この記事は2024年2月12日のロッキー藤井の情熱メルマガで配信された内容を一部修正して公開しています。

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誰も知らない、製麺機に潜む不思議な力

自家製麺と仕入麺の本当の違いをあなたは理解していますか。

実は、この事実を知ったのは、私も最近だったのです。

製麺機ビジネス一筋に40数年、私も今までは、仕入れ麺と自家製麺の違いを下記のような違いと思っていました。

一般的に言われている仕入れ麺と自家製麺の違いは下記の通りです。

仕入麺のメリット

  1. 初期投資の投資金額が不要
  2. 自分で自家製麺するより、簡単で、労力が不要
  3. 製麺機の設置場所が不要(製麺スペース不要)

仕入麺のデメリット

  1. コストが高い
  2. 品質が良くない場合が多い
  3. 防腐剤が入っていることがほとんど
  4. 品質が安定しないことが多い
  5. 自分の欲しい独特な麺を作ってくれないことが多い(期間の短いスポット注文を受けてもらえるところが少ない)
  6. 麺を仕入れて保管する保管場所が必要、冷凍麺であれば、冷凍庫が必要
 

製麺機による自家製麺のメリット

  1. 当社の指導により短期間で、美味しい麺作りをマスター出来る
  2. 麺質が安定しやすい
  3. コストが非常に安い、往々にして、仕入麺の半分、半分以下で出来る
  4. オリジナルの小麦粉、オリジナルの製法で、他店にない、独特な麺を作ることが出来る。
  5. 自家製麺することで、麺のノウハウが深まり、より高品質でオリジナルな麺を低いコストで作ることが出来る
  6. 他店との差別化がし易い
  7. スタッフが自店の商品に自信を持てる
  8. 季節限定、イベント時限定等のスポットメニュー用の麺もスープに合わせた麺を作ることができる。

自家製麺のデメリット

  1. 初期投資の金額が大きい
  2. 設置場所を取る
  3. 使い方を覚えたり、慣れるのに、時間がかかる
  4. 人件費がかかる(製麺作業する人員)

一般的に言われていることは以上ですが、私は最近、以上の項目にはない、もっと重要で深い事実に気づいたのです。

自家製麺と仕入麺の本当の違いの1つ目は配送の違いであったのです。

例えば、店内に製麺機を置いて丸亀製麺のように自家製麺をした場合、麺の原材料の小麦粉は配送業者から25kgの紙袋で届きます。 

小麦粉の配送は一般的に、常温配送で通常のトラックで配送されます。 

店舗の大きさにもよりますが、十分な倉庫を持っている場合は、1ヵ月分が配送され、そうでない場合は数日分の小麦粉が運ばれます。 

そして、麺の量目にもよりますが、25kgの小麦粉から通常は300食~200食の生麺を作ることが出来ます。 

次に、仕入麺の場合は、製麺業者が作った生麺を配送業者が冷蔵又は冷凍トラックで、或いは、製麺業自身がお客さまの店舗まで、 ほぼ毎日、冷蔵トラックで配送します。 

小麦粉は、常温温度帯で運べる通常の荷物ですが、生麺は生鮮食品と同じような生ものなのです。 

ところが、一部の製麺業者は、生麺を常温配送している事例も実は多くあるのです。 

仕入れ麺の場合、特にラーメンは常温配送のところがまだ多く残っていて、 店舗に配送された後も、店内でも常温でそのまま厨房内に名前入りの製麺業者の麺箱が山積みに保管されているのをよく目にします。 

夏場であろうと、冬場であろうと常温保管されているのは、確実に多くの添加物が使用されている証拠です。 

どんなにこだわったスープを作っていても、添加物がたくさん入っている麺と合わせてしまうと、麺から添加物が溶けだし、 スープの味を変化させてしまいます。 

添加物特有の人工的な甘味のようなものが出てしまうが、それでスープが良くなると勘違いされている方がいます。 

したがって、仕入れ麺の場合、コスト差だけでなく、食品安全面でのお客さまへの信頼が大きい時代になってきたのです。 

生麺の配送には、必ず、冷蔵、または冷凍のトラックでしか運べないし、輸送にあたっても小麦粉を運ぶよりもはるかに細やかな注意が必要なのです。 

そして、小麦粉25kgが生麺になれば、生麺の重量は多加水麺の場合は40kg前後、中加水麺では35kg前後、少加水麺では32kg程度の重量にます。 

重量が増えるだけでなく、小麦粉の25kg袋と比べると、非常に量がかさばり、運ぶかさは小麦粉の袋と比べると、数倍から10倍程度と、非常に増えます。 

したがって、「小麦粉を運ぶ」のと、「生麺を運ぶ」のでは、輸送コストが全く異なるのです。 

更に、今後の配送事情を考えると、少子高齢化の日本では配送ドライバー人口は減少を続けています。 

さらにアマゾン等のネット販売業者が即日配送を始めたので、配送ドライバーはますます不足している上に、トラック業界の2024年問題で、トラックドライバーの残業時間に規制がかかり、配送関連のコストの爆上がりは必至です。 

したがって、製麺業にとっても、製麺するコストよりも配送コストの方がはるかに高くなっているし、更に加速する時代になってくるのです。

仕入麺は生鮮食品であるための問題点とは何でしょうか?

