしいスープベースを作る上では欠かせず、濃度計無しで炊く時間だけを頼りに抽出していると、濃度が常に安定せずに、いつもおいしいというスープを作るのが難しいのです。 濃度は、濃度計の度数で表示され、ラーメンの場合の最低濃度は、終戦後すぐの食糧難の時期で1度程度だったのですが、現在は最低が2度くらいで、透明なスープの場合、最高が4~5度くらいです。 博多豚骨スープや、鶏白湯スープのような白濁しているスープの場合、低いものであれば、最低が3~4度程度で、最高が12度程度です。 このようにラーメンスープの進化の歴史は濃度を高める歴史と言っても過言ではないくらいで、関東地区のラーメンも過去数十年で非常に濃度が高まったのです。 濃度が高くなればなるほど、コクのある粘りの強いスープになり、最終的には液体から遠ざかり、固体に近づくのです。 今では500円玉が浮くというスープもあるぐらいです。 またスープベースの重要なポイントは、元ダレとか、香味油を使わないで、スープベースだけを飲んでもおいしい状態になっていることです。 スープベースがおいしくなければ、最終的においしいスープができないのです。 従って、元ダレとか香味油を入れる前の何も入れてない状態のスープベース単体で味のチェックをした場合に、それだけでもおいしいことが前提です。 スープベースの単体だけでもおいしくないと、幾ら元ダレとか、香味油を入れてもおいしくならないのです。 さらにおいしいスープベースを作るには、食材の品質管理が重要で、動物系の骨は品質管理だけでなく、鮮度管理も大切で、外国産の冷凍骨などは、屠畜後の処理に時間がかかっている場合や、鮮度の悪い骨が混じったりして、良いスープが取れない事が多いのです。 鶏の場合も同様で、スープがシッカリ取れる鶏ガラ、丸鶏は、脂がシッカリとついていて、鮮度管理ができているものでなければなりません。 材料の保管も含めて、炊く前に臭いというのはもってのほかです。2.元ダレ
スープベースがスープの深みを表現するとすれば、元ダレは味の方向性です。 味の種類を大きく分けると、塩、醤油、味噌、トンコツなどですが、元ダレでこれらの味の方向性を明確にします。スープベースだけであれば、焦点が合っていないレンズのような味ですが、元ダレによって焦点が定まり、おいしさの方向性が明確になります。 元ダレとは、スープに合わせて、ラーメンの味の輪郭を明確にするためのさまざまな調味料で、普通は塩、醤油、味噌のような基礎調味料にいろいろな旨味をプラスしたものです。 主だった強い旨味成分とすれば、昆布、アサリ、貝柱、エビ、椎茸魚介の節類などで、これらの旨味成分を醤油等の基礎調味料に取り入れ、何重層にも旨味を重ねあせ、旨味の相乗効果を得るのです。 当社のラーメン学校では、これらの元ダレを0.1g単位で組み合わせて、理想の味を作り込んでいるのです。 さらには、理想の味にするための比率や方程式までもあるのです。 まさに精密機械を組み立てるのと同じような工程をたどって、どこにもないおいしい味を見つけ出しているのです。 当社の麺学校の場合は、特に醤油、味噌のような醸造品の場合には、醸造蔵によって付着している麹菌が異なるので、常に4種ブレンドで行っているのです。 すると、菌の相乗効果で味が深まり易いのです。3.香味油
香味油の役割は、ラーメンの味にインパクトを付けるためなのです。 香味油の字の通り、動物系、(魚介系、削除)植物系のさまざまな油に、元ダレと同じような強い香味成分を持った材料の香味を油の中に抽出しているのです。 香味油を使うことにより、ラーメンの表面に油膜を作るので、ラーメンが冷めにくくなり、ラーメンの麺線をスープの中から引き揚げて食べる時に、ラーメンの麺線1本、1本に香味油が絡みつき、ラーメンらしさが強くなります。 また、香味油がない場合と比べると、全体のバランスが取れ、ラーメンのおいしさのインパクトが強くなります。 香りもおいしさの一部で重要な要素です。以上の様に、日本のラーメンは中国のラーメンから離れ、独自に発達した、まさに日本でイノベーションを起こした食べものと言えるのではないかと思います。 寿司がカリフォルニアロールになったように、伝統に囚われず、つけ麺ができたり、混ぜ麺ができたり、次々とイノベーションを起こし続けることにより、グローバルフードとなって、世界中に広まったのだと思います。 従って、これからも日本のラーメンがますます世界に広まるには、できるだけ、ラーメンとはこのようなものだという縛りをなくして、ただし、本質を見失わずに、自由かつフレキシブルに、イノベーションを繰り返す続けることが今後の課題でもあるのです。
2.なぜ、多くの既存のラーメン店はスープ作りで、多くの課題を抱えているのか?
