ページコンテンツ

世界の外食は、「高品質 × 高生産性」へ進んでいる

今、世界の外食産業で起きている最も大きな変化は、「高品質」と「高生産性」を同時に求める時代になった ということです。

以前のFast Foodは、

  • 速い
  • 安い
  • 分かりやすい

ことが中心でした。

しかし、今の世界は違います。

Fast Casualの時代に入り、お客さまは次のような価値を求めています。

  • 美味しい
  • 品質が高い
  • 健康的
  • 空間が良い
  • ブランド感がある

しかも、それでいて、

  • 提供が速い
  • 回転する
  • 誰が作っても再現できる
  • デジタル注文にも対応できる

ここまで求められるようになっています。

つまり、これからの外食は、高品質でありながら、高生産性でなければ勝てない 時代に入っているのです。

世界のFast Casual企業は、生産性が高い

たとえば、

  • Chipotle
  • CAVA
  • Sweetgreen
  • Shake Shack

これらの企業は、単に人気がある店ではありません。
極めて生産性が高い企業です。

高品質な商品を、
高密度で、
大量に、
安定的に提供できる。

ここが強いのです。

だからAUVも高い。
AUVとは、1店舗あたり年間売上のことです。

世界で伸びている外食企業は、高品質 × 高生産性 を実現しています。

これが、これからの世界標準になりつつあります。

日本の麺ビジネスは、まだ職人依存が強い

一方で、日本の麺ビジネスはどうでしょうか。

日本の麺文化は、世界トップレベルです。

うどん。
ラーメン。
蕎麦。

食感のレベルは、非常に高い。
小麦の扱い方、出汁やスープとの合わせ方、茹で方、締め方、のど越し、コシ。
日本の麺文化には、世界に誇れる技術があります。

しかし、経営面では、まだ職人依存が強いのです。

店主がいないと味が落ちる。
熟練者がいないと店が回らない。
人が育たない。
品質が人によって変わる。

つまり、課題は、再現性と高生産性 です。

美味しい麺を作れることは素晴らしい。
しかし、それを誰が作っても安定して提供できなければ、事業としては大きくなりにくい。

ここが、これからの麺ビジネスの大きな課題になります。

これからの経営は、「職人技術の翻訳」である

私は、これからの麺ビジネス経営で最も重要なのは、
職人技術を、再現可能な技術へ翻訳すること
だと思っています。

職人の世界では、

  • 経験
  • 感覚
  • 手触り
  • 香り
  • 見た目

が非常に重要です。

しかし、これからの経営では、それだけでは足りません。

それらを、

  • 数値化する
  • 標準化する
  • 教育できる形にする
  • 誰でも再現できる形にする

必要があります。

職人技を否定するのではありません。
むしろ、優れた職人技を分解し、多くの人が再現できるようにする。

これが、これからの麺ビジネスに必要な経営です。

高品質を量産できるか

ここが非常に重要です。

本当に強い企業は、高品質を量産できます。

一杯だけ美味しい。
一店舗だけ美味しい。
店主がいる時だけ美味しい。

これでは、これからの時代は弱い。

いつ行っても美味しい。
誰が作っても品質が安定している。
ピーク時でも崩れない。
複数店舗でも再現できる。

ここまでできて初めて、強い外食ビジネスになります。

たとえば、鼎泰豊。
職人感があります。
目の前で作っているライブ感もあります。
しかし実際には、極めて高度に標準化されています。

つまり、
「職人らしく見えること」と「高生産性」
を同時に成立させているのです。

ここが、世界で強い理由です。

立ち食い蕎麦も進化できる

私は、立ち食い蕎麦にも非常に大きな可能性があると思っています。

ただし、これからは安いだけでは弱い。

必要なのは、

  • 高品質
  • 高食感
  • 高回転
  • 高再現性
  • 高生産性

です。

