自然に学ぶ、食の知恵 台湾・オートバイ神社より|ロッキー藤井のブログ

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台湾で学んだ「自然な食」の極意|細うどんとビーガン出汁の可能性

こんにちは、ロッキー藤井です。
今週は台湾・台南の「オートバイ神社」に隣接するカフェで、現地のうどん店の味づくりを指導してきました。海外での味のチューニングは毎回学びの連続ですが、今回は特に「自然な食のあり方」と深く向き合う時間となりました。

台湾の「素食」文化に驚き

新鮮なえんどう豆

台湾では「素食(スーシー)」というビーガン文化が根づいており、塩分を日本の約半分に抑え、食材の力だけで「うま味」を引き出す料理が主流です。

そこで私も、昆布・椎茸・炒り大豆のビーガン出汁を現地に合わせて調整し、「細うどん」と相性の良い味を完成させました。

「素食」という言葉は中国語で「菜食」を意味します。特に台湾では、肉や魚を使わないベジタリアン料理のことを指します。

細うどん文化と東アジア味覚比較

細うどん

今回の最大の驚きは、現地で好まれる麺の細さでした。日本では讃岐系の「太くてコシのあるうどん」が主流ですが、台湾では喉越しのよい繊細な細麺が喜ばれました。

何度も試作と試食を繰り返し、最終的に生麺状態で切り幅3.2mm × 厚さ2.7mmの仕様に落ち着きました。

なぜこんなにも違うのか?

この好みの違いは、単なる「食感の問題」ではありません。文化・気候・身体性すべてが関わっています。

地域麺の特徴背景
日本太くて力強い麺しっかりとした食事を好む文化的背景
台湾軽やかで柔らかな麺

亜熱帯および熱帯性の気候と体質に合う食文化

つまり、うどんの太さにも、その土地の哲学が宿っているのです。

塩濃度と健康意識の国際比較

塩が盛られたスプーン

台湾人は、塩分に非常に敏感な民族です。「薄味=物足りない」ではなく、「素材の味で十分」とする文化が根づいています。今回作った出汁も、通常の日本の半分以下の塩濃度に設定しましたが、それでも高評価を得ました。

  • エキス濃度の工夫:塩ではなく素材のうま味を濃くする
  • よく噛んで味わう習慣:味覚が鋭敏になる
  • 身体を整えるという思想:料理は”薬膳”に近い存在

つまり、「味を濃くする」のではなく、「舌を研ぎ澄ます」という発想なのです。これは、高血圧や生活習慣病が深刻な日本にとっても、学ぶべき知恵ではないでしょうか。

出汁文化のグローバル化 ビーガン進化論

日本の出汁と材料

日本独自と思われがちな出汁文化は、今やビーガン対応によって世界に広がりつつあります。特に今回のように、動物性ゼロで深い味わいを実現する出汁は、あらゆる宗教やライフスタイルにマッチします。

究極のビーガン出汁レシピ

食材

作り方

昆布

前日から水出しし、60℃まで温度を上げて取り出す

椎茸

火入れせず、冷水だけで旨味を抽出

炒り大豆

焦がさず20分香りを引き出し、その後じっくり煮出す

この3種の「うま味濃縮液」を合わせた出汁は、自然素材だけで驚くほど深い味わいを生み出します。化学調味料を使わずとも「美味しい料理」は作れる。この事実は、料理人として私にとって大きな希望です。

今週のアクション:1日1食、無添加チャレンジ

今週は「1日1食、無添加チャレンジ」にぜひ取り組んでみてください。

  • 昆布・椎茸・大豆などから自家製出汁をとる
  • 調味料を控えめにする
  • 素材の味に集中して食べる

昆布・椎茸・大豆などから自家製出汁をとり、調味料を控えてみる。すると、素材の味に対する感受性が一気に高まり、身体も喜ぶことに気づくはずです。

最後に 料理は未来への哲学である

台湾の「村(Son)」というビーガンレストランで出会った一皿。それは、塩気も装飾も控えめなのに、人生が豊かになるような味でした。

化学調味料に頼らず、素材と向き合う姿勢。そこに私は「料理は思想である」と改めて確信しました。

味覚とは、人生の羅針盤。

今週も、自然と身体に耳を傾け、やさしい味の旅を続けていきましょう。

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藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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