実際にラーメン店を経営していても、上記のようなラーメンスープの本質を深く理解した上でラーメンスープを作っている人は少ないのではと思います。 当社のラーメン学校に参加する生徒さんたちのうち、約半数は既存のラーメン店の店主あるいは、料理のプロの人たちです。 プロの人たちが当社のラーメン学校の門を叩く理由はいくつかありますが、その多くの理由は、おいしいスープが作れていないことです。 また、参加する人たちの中には、既に非常に成功しているのですが、さらなる高みを目指し、デジタル・クッキングの基本を学びに来る熱心な方もいます。 そして、おいしいスープが作れていない原因をまとめると下記のような問題点が見えてきました。材料に対してどれくらい水を入れたら一番バランスが良いのか分からない
抽出の原理から言えば、食材の量よりも、水はできるだけ多い方が浸透圧の原理で、抽出は楽になるのです。 ところが、食材の量に比べて水の量が多ければ多いほど、濃度が上がらないので、最終的に煮詰めるのに時間がかかり、効率の点から見た最適な水の量は、当社では材料対水の比率を1対2としています。 この程度であれば、透明感を残す清湯の場合は、ほとんど足し湯なしで完成します。 濃度の高い白湯の場合は、途中までずっと足し湯して、濃度が5~6度まで上がると、足し湯を止めて、一気に濃度を8度以上まで上げていきます。 使う水、ないし湯は、当然すべて軟水で、仕上がり時間が早くなり、歩留まりも改善し、効率が良くなります。水道水の場合は、水は蒸発しますがミネラル分は残るので、ミネラル分の濃度が上がり続けることになります。炊き方とスープを作ってからの保存方法が分からない
動物系スープにしても魚介系スープにしても、どんなスープでも完成したら、冷水で急速に冷却し、冷蔵庫で保存することがスープの品質を長く保つ上では欠かせないのです。 スープの完成後、常温放置していると、劣化が始まり、最終的には腐敗に至るのです。 多くのラーメン店では、早朝からスープを炊き始め、11時の開店時にはスープが十分に完成しておらず、2~3時のアイドルタイムでスープが完成し、その後もずっと火にかけていると、夕方には濃度が上がり過ぎていて、1日中スープが安定しないのです。 併せて、1日の最後には、余ったスープは廃棄処分になり、ロスが大きいのです。 従って、当社のラーメン学校で指導している様に、前日にスープを完成させ、急速に水冷した上で、冷蔵庫に保管し、翌日に必要量だけ加熱しながら使用すると、スープの品質が朝から晩まで、常にぶれずに同じ安定した品質で提供できるのです。またさらにこのスープは冷蔵庫内に保管していると、2~3日は使用できるので、ロスもなくなるのです。スープを作る際に圧力鍋を使ってもいいか
圧力釜に関しては、当社のユーザー様でも賛否両論ありますが、圧力釜の場合は短時間調理なので、旨味成分の確保では足りてないという意見が多いようです。 また、圧力釜の中では乳化しておらず、細いホースに圧力をかけて通すことで乳化させており、乳化も安定しない場合があります。 見た目では分かりにくいですが、きちんと乳化していないと同じスープでも味を薄く感じるようになります。 濃度にもよりますが、スープを冷凍して解凍すると乳化が崩れることが多いため、気になる方は冷凍前後で味を比べてみるとよいでしょう。 当社の学校では、安定した乳化方法もお教えしています。 ただし、昨今の人手不足時代では、使わざるを得ないという意見も増えて来ています。豚骨スープがものすごく臭いが臭くならない方法はあるか
