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はじめに
うどん店経営は、簡単だと思う方が多いのですが、永く繁盛しようとすると、簡単ではないことをご存じですか?
私は、大和製作所を創業して以来の40数年間にわたり、多くのうどん店、蕎麦、ラーメン店の栄枯盛衰(お店が繁盛したり、衰退していく)を見続けてきました。
過去、飛ぶ鳥を落とすような勢いのあったお店の多くは、今は既に存在しません。
逆に、実に長きにわたって、隆々(りゅうりゅう:※勢いがあり力強く)と成功し続けている店舗、会社もあります。
私はその違いをずっと見続けてきました。
これから開業するあなた、あるいは既に開業しているあなたが、末永く、繁盛し続けるために少しでもお役に立てばとの思いで、このメルマガ(記事)をしたためています。
少しでもあなたのお役に立つところがありましたら、本望です。
うどん店事業を始めようという方は、国内では毎年約2千名程度と推定されます。
この数字は、20年前は約2倍の4千名程度でした。
大切な資金を投入して開業しても、1年以内の閉店率は42~3%、3年以内の閉店率は72~3%と言われています。
昔から粉もんビジネスは儲かるということで、うどん店ビジネスは儲かり易いビジネスだと言われてきました。
ところが、ビジネスの世界も非常に複雑になり、うどん店ビジネスも決して儲かり易いビジネスではなくなりました。
アフターコロナ時代のうどん店ビジネスで私が感じる9つの課題
イートイン主体の店作り
世の中のパラダイムが大きく変化した新しいビジネスの絶好のチャンスなので、イートイン(外食)だけに頼るのではなく、中食(買ってきて家で食べるスタイル)、内食(家で、自分が作って食べるスタイル)との融合が重要です。
特に最近の情報では、夜の営業が難しくなったとの声がありますが、これは外食業界全体の傾向です。 うどん店は、昼の一刻は忙しいのですが、他の時間はアイドルタイムになり、生産性が低いのが課題です。 これからのうどん店の大きなテーマは生産性を上げることです。
延々と続いたコロナで、お客さまの価値観、ライフスタイルは大きく変わり、元の状態へは戻らないと考えるのが妥当です。
超小型店舗(10席等超)で、ワンオペの規模の小さい店をやりたがる人たちが多い
10席等の極小店舗でも、家賃の高い、都会の一等地のような場所であれば、朝から晩までお客さまが並ぶ可能性があります。
一般的に考えると、地方等での極小店舗の場合、売上が席数で決まるので、ビジネスとして成立しない場合が多いのです。
ビジネスの種類により、ビジネスには、適切な規模があります。適切な規模とは、利益を残し、拡大再生産が出来る規模です。
そして、店主が万一病気になったり、事故にあっても、お店が続けられるような仕組みや組織(事業体)をおすすめします
席数が少ないだけでなく、駐車場が必須の郊外型の場合でも、駐車場台数の少ない店が非常に多いのです。
郊外型で駐車場が必要なのに、足りないのは、武器を持たないで勝負するのと同じです。
(参考)商圏分析を行えば、簡単に必要駐車場台数が分かります。
(参考)海外での麺ビジネスのほとんどが、最低60席クラス以上で月間利益が500万円~1000万円は当たり前です。
食べログ点数、すなわち、商品力は非常に大切
店舗は、常にお客さまに評価されています。
インターネットの発達で、情報価値が極端に下がり、現在、ウクライナで起きていることも、ガザで起きていることも瞬時に、簡単に無料で、情報入手が出来る時代になりました。
外食ビジネスにおいても、どのお店のレベルがいくらで、人気が高い店とそうでない店の差が、誰にでも簡単に分かるようになりました。
したがって、現在はプロ中のプロ、すなわち、OUTSTANDIG(他より優れている)お店しか、生き残るのが難しい時代になっています。
商品力アップについての対策は、当社が最も強く皆さまのお力になれる点です。
当社では、全国各地のドリームスタジオでの製麺講習会、東京支店と本社でのリアルのうどん学校、蕎麦学校、ラーメン学校などの麺学校、他に遠隔地でも、自由な時間に学ぶことが出来るe-learning等、さまざまな手段を準備しています。
開店時がもっとも大切
開店時に失敗すると、取り戻すのは非常に難しく、食のプロほど、新規開業の大切さを理解しています。
