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商品を売る会社から、価値を創る会社へ

世界麺ビジネス研究所 第十一理論

皆さま、こんにちは。
大和製作所創業者、ロッキー藤井です。

前回は、
「世界一の商品は、何を売っているのか」  
というテーマでお話ししました。

そこでお伝えしたのは、これからは商品そのものを売る時代ではなく、商品を通じて価値を届ける時代になっているということです。

では、その価値を生み出し続ける会社は、どのような組織をつくっているのでしょうか。

今日は、このテーマについて考えてみたいと思います。

私は50年間、世界70か国以上で麺ビジネスに携わり、数多くの企業を見てきました。

その中で、一つ確信していることがあります。

価値を創るのは、商品だけではありません。

価値を創るのは、人であり、組織です。

世界一の会社は、人づくりを最優先にしている

世界の一流企業には、驚くほど共通点があります。

商品開発も重要です。
設備投資も重要です。
広告も、店舗づくりも、技術開発も重要です。

しかし、長く支持される企業ほど、人への投資を大切にしています。

Disney は、「夢と感動」を提供する会社です。

しかし、夢をつくっているのはアトラクションだけではありません。

キャスト一人ひとりです。

お客様をどう迎えるか。
困っている人にどう気づくか。
小さな場面でどんな言葉をかけるか。
その一つひとつが、Disney らしい体験をつくっています。

だから Disney は、理念教育に大きな力を入れています。

世界中どこのディズニーへ行っても、ディズニーらしさを感じられる理由は、設備だけではなく文化にあります。

Starbucks も同じです。

Starbucks は、コーヒーを売るだけの会社ではありません。

パートナーと呼ばれる従業員を育て、一杯のコーヒーを通じて、心地よい時間を提供しています。

Ritz-Carlton も、豪華な建物だけで評価されているのではありません。

現場のスタッフ一人ひとりが、
「お客様のために、今何ができるか」
を自分で判断し、行動できる文化を持っています。

だからこそ、世界中で高い品質が維持されるのです。

世界一の商品は、一日にして生まれない

多くの経営者は、ヒット商品を探します。

もちろん、ヒット商品は大切です。

しかし、世界の成功企業は、ヒット商品を偶然には任せていません。

ヒット商品が生まれる組織をつくっています。

Apple は、デザインと技術が深く議論できる文化を育てました。

技術だけでもなく、デザインだけでもなく、人が使いたくなる体験を追求する組織文化があります。

Toyota は、現場の改善提案を積み重ねる文化を育てました。

一度の大きな変化ではなく、毎日の改善を積み重ねることで、品質と信頼を築いてきました。

Costco は、従業員を大切にすることで、お客様満足を高めています。

働く人を大切にするから、現場のサービスが安定し、結果としてお客様から選ばれる会社になります。

つまり、商品は結果です。

その商品を生み出す原因は、組織にあります。

日本の麺ビジネスも同じ

日本の麺ビジネスにも、同じことが言えます。

丸亀製麺が守っているのは、
「打ち立て・茹で立て・でき立て」
という価値です。

しかし、その品質を守っているのは、製麺機だけではありません。

毎日、真剣に麺と向き合う現場の人です。

麺の状態を見る人。
茹で上がりを判断する人。
お客様の流れを見ながら提供する人。
忙しい時間帯でも品質を守る人。

そこに、ブランドの力があります。

一風堂も同じです。

河原成美氏の理念が、世界中の店舗で共有されているからこそ、どの国でも一風堂らしさが伝わります。

味だけでなく、空間、接客、清潔感、ブランドの空気感まで含めて、一風堂の価値になっています。

一鶴も、骨付鶏の焼き方だけで選ばれているのではありません。

お客様を迎える姿勢。
店全体の雰囲気。
スタッフ同士の連携。
仲間と食事を楽しめる空気。

それらが重なって、
「また来たい」
という価値を生み出しています。

大和製作所が最も大切にしてきたもの

私は50年間、製麺機を開発してきました。

しかし、本当に力を入れてきたのは、人づくりでした。

だから、製麺学校をつくりました。

技術だけではなく、考え方を伝えました。
経営を伝えました。
商品づくりを伝えました。
お客様の成功事例を共有しました。

世界中へ足を運び、現場で一緒に汗を流してきました。

私たちが育てたかったのは、製麺技術だけではありません。

繁盛店をつくる人です。

どれほど良い機械があっても、それを使う人に考え方がなければ、価値は十分に生まれません。

どれほど良いレシピがあっても、お客様に届ける人が育っていなければ、店は長く続きません。

だから、大和製作所は、製麺機だけでなく、人づくり、組織づくり、文化づくりを大切にしてきたのです。

世界麺ビジネス研究所 第十一理論

世界中の成功企業を研究していて、一つの法則が見えてきました。

価値は、商品が創るのではない。
価値は、人と組織が創る。

設備は真似できます。
商品も真似できます。
レシピも真似できます。
内装も、メニューも、価格も、真似できます。

しかし、理念は簡単には真似できません。

文化は真似できません。
人の成長は真似できません。
組織に根づいた考え方は真似できません。

ここに、本当の競争力があります。

価値を創り続ける会社は、商品だけを育てているのではありません。

価値を創れる人を育てています。
価値を生み出せる組織を育てています。
価値が自然に生まれる文化を育てています。

あなたの会社は、何を育てていますか

ここで、皆さまに一つ質問があります。

皆さまの会社は、商品を育てていますか。
それとも、人を育てていますか。

もちろん、商品を磨くことは大切です。

しかし、私は、人が育てば商品は育つと思っています。

組織が育てば、ブランドは育つと思っています。

ブランドが育てば、お客様から選ばれ続ける会社になります。

新商品を考える前に、人が育つ環境があるか。
接客を改善する前に、理念が共有されているか。
設備を入れる前に、それを活かせる組織になっているか。

この順番を間違えてはいけません。

さいごに

私は、経営とは利益を追求することだけではないと思っています。

人を育てること。
文化を育てること。
価値を育てること。

その結果として、利益が生まれ、会社は成長していきます。

世界一の商品を生み出す会社は、世界一の組織を育てています。

だから私は、これからも製麺機だけではなく、人づくり、組織づくり、文化づくりを研究し続けます。

それが、世界麺ビジネス研究所がたどり着いた第十一理論です。

次回は、
「5年後、お客様は何にお金を払うのか」
というテーマで、世界の最新事例から次の時代の麺ビジネスを考えていきます。

皆さまと共に。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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