臭みの出る原因はいろいろありますが、1つ目の原因として、骨の鮮度管理ができていないことで、その場合は、骨の入手ルートを変更する必要があります。 2つ目はアク取りが不十分な場合で、豚骨の場合は、強い沸騰状態で約50分程度、アクを取り続けないと、臭みが消えないのです。 臭みを消すために、キャベツとか、野菜類をたくさん使用する人がいますが、野菜を使い、野菜を長時間煮ると、野菜のアクがスープの色と味を濁らせてしまうのです。 そのため、豚骨の臭みを出したくない場合は、沸騰してからの約50分間、アクが完全に出なくなるまで、取り続けることが重要です。 また、スープを炊く時にスープの表面に豚脂が浮きますが、この豚脂の中にはアクの成分が含まれ、臭みを出しやすいので、臭みを出したくない場合はスープの表面に浮いた豚脂は使わずに、香味油は別に取ったきれいな背油を使うのです。 ただし、博多トンコツのような特殊なスープは、アクも味のうちなので、スープを炊いた時の表面の豚脂を捨てないで、一緒に混ぜて使います。 九州の呼び戻しスープのような特殊な場合には、脂の酸化臭も問題になってきます。鶏白湯の臭みを出さない炊き方
以上の、豚骨の場合の臭みを出さないスープの炊き方は、鶏ガラ、丸鶏も全く同様で、特に鶏ガラ、丸鶏のスープを炊くときにスープの表面に浮き、層になっている鶏油をスープに入れると、非常に臭みのあるスープになるので、注意が必要です。 従って、鶏白湯を炊くときは、最初の沸騰の後、強火で30分程度アクを取り続け、アクが出てくるのが止まると、次に火を弱めて透明なスープを取る炊き方で、ある程度の濃度(2~3度)に上がるまで静かに炊きます。 すると、スープ表面に鶏油の厚い層ができるので、その鶏油をすべて取り除いてから、強火に切り替えて、沸騰状態を保つと、清湯からだんだんと白湯に変化し、濃度も上がってきます。 もし、スープ表面に浮いた鶏油を取り除かないで、一緒に炊いて白湯を作ると、臭みを含んだ鶏白湯が、できあがるのです。豚骨の下茹でが正しいか?
スープを炊く前に豚骨とか、鶏ガラを下茹でする人がいますが、これは絶対にしてはいけないのです。 下茹での時に、重要なエキス分が流出し、最終濃度が十分に上がらないのです。 特に、鶏ガラはエキスの流出がしやすいので、絶対に行わないようにしてください。 臭みを除去するために下茹でする人がいますが、アク取りをシッカリやれば、臭みは取れるのです。ダブルスープのブレンドの仕方
以前に、動物系と魚介系のブレンドが流行した時期がありますが、通常、動物系と比べて魚介系の濃度は低いため、スープ全体が薄まり、コクが減り、おいしさが減少することがあるので、注意が必要です。 特に、鶏とか豚も強く出したい場合は、ブレンドによって鶏、豚の味と香りが弱まります。 動物系の雰囲気も強く残したい場合は、魚介系とブレンドではなく、他の有効な方法があり、専門的な技法になるので、ぜひ、当社のラーメン学校の門を叩いていただきたいと思います。鶏ガラの下処理の仕方
鶏ガラは、豚骨に比べて取り扱いに繊細さが要求されます。 内臓は必ず除去しなければいけませんが、特に鶏ガラでは、骨の周りに付着している肉とか、脂のエキス分が重要なので、できるだけ水に当てて洗浄する時間と回数を減らすべきなのです。 長時間、流水に当てたり、水に漬けていると、肝心なエキス分が流出するので、注意が必要です。魚介スープの取り方を知らない
魚介スープは、うどんだしとそばつゆが原点ですが、うどんだしとそばつゆの取り方は全く異なるのです。 うどんだしは関西食文化圏に属し、甘いだしで、女性が好む味になっています。 必ず、昆布と薄削りの雑節、煮干しを使い、昆布は60度C以下、雑節は80度C以下で抽出するのが、大切です。 ほとんどの間違いは、温度を上げ過ぎ、昆布の雑味、節類の雑味を出しているのです。 反対にそばつゆは、関東食文化圏に属し、辛いつゆで、男性が好む味になっているのです。 薄削りではなく、厚削りの本鰹節と宗田鰹節が中心で、江戸前は昆布を使わないのですが、関西風は昆布を使う場合があります。 例えば、節類の特性を並べてみると、下記の様になっているのです。 従って、そばの味か、うどんの味のどちらにまとめたいかよって、使う材料と炊き方が異なるのです。 また、最近は煮干しをたくさん使う店舗が増えていますが、煮干しの甘い味だけを残したいのか、煮干しの臭みも取り入れたいのかによって炊き方が変わります。 甘い味だけを残したい場合は、水出しから始まり、水温を60℃以上に上げないことです。 これは、節類も同じで、渋味とか酸味、魚介の臭みを出したい場合は、沸騰させればよいのですが、そうでない場合は、絶対に80℃以上に上げないことです。3.元ダレのつくり方が分かっていない