つまり、目指すべきは、世界レベルのFast Casual蕎麦 です。

短時間で提供できる。
それでいて美味しい。
少し時間が経っても品質が落ちにくい。
誰が作っても一定の品質になる。
回転率が高く、店外売上にも対応できる。

ここまで設計できれば、立ち食い蕎麦は大きく進化できます。

「安いから選ばれる蕎麦」ではなく、
速くて、美味しくて、品質が安定している蕎麦
へ進化する。

ここに大きな可能性があります。

時間研究が、生産性を変える

以前に、「時間が、麺の価値を変える」というテーマを書きました。

これは、実はManagementにも深くつながります。

なぜなら、時間耐性が高い麺は、オペレーションを安定させる からです。

少し時間が経っても品質が崩れにくい。
提供までの数分で食感が大きく落ちない。
持ち帰っても価値が残る。
再加熱しても食感が戻る。

これができると、現場は非常に強くなります。

提供が安定する。
回転が安定する。
ピーク時の負担が減る。
人材教育がしやすくなる。
店外売上にも対応しやすくなる。

つまり、時間研究は、生産性研究でもある のです。

麺の時間変化を研究することは、単なる製法研究ではありません。
経営効率を高めるための研究でもあります。

これからは、「店内比率」と「店外比率」を設計する時代

これからの店舗設計では、「何席つくるか」だけでは弱い と私は思っています。

もちろん、席数は重要です。
しかし、これからはそれだけでは足りません。

重要なのは、

  • 店内売上比率
  • 店外売上比率

を、最初から設計することです。

つまり、

  • 店内飲食
  • テークアウト
  • デリバリー
  • モバイル注文
  • 事前注文
  • 冷凍商品
  • EC

これらを、最初から経営設計に入れる必要があります。

これからの店舗は、店内で食べてもらうだけの場所ではありません。
店内と店外の両方で売上を生む拠点 として考える必要があります。

店外比率が上がるほど、生産性は上がる

なぜ、店外比率が重要なのか。

理由は明確です。

店外売上は、

  • 客席を使わない
  • 滞在時間が短い
  • 回転率の制約を受けにくい
  • 同じ店舗面積でも売上を伸ばしやすい

からです。

つまり、店外売上が伸びるほど、同じ店舗でも売上の上限を引き上げることができます。

たとえば、スターバックス。
テークアウト比率が高いことで、客席効率は非常に高くなります。

店内で飲むお客さまだけでなく、持ち帰るお客さま、移動中に飲むお客さま、職場で飲むお客さま、家で飲むお客さままで取り込んでいます。

これが、高生産性につながっています。

考え方によっては、店内比率より、店外比率の方が高くてもよい。
実際、世界の外食はその方向へ進んでいます。

麺ビジネスも、店外比率を高める時代へ

しかし、麺業態はまだ店内依存が強い。

つまり、客席回転に依存している ということです。

ここが、今後の大きな課題になります。

これからの麺店舗は、客席設計だけではなく、店外導線設計 が必要です。

たとえば、

  • モバイル受取導線
  • デリバリー受取導線
  • テークアウト専用導線
  • 冷凍販売導線
  • EC導線
  • 再注文導線

ここまで含めて設計する必要があります。

店内のお客さまだけを見ていると、成長には限界があります。
これからは、店の外にいるお客さまとどうつながるかが重要になります。

店舗の定義が変わる

今までの店舗は、
「食べる場所」
でした。

しかし、これからの店舗は、
「麺供給基地」
へ変わっていくと私は考えています。

つまり、

  • 店内飲食
  • テークアウト
  • デリバリー
  • モバイル注文
  • 冷凍商品
  • EC
  • 再注文

これらすべてをつなぐ拠点です。

店舗は、単なる客席の集まりではありません。
お客さまの生活導線に麺を届けるための基地になります。

この発想を持てるかどうかで、これからの麺ビジネスは大きく変わります。