新規開店の場合、新規に採用したスタッフたちも慣れていないので、最初から焦らないで、営業時間も絞り(短く営業)、食数も絞るスロースタート、サイレントオープン(開業したことをあまり知らせない)をお勧めします。
併せて、開店までに、開店準備を完璧に行なうことが必須です。
広告宣伝はしないこと
今の時代は、自分でお金を払っての広告宣伝が非常に効果のない時代になってきました。
当社も製麺機とか、麺の販売はネット販売が主流になっていますが、広告宣伝が本当に効かなくなり、お金を使わない方法でのお客さまとのやり取りが主流になってきています。
どんなビジネスにおいても、麺ビジネスにおいても、広告宣伝は自分で行なうものではなく、ネット、SNSの発達で、自分でチラシを打ったり、有料の広告宣伝をする必要はなくなったのです。
以前は立地が重要であったのですが、グーグルマップに出現により、立地さえも重要な条件ではなくなったのです。
ビジネスの原点は、お客さまの困りごとを解決すること
全国展開しているスーパーホテルの創業者は、もともとホテルの経営者ではなく、ビジネスホテルを出張で泊まり歩いていたビジネスマンであったのです。
ビジネスホテルは本来、出張で疲れた体を休めるためのものであったはずですが、その頃のビジネスホテルはゆっくり休まる状態ではなかったのです。
隣の部屋の騒音が壁を通して、あるいは、廊下からの騒音が入ってきたり、ベッド自体の品質が悪く、良い睡眠が取れない等、安眠出来るホテルがなかったので、この経営者は安眠出来るホテルを作ろうと思って、スーパーホテルを作ったところが、非常に受けて、全国展開出来るまでになったのです。
このように、自分で飲食店に行った時に「感じる問題点・感じるストレス」が、あなたのビジネスの原点になるのです。
脱サラして麺ビジネスを始める場合に
脱サラして、麺ビジネスは始める場合は、脱サラする前(サラリーマン時代)に、開業に必要な知識、技術レベル、ノウハウをすべて身に付けておくことです。
そのために、お勧めしたいのは、うどん店をやると決めると、脱サラよりはるか前に、大和うどん学校に来て、開業に必要なことを先に学んでおくことです。
最近も実際にあったのが、学校に来る前に立地を先に決めてきた生徒さんがいました。
余りにもひどい場所であったので、私はその生徒さんに、その場所の契約を破棄して、別の場所を選んだ方が良いとアドバイスをしたくらいです。
脱サラ前に、大和うどん学校に来て、学んでから脱サラし、物件を探せば、そのような無駄にならないのです。
脱サラ後に、0から準備を始める人が多いのですが、脱サラしてからでは、準備の時間がロスになり、収入を得る手段がなくなり、資金の余裕と時間がなくなるので、十分な準備が出来ない場合が多いのです。
その為の対策の1つ目として、当社では、サラリーマン時代に必要なことを学ぶことが出来るe-learningを準備しています。
2つ目の対策として、当社の営業員として働きながら、お客さまの製麺機のメンテナンス、販売、麺指導等を通じて、開店資金を貯めながら、同時に、麺専門店ビジネスに成功するノウハウ、スキルを、
仕事を通じて学べる『大和麺専門店開業道場第一期生募集』をスタートしました。
既に、当社に12年前に新卒で入社し、6年間当社で勤務した後、ラーメン店を開業して大成功し、今回その店舗を後継者に譲り、Amsterdam(オランダ:アムステルダム)で新たにラーメン店を出店する事例があります。
適切なスタッフの確保、開業を決めたときに確保しておくこと
ビジネスの成否は人で決まります、人手の確保は絶対に妥協しないことです。
今後20年間で、日本の人口が約2千万人減少すると言われており、麺ビジネスの成功において適切な人の確保が最も重要な課題になっています。
適切な人材の確保がビジネスの成功の上で最重要項目になってきます。
店舗展開の場合
最初の店舗のビジネスモデルが確立し、しっかり利益が出るようになってから2店舗以降の展開を行なうことです。
2店舗以降の多店舗展開に踏み切る場合は、必ず、拡大再生産が出来るビジネスモデルを作り上げてから、多店舗展開出来る人材を確保してから、チェーン展開を始めることです。
チェーン展開の成功 = 新しい最適なビジネスモデル発明
チェーン展開には、拡大再生産が出来るビジネスモデルの発明が欠かせないのです。