実際にラーメン店を営業し、ラーメン学校に来る生徒さんの中には、元ダレを醤油と化学調味料をブレンドしただけで作っている事例がありました。 元ダレは、前項で触れたように、味の方向性を明確にし、基礎調味料にさまざまな旨味成分のエキスを取り込んだものなのです。 ここで、通常のラーメン店店主がほとんど理解していないけれど重要なことがあります。醤油系と味噌系の元ダレには、火入れしない生タイプと火入れしたタイプがあるのですが、通常はラーメン店では、火入れタイプしか、知らないのです。 火入れした場合は、醤油とか味噌の角が取れ、マイルドな味になるのに対して、火入れしていない生タイプは、醤油とか味噌の輪郭が明確でシャープな雰囲気が残るので、両方を使い分けすることにより、さらに深い味を作り出せるのです。 元ダレは、もともと、そば文化のそばのかえしを応用したものですが、そばのかえしには、火入れした本かえし、火入れをしていない生かえし、そして中間の半生かえしの3種類があり、本かえしは醤油の香りが飛んでいるので、ざるそばとか、盛りそば用で、生かえしはかけそば用と用途が分かれているのです。4.香味油のつくり方が分かっていない
香味油は、ラーメンのスープの上に浮かせ、ラーメンの味にインパクトをもたらすものですが、既にお店をやっていた生徒さんの中には、スープを取る途中で浮いている動物油脂を香味油として使っている方もいました。 しかし、これを行うと、浮いた油脂には、スープの中のアクとか不純物が溶けているので、スープの香りが臭くなってしまうのです。 従って、スープを作る途中で出てくる表面に浮いた脂は絶対に使わず、別途に作った脂を使うのが重要です。 そして、香り付けはラーメンのコンセプトに合った、魚介とか、香味野菜などで香りを付けます。 香味油も最近では、非常にバラエテイ豊かな油脂を使ったり、香味材料を使ったりします。 香りだけではなく、スープの表面に鮮やかな色を付けるために、パプリカの粉末とか、抹茶の粉末、あるいは、香辛料を使ったりする場合が増えているのです。5.ラーメンスープのブレンド
上記のスープベース、元ダレ、香味油が完成すれば、最後はスープのブレンドです。 幾ら品質の高いスープベースが完成しても、どこにもないような元ダレができあがっても、素晴らしい香味油ができても、最後のブレンドで失敗すると、おいしいラーメンスープは完成しないのです。 最後のブレンドで大きな力を発揮するのが、大和流ブレンドのテクニックです。 私は17年間のラーメン学校の年月をかけて、無化調でもおいしいラーメンスープのブレンドテクニックを完成したのです。 毎月、1~2回、場合によっては3回のラーメン学校で生徒さんたちにブレンドを教えていると、おいしい味を作り上げるのは、以下の法則があることを見つけたのです。無化調でおいしいスープの完成
当社のラーメン学校では厳格な無化調、無添加で教えています。 化学調味料を使わずにおいしい味にまとめ上げるノウハウを見つけたのです。 当社で神の雫(かみのしずく)と命名した天然醸造の酢を作り上げ、これを300gのスープに2g前後使うことにより、化学調味料を使わないで、おいしいスープができあがるのです。 最近は、化学調味料を使いたくない生徒さんたちが増え、当社のラーメン学校では無化調が当たり前になりましたが、無化調でも幾らでもおいしいスープができるのです。 化学調味料を使わなければいけないと思っている人たちが現在でもいますが、その場合は、- 原材料費を押さえたい、原材料費率を上げないで、おいしいと思われるスープを作りたい場合。
- 化学調味料抜きで、おいしいスープのつくり方を知らない場合。
- 化学調味料を使わないと、おいしいスープができないと思っている場合。