工場生産されるあらゆる食品のほとんどすべてには、添加剤、防腐剤が含まれています。 

仕入れ麺も生麺ですから、製造者としての食品安全のリスクを避けるために、添加剤、防腐剤を使わざるを得ないのです。 

清潔な工場で生産し、配送も低温配送で安全に配送しても、お客さまの店舗で、使用するまできちんと温度管理して使用して貰える確証がないのです。 

店舗内での管理方法によっては、店舗内で腐敗とか、雑菌混入の危険性はあるのです。 

従って、製麺業者は安全のために、添加剤、防腐剤を使わざるを得ないのです。 

更に、最近は、地球温暖化の影響で、以前よりはるかに雑菌の発生が増え、麺製造工場内での衛生基準も非常に厳しくなっています。 

このように衛生基準が厳しくなっているので、工場生産コストも以前よりはるかに高くなり、使用する添加剤、防腐剤も多くなる傾向です。 

反対に、店内自家製麺であれば、製麺した麺を店内で調理し、麺の場合は必ず100度C近い温度で加熱するので、食品安全にかかわるリスクは高くないのです。 

仕入麺と自家製麺の本当の差は何でしょうか?

以上のような配送に関わる問題の他に、もっと重要な事実があります。

それは、仕入れ麺であろうと、自家製麺であろうと、製麺機で麺を作っているということです。

と、いうことは①製麺機の機械的な構造、②製麺技術、更に③麺を作る人たちの美味しい麺作りに関する情熱です。

私たち製麺機メーカーが、麺ビジネスに関わる多くの人達に理解して頂きたいことがあります。

それは、製麺機の構造によって、出来上がる麺質は、かなり或いは、まったく異なるということです。

これは、麺ビジネスに関わるほとんどの人たちが理解していないことです。

私も出来上がった麺を食べると、これはどこの製麺機で作った麺だと言うことが良く分かります。

それぞれ、出来上がった麺には、その麺を作った製麺機の特徴が色濃く反映されているのです。

だから、その製麺機で作られた特徴が、そのお店の麺としてピッタリであれば良いのですが、もし、そうでなければ大変なことになります。

実は最近も、「麺が出来ればコストの安い製麺機の方が良い」という考え方のお客様がいらっしゃいました。

企業にとって、利益を上げることは大変重要なテーマです。

したがって、値引き幅の大きい、コストの安い製麺機を買うというのは、購買担当者の実力と判断されるのです。

しかし、長い目で見た場合は、これは決して安い買物ではないのです。

私は、49年間のビジネス経験を通じて言えるのは、麺質に厳しいトップがいる麺ビジネスほど、成功しているという事実です。

この事実は、現在、麺ビジネス業界で成功している企業を見れば、皆さんも簡単に分かって頂けるはずです。

なぜ、麺質に厳しいトップがいる麺ビジネスが成功しているかという理由は簡単です。

その方が、余計にお客さまをハッピーにしているためです。

ビジネスは一朝一夕には、勝敗が付きません。

長い時間経過が、徐々に、勝敗の行方を明確にしていきます。

これは美味しい麺作りには必須の熟成時間と同じような考えです。

さいごに: 仕入麺、自家製麺の究極の選定基準

最後まで本メルマガを読んで下さったみなさまに、心より感謝申し上げます。 

本当に、ありがとうございました。 

本メルマガを通して、みなさまがよい製麺機を選ばれるよう、そしてそれがみなさまのお店の繁盛へとつながるよう、願っております。 

1.店舗数を増やす、チェーン展開を優先の場合は、仕入麺での事業拡張が合っているのではないでしょうか。

2.こだわった店舗展開、或いは1店舗だけでの地域一番店を目指す場合は、ぜひ、自家製麺をお勧めします。

自家製麺の最も大きな特徴は、前回のメルマガに書いた通り、下記の通りです。

① 製麺機は麺を作るだけではなく、従業員を育てる人材育成マシンです。

②自家製麺であれば、防腐剤、添加剤が不要で、健康志向の経営が出来ます。

③仕入麺と自家製麺の未来において、配送問題が最大の課題です。

最後まで本記事を読んでくださったみなさまに、心より感謝申し上げます。

ほんとうにありがとうございました。

本記事を通して、みなさまがよい製麺機を選ばれるよう、そしてそれがみなさまのお店の繁盛へとつながるように願っております。

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藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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