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世界麺未来戦略研究所 第九理論

皆さま、こんにちは。
大和製作所創業者、ロッキー藤井です。

今週は、二つのテーマでお話ししてきました。

一つは、ライバルとは競争しないということ。
もう一つは、ライバルが現れた時こそ、人と組織を磨くということです。

今日は、その締めくくりです。

私は50年間、世界70か国以上で麺ビジネスを見続けてきました。

その中で、一つ確信していることがあります。

未来を創る企業は、ライバルばかりを見ていません。

見ているのは、お客様の5年先です。

しかし、多くの経営者から、こんな質問を受けます。

「お客様の5年先を見ると言いますが、実際には何を見ればよいのでしょうか」

今日は、その答えについてお話ししたいと思います。

世界の成功企業は、ライバルではなく、お客様の未来を見ていた

世界の成功企業を見ていると、ライバルへの対抗だけで成長した企業は少ないと感じます。

むしろ、お客様の未来を先に見つけた企業が、新しい市場をつくってきました。

Apple は、単にパソコンメーカーとの競争を考えていたのでしょうか。

私は、そうではないと思います。

「これから人々は、もっと簡単に、もっと美しく、もっと直感的にデジタルを使いたい」

その未来を見ていたからこそ、iPhone のような新しい価値が生まれました。

Amazon は、本屋との競争だけを考えていたのでしょうか。

そうではありません。

「お客様は、もっと便利に、もっと早く、もっと自由に買い物をしたい」

その未来を見ていたからこそ、世界最大級の EC 企業へ成長しました。

Netflix も同じです。

レンタルビデオ店との競争だけを見ていたのではありません。

「好きな映画や番組を、好きな時間に、好きな場所で見たい」

という生活の変化を見ていました。

Tesla も、ガソリン車との競争だけを考えていたわけではありません。

環境意識の高まり、ソフトウェアが自動車の価値を決める時代、移動そのものの変化を見ていました。

だからこそ、新しい市場をつくることができたのです。

外食産業も同じ

外食産業も同じです。

世界の外食産業は、日本の多くの経営者が感じている以上のスピードで変化しています。

McDonald’s は、ハンバーガーを売る会社から、お客様との接点をデジタルで広げる企業へ進化しようとしています。

モバイル注文。
デリバリー。
AI を活用した店舗運営。
デジタル会員制度。
ドライブスルーの高度化。

店舗の中だけでなく、店舗の外でもお客様との関係を築いています。

Starbucks も同じです。

コーヒーだけではありません。

アプリ、リワード、モバイル注文を通じて、来店前から来店後まで、お客様とのつながりを設計しています。

Chipotle は、デジタル注文を積極的に取り入れ、店舗のオペレーションそのものを変えました。

世界の外食産業で起きているのは、単なるデジタル化ではありません。

お客様の生活そのものに合わせて、外食の形が進化しているのです。

日本の麺ビジネスも未来を見ている

日本の麺ビジネスにも、未来を見ながら進化している企業があります。

丸亀製麺は、「打ち立て・茹で立て・でき立て」という根っ子を守りながら、世界各国の文化、宗教、ライフスタイルに合わせて進化しています。

一風堂は、博多ラーメンをそのまま世界へ持って行っただけではありません。

世界のお客様が求めるブランド体験へと磨き上げました。

つるとんたんは、うどんを単なる食事から体験へ進化させました。

一鶴は、骨付鶏を売っているだけではありません。

仲間と語り合い、笑顔になり、日常の疲れを吹き飛ばす時間を提供しています。

どの企業も、ライバルだけを見ていたのではありません。

お客様がこれから何を求めるのか。
どんな時間に価値を感じるのか。
どんな体験を選ぶのか。

そこを見ていたのです。

お客様の5年先は、どこを見れば分かるのか

では、お客様の5年先は、どこを見れば見えてくるのでしょうか。

私は、未来を見る窓は七つあると考えています。

第一は、お客様の不満です。

不満は、未来の商品になります。

「待ち時間が長い」
「健康的な選択肢が少ない」
「一人では入りづらい」
「子ども連れで使いにくい」
「持ち帰るとおいしさが落ちる」

こうした不満の中に、次の商品やサービスの種があります。

第二は、お客様の時間の使い方です。

忙しくなれば、短時間で満足できる食事が求められます。
その流れの中で、Fast Casual が伸びています。

第三は、若い世代の生活です。

20代が当たり前に使っているものは、5年後には社会の標準になる可能性があります。

スマホ注文、キャッシュレス、動画検索、口コミ、サブスク、タイパという考え方。

若い世代の行動には、未来のヒントがあります。

第四は、世界の先進市場です。

アメリカ、シンガポール、韓国、北欧。

世界で起きていることは、数年後に日本でも起こる可能性があります。

第五は、新しい技術です。

AI、ロボット、IoT、自動化。

ただし、技術を見るだけでは意味がありません。

大切なのは、
「この技術で、お客様は何が便利になるのか」
を見ることです。

第六は、社会の変化です。

高齢化。
健康志向。
単身世帯の増加。
インバウンド。
人手不足。
地域人口の変化。

人口構造や社会の変化が起これば、麺ビジネスも必ず変わります。

そして最後は、今日のお客様の声です。

「こんな商品が欲しい」
「もっと健康的なメニューはないですか」
「スマホで注文できると便利ですね」
「家でもこの味を食べられませんか」
「子どもと一緒に来やすい店がいい」

こうした一言が、5年後の市場をつくります。

未来は、遠い場所にあるのではありません。

今日のお客様の小さな声の中に、すでに現れているのです。

大和製作所は何を見てきたのか

私は50年間、製麺機だけを研究してきたのではありません。

世界中のお客様を研究してきました。

だから、大和製作所は製麺機だけで終わりませんでした。

製麺学校が生まれました。
世界70か国以上へ広がりました。
食感研究が始まりました。
再現性の研究が始まりました。
海外展開の支援が始まりました。

私たちが追い求めてきたのは、製麺機そのものではありません。

お客様の成功です。

世界中のお客様が変われば、私たちも変わります。

しかし、変えないものがあります。

麺のおいしさ。
食感文化。
お客様の成功を追求する姿勢。

これが、大和製作所の根っ子です。

世界麺未来戦略研究所 第九理論

私は、戦略とは、単にライバルを分析することではないと考えています。

未来を予測することだけでもありません。

本当に大切なのは、お客様の未来を、誰よりも早く理解することです。

ライバルを見る会社は、今日を競争します。

お客様を見る会社は、5年後を準備します。

世界を見る会社は、10年後を創ります。

だから私は、毎日、ライバルを見る時間よりも、お客様を見る時間を大切にしています。

世界を見る時間を大切にしています。

その積み重ねが、未来を創ると信じています。

さいごに

私は50年間、世界の麺ビジネスを研究してきました。

その中で確信したことがあります。

成功企業は、ライバルを研究して成功したのではありません。

お客様を研究して成功したのです。

ライバルと競争する会社は、現在を生きています。

お客様の未来を考える会社は、未来を創っています。

だから私は、これからもライバルではなく、世界中のお客様を見続けます。

5年後のお客様を。
10年後の麺文化を。
次の時代の食感を。
世界中のお客様の笑顔を。

それが、大和製作所の使命であり、世界麺未来戦略研究所がたどり着いた第九理論です。

来週も、世界の麺文化と世界企業の研究を通して、皆さまと共に次の時代の麺ビジネスを考えていきたいと思います。

皆さまと共に。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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