デジタル化と高生産性

今、世界のFast Casual企業では、デジタル売上比率 が非常に重要になっています。

Chipotle。
CAVA。
Sweetgreen。

これらの企業は、デジタル売上比率が高い。

つまり、

  • モバイル注文
  • 事前注文
  • 再注文
  • デリバリー
  • 顧客データ活用

を高効率で回しています。

デジタル化は、単に注文方法を増やすことではありません。

注文時間を短くする。
レジ負担を減らす。
オーダーミスを減らす。
再注文を増やす。
顧客データを蓄積する。
店外売上を伸ばす。

つまり、
高品質 × 高生産性 × デジタル
が一体化しているのです。

これが、次世代の外食経営です。

大和製作所の役割

だから、これから必要なのは、単なる製麺機ではありません。

必要なのは、

  • 時間変化設計
  • 食感設計
  • 温度設計
  • デリバリー設計
  • 再加熱設計
  • 高生産性設計
  • 高再現性設計

です。

つまり、必要なのは「次世代Fast Casual麺システム」です。

大和製作所は、単なる製麺機メーカーではありません。
世界の麺ビジネスを設計する企業です。

だから私は、大和製作所を、世界の食感研究所 と定義しています。

さいごに

大和メルマガは、単なる情報発信ではありません。

読者の皆さまと共に、次の麺ビジネスを研究する場 です。

現場には、必ず課題があります。

人が足りない。
品質が安定しない。
提供が遅い。
店外売上を伸ばしたい。
デリバリーに対応したい。
もっと高品質な麺を、もっと効率よく出したい。

そうした現場の悩み、課題、質問、未来への挑戦を、ぜひお寄せください。
世界視点と未来視点から、共に考えていきたいと思います。

最後に考えてください。

あなたの店は、店内売上だけに依存していませんか。
店外売上を設計していますか。
モバイル注文に対応していますか。
デリバリー時代に対応できますか。
店舗を、単なる「食べる場所」として考えていますか。
それとも、「麺供給基地」として考えていますか。

これからの麺ビジネスでは、
店内で選ばれる力
と同時に、
店外でも選ばれる仕組み
が必要になります。

これからの麺ビジネスは、「職人依存」から「高品質再現システム」へ進みます。

そして店舗は、「客席商売」から「生活導線型の麺供給基地」へ進化します。

店外比率を高めるほど、
客席効率は上がり、
生産性は上がり、
高AUV化が進みます。

これから世界で勝つのは、高品質を、高生産性で、再現可能に提供できる麺ビジネス です。

この記事をお読みのみなさまへ

この記事で取り上げている内容で、ご不明点や直接お聞きしたいことなどがあれば、お気軽にお尋ねください。

後日、ご回答させて頂きます

ロッキー藤井の情熱メルマガ【毎週配信】

まずは無料のメルマガ購読からスタート

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

関連記事
永い繁栄のための大本|感謝への理解が幸せに生きる基本

永い繁栄のための大本|感謝への理解が幸せに生きる基本

戦略とは「選択」と「一貫性」|戦略と価格の関係と重要性

売れる×儲かる×季節に合う!AIが導く次世代メニューの戦略

“売れる × 儲かる × 季節に合う”!AIが導く次世代メニュー戦略の極意

ラーメン・うどん・そば店|地域一番店戦略|独自土俵&永続コンセプト

ラーメン・うどん・そば店の地域1番店戦略 - 独自土俵と永続コンセプト

麺ビジネスへのAI活用 小さく始めて大きく育てる|末永い繁栄のための大本

うどん、蕎麦、ラーメン店へのAI導入で、イノベーションを実現|永い繁栄のための大本

麺ビジネスの未来|麺ビジネスは「食感設計の時代」へ

変化に対応するエフェクチュエーション、その4「クレイジー・キルトの原則」~永い繁栄のための大本 新しい思考法~

地域一番店の戦略|最初は必ず「小さなカテゴリー」で勝つ