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麺は、なぜ人類に選ばれ続けるのか。

世界麺未来戦略研究所 第十二理論

皆さま、こんにちは。
大和製作所創業者、ロッキー藤井です。

前回・前々回は、
「世界一の商品は、何を売っているのか」 
「世界一の会社は、どのように価値を創り続けているのか」 
というテーマで考えてきました。

では、その価値は5年後、10年後にどのように変化していくのでしょうか。

私は、世界中の麺ビジネスを見ていて、一つ確信していることがあります。

お客様は、これからも麺を食べ続けます。

しかし、お客様がお金を払う理由は、今までとは少しずつ変わっていくでしょう。

今日は、5年後のお客様が麺にどのような価値を求めるのかを考えてみたいと思います。

世界の成功企業は、未来の商品ではなく、未来のお客様を研究している

世界の成功企業は、商品そのものだけを見ているわけではありません。

見ているのは、未来のお客様です。

Apple は、新しい iPhone だけを研究していたのではないと思います。

「人は、これからどんな体験を求めるのか」
「どのようにデジタルを使いたいのか」
「どんな操作なら、もっと自然に使えるのか」

そうした未来のお客様を見ていたからこそ、新しい価値を生み出してきました。

Amazon も、新しい物流の仕組みだけを研究していたのではありません。

「お客様は、もっと便利に買い物をしたい」
「もっと早く届けてほしい」
「もっと簡単に選びたい」

その未来を見ていたからこそ、世界中の買い物の形を変えました。

Netflix は、レンタルビデオ店を分析していたのではありません。

「好きな時に、好きな作品を楽しみたい」
「店に行かずに、家で自由に見たい」

そうした生活の変化を見ていました。

McDonald’s も、ハンバーガーだけを研究しているわけではありません。

AI、モバイル注文、デジタル会員、デリバリーなど、お客様の生活に合わせて進化しています。

つまり、世界の成功企業は、未来の商品だけでなく、未来のお客様を研究しているのです。

麺には、他の主食にはない価値がある

世界には、米、パン、トウモロコシ、ジャガイモなど、多くの主食があります。

その中でも、私は麺には他の主食にはない大きな強みがあると思っています。

第一は、食べやすさです。

麺は、子どもから高齢者まで幅広い世代が食べやすい主食です。

噛み切りやすく、飲み込みやすい。
形状や太さ、柔らかさを変えることで、年齢や体調に合わせた商品づくりもしやすい。

世界中で高齢化が進むこれからの時代、この価値はさらに高まると思います。

第二は、応用しやすさです。

麺は、穀物を粉にし、水を加え、練り、成形してつくられます。

穀物を人が食べやすい形へ加工した食品であり、原料や製法を変えることで、さまざまな用途に応用できます。

介護食。
病院食。
幼児食。
健康志向の商品。
高たんぱく商品。
グルテンフリー商品。
地域食材を使った商品。

麺は、時代のニーズに合わせて形を変えられる主食です。

第三は、食感です。

私は50年間、食感を研究してきました。

味は、時間が経つと細かい部分を忘れてしまうことがあります。

しかし、食感は身体が覚えています。

もちもち。
つるつる。
しこしこ。
もちっと。
歯切れ。
のど越し。

「あの店の麺が食べたい」
そう思う理由の多くは、食感にあります。

第四は、進化できる主食であることです。

うどん。
そば。
ラーメン。
パスタ。
フォー。
ビーフン。
冷麺。
米粉麺。
高たんぱく麺。
グルテンフリー麺。

麺は、世界各地の文化、食材、技術、生活に合わせて進化してきました。

私は、人類が発明した主食の中で、これほど多様に進化し続けている食品は、麺以外に少ないと考えています。

だから私は、
麺の本質は Evolution、つまり進化である
と考えています。

5年後、お客様が求める価値

私は、これから5年間で、お客様が麺に求める価値は、さらに広がっていくと思っています。

おいしいこと。
食感が良いこと。
健康であること。
食べやすいこと。
安心できること。
出来たてであること。
地域の文化を感じられること。
自分に合った商品を選べること。
そして、
「また来たい」
と思える感動があること。

これらの価値は、今後ますます重要になるでしょう。

AI は進化します。
ロボットも増えます。
デジタル注文も広がります。
自動化も進みます。

しかし、最後にお客様が選ぶのは、人の心を動かす価値です。

便利だから選ぶ。
安いから選ぶ。
早いから選ぶ。

それだけではなく、
「この麺が好きだ」
「この店に来ると元気になる」
「この食感は忘れられない」
と思っていただけること。

そこに、これからの麺ビジネスの可能性があります。

大和製作所は何を研究するのか

私は50年間、製麺機を開発してきました。

しかし、本当に研究してきたのは製麺機だけではありません。

麺のおいしさ。
食感。
再現性。
お客様の成功。

これらを研究してきました。

これからの5年間も、私たちが研究することは変わりません。

世界のお客様は、どんな麺を求めるのか。
どんな食感に感動するのか。
どんな価値にお金を払うのか。
どんな食べ方が生活に合うのか。
どんな麺ビジネスが次の時代に選ばれるのか。

その答えを世界中から学び、日本の麺文化をさらに進化させていきたいと思います。

世界麺未来戦略研究所 第十二理論

私は、未来は AI が創るものではないと思っています。

未来を創るのは、お客様が何に価値を感じるかです。

商品は変わります。
技術も変わります。
販売方法も変わります。
店舗の形も変わります。

しかし、人がおいしいと感じること。
健康でありたいと願うこと。
誰かと食事を楽しみたいと思うこと。
心が満たされる時間を求めること。

これらは、簡単には変わりません。

だから戦略とは、未来の技術を追いかけることだけではありません。

未来のお客様を理解することです。

技術を見る前に、お客様を見る。
商品を見る前に、価値を見る。
流行を見る前に、人間の本質を見る。

ここが重要だと思っています。

世界麺未来戦略研究所 第九理論

私は、戦略とは、単にライバルを分析することではないと考えています。

未来を予測することだけでもありません。

本当に大切なのは、お客様の未来を、誰よりも早く理解することです。

ライバルを見る会社は、今日を競争します。

お客様を見る会社は、5年後を準備します。

世界を見る会社は、10年後を創ります。

だから私は、毎日、ライバルを見る時間よりも、お客様を見る時間を大切にしています。

世界を見る時間を大切にしています。

その積み重ねが、未来を創ると信じています。

さいごに

私は、5年後も、10年後も、麺は世界中で進化し続けると信じています。

なぜなら、麺は人類が約4,000年前に生み出し、今なお進化を続ける主食だからです。

そして、その進化を支えてきたのは、いつの時代もお客様でした。

お客様が求めるから、麺は変わる。
お客様が喜ぶから、食感は磨かれる。
お客様の生活が変わるから、麺ビジネスも進化する。

だから私は、これからもライバルではなく、お客様を研究します。

商品ではなく、価値を研究します。

製麺機ではなく、お客様の成功を研究します。

それが、世界麺未来戦略研究所がたどり着いた第十二理論です。

来週も、世界の成功企業と麺文化の研究を通じて、皆さまと共に次の時代の麺ビジネスを考えていきたいと思います。

皆さまと共に。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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