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世界麺ビジネス研究所 第八理論

皆さま、こんにちは。
大和製作所創業者、ロッキー藤井です。

前回の記事では、
「ライバルとは競争しない」 というお話をしました。

ライバルと同じ価格帯で、同じ商品レベルで、同じサービスで勝負すると、最後は価格競争になってしまいます。

だから私は、ライバルとは同じ土俵で競争しません。

では、実際にライバル店ができた時、経営者は最初に何を変えるべきでしょうか。

商品でしょうか。
価格でしょうか。
広告でしょうか。
メニューでしょうか。
設備でしょうか。

私は、最初に変えるべきものは、そこではないと考えています。

最初に変えるべきものは、人と組織です。

世界の一流企業は、まず人を育てる

世界の成功企業を見ていると、共通点があります。

それは、商品や設備だけではなく、人づくりに非常に力を入れていることです。

アメリカの Chick-fil-A は、営業時間を延ばして競争するのではありません。

日曜日は全店休業という方針を守りながら、徹底した社員教育とサービス品質によって、高いお客様満足を実現しています。

Starbucks も、コーヒーだけで勝負しているわけではありません。

パートナーと呼ばれる従業員の教育を通じて、世界中どこでも安心できる体験を提供しています。

Disney は、アトラクションだけの会社ではありません。

理念教育を通じて、キャスト一人ひとりがディズニーらしい感動を生み出しています。

Ritz-Carlton も、豪華な建物だけで評価されているのではありません。

現場のスタッフ一人ひとりが、お客様のために判断し、行動できる文化を育てています。

つまり、世界の一流企業は、商品より先に人を育てています。

なぜなら、最後にお客様の記憶に残るのは、商品だけではないからです。

その店でどう迎えられたか。
どんな気持ちで過ごせたか。
困った時にどう対応してもらえたか。
また来たいと思えたか。

そこを決めるのは、現場で働く人なのです。

日本の麺ビジネスも同じ

日本の麺ビジネスも同じです。

一風堂は、ラーメンだけで世界へ広がったのではありません。

河原成美氏の理念、人づくり、店舗文化、ブランドとしての空気感が、世界へ広がったのです。

丸亀製麺も同じです。

「打ち立て・茹で立て・でき立て」という価値を実現しているのは、機械や設備だけではありません。

毎日、その価値を守り続ける現場の人です。

どれほど優れた製麺機があっても、最後にお客様へ価値を届けるのは、現場で働く人です。

麺の状態を見る人。
茹で加減を判断する人。
お客様を迎える人。
忙しい時間帯でも品質を守る人。
店の空気をつくる人。

そこに、店の本当の力が出ます。

ライバル店ができた時に、商品や価格だけを変えても、すぐに真似されます。

しかし、人と組織が強い店は、簡単には真似されません。

大和製作所も同じ道を歩んできた

私は50年間、製麺機を開発してきました。

しかし、機械だけではお客様は成功しません。

だから私たちは、製麺学校をつくりました。

世界中へ出向き、技術だけではなく、考え方、経営、商品づくりまでお伝えしてきました。

おいしい麺をつくる技術。
その麺を安定して再現する力。
お店のコンセプトを考える力。
お客様に選ばれる商品をつくる力。
繁盛店をつくるための考え方。

私たちが本当に提供してきたのは、製麺機だけではありません。

お客様が成功する力です。

機械は重要です。
技術も重要です。

しかし、それを使いこなし、お客様に価値として届けるのは人です。

だからこそ、麺ビジネスにおいても、人と組織の力が競争力になるのです。

世界麺ビジネス研究所 第八理論

世界中の企業を研究していて、一つの法則が見えてきました。

ライバル店ができると、普通の会社は商品を変える。
成功企業は、人と組織を進化させる。

なぜなら、商品は真似できるからです。

価格も真似できます。
設備も真似できます。
メニューも真似できます。
広告も真似できます。

しかし、理念、文化、教育、チームワーク、そしてお客様を思う心は、簡単には真似できません。

ここに、本当の競争力があります。

人が育っている店は、強い店です。

組織に理念が浸透している店は、ぶれません。

社員一人ひとりが、自分たちの店がお客様に何を届けるべきかを理解している店は、ライバルが現れても慌てません。

商品を変える前に、人を育てる。
価格を下げる前に、組織を磨く。
広告を増やす前に、理念を共有する。

この順番が大切です。

あなたの会社はどうでしょうか

ここで、皆さまに一つ質問があります。

もし明日、隣にライバル店がオープンしたら、皆さまは最初に何をするでしょうか。

値下げでしょうか。
新商品でしょうか。
チラシでしょうか。
広告でしょうか。

私は、まず社員全員と話をします。

「私たちのお店がお客様から選ばれる理由は何か」
「私たちの強みは何か」
「私たちは何を守り、何を進化させるのか」
「お客様にどんな体験を届けるのか」
「ライバルには真似できない価値は何か」

この答えを、社員全員が同じ言葉で語れる会社は強い会社です。

逆に、経営者だけが分かっていても、現場に伝わっていなければ、お客様には届きません。

理念は、壁に貼るだけでは意味がありません。

現場の行動になって、初めて価値になります。

さいごに

私は、競争力とは商品だけではないと思っています。

設備でもありません。
広告でもありません。
価格でもありません。

本当の競争力とは、人です。

そして、人が育つ組織です。

ライバル店ができた時こそ、経営者は商品より先に、人を育て、組織を磨き、理念を共有する必要があります。

そこから、ライバルには簡単に真似できない競争力が生まれます。

これが、世界麺ビジネス研究所がたどり着いた第八理論です。

次回は、
「ライバルが追いつけない未来を、どう創るのか」
というテーマで、世界の成功企業の戦略から、次の10年の麺ビジネスを考えていきます。

皆さまと共に。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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