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根を整えると、人も会社も変わる
「人は、どれだけ教育しても変わらない。」
経営の現場にいると、一度は実感されたことがあるのではないでしょうか。
そんなときこそ、見直すべきは「自分の根」です。
自分の「根(心のあり方・受け止め方)」を整え始めると、不思議なことに、相手の態度や職場全体の空気までも自然と変わっていくのです。
人の根は、4つの層でできている
木が地中の根で大地とつながり、見えない部分で支えられているように、人や組織にも「見えない心の根」が存在します。
その根は、次の4つの層で構成されています。
「根」の4層構造
| 層 | 名称 | 形成要因 | 主な働き |
|---|---|---|---|
| 第1層 | 社会の根 | 教育・文化・職場環境 | 顕在意識の価値観(理念・思考) |
| 第2層 | 感情の根 | 職場・人間関係 | 感情記憶・対人反応 |
| 第3層 | 家族の根 | 幼少期・家系・親子関係 | 潜在意識の価値観・自動反応 |
| 第4層 | 生命の根 | 自然・宇宙・存在の源 | 使命・調和・創造性 |
人を動かすのは、第3層・第4層にある「潜在意識」と「生命の根」です。
会社を「森」に例えると
会社を森に例えてみましょう。
社員一人ひとりは、それぞれ独立した一本の木のように見えます。
しかし地中では、その根が網のように絡み合い、水分・栄養・情報・感情・エネルギーまでもが行き交っています。
つまり、会社という森では、社員同士の根が繋がっているのです。
- 一人の根が乾けば、周りの木々も弱ります。
- 反対に、一人の根が潤えば、森全体が元気になります。
この「見えない根のネットワーク」を整えることこそ、企業の繁栄を実現する鍵です。
これは、「人と人」、「会社」の「根」を再び繋ぐ生き方でもあります。
人の根を構成する7つの要素
人の根は、次の7つの要素で成り立っています。
これは、個人の「心の成長」であり、同時に「企業文化の成熟の過程」でもあります。
| 要素名 | 初期段階(人の努力) | 後期段階(魂の成熟) | 進化の方向 |
|---|---|---|---|
| 信念 | 「こう生きる」と決める意志 | 「何に貫かれているか」を知る | 自力 → 天との共同創造 |
| 確信 | 「できる」と信じる努力 | 「すでに成っている」と体が知る | 信じよう → 受け取る |
| 感謝 | 条件付きの「ありがとう」 | 存在そのものへの感謝 | 条件 → 無条件 |
| 愛 | 行為としての愛 | 存在そのものとしての愛 | 行動 → 波動 |
| 祈り/許し | 上に願う意識 | 下へ降ろして浄化する意識 | 天 → 地 |
| 使命 | 役割を探す | 使命が自分を生きる | 探す → 流れに生かされる |
| 平常心/調和 | 自分を保つ静けさ | 世界と溶け合う静けさ | 個 → 全体との共鳴 |
これらの根が整うと、「使命によって動く存在」へと変化します。
理念は枝。
仕組みは幹。
そして、根が潤えば、森(会社)は自然と育つのです。
成功する企業は「根が合う人」を選ぶ
長く繁栄し続ける世界の成功企業には、共通点があります。
それは、「最初から根(価値観)が合う人」を採用することに力を注いでいることです。
成功企業の実例
・サウスウエスト航空(アメリカ)
40年以上黒字を続ける航空会社。
採用基準は「スキル」ではなく、「価値観の一致」。
面接では「顧客を笑顔にした経験」や「困難時にどう仲間を支えたか」など、その人の”根”を確かめる質問を重視します。
「スキルは教えられる。態度(価値観)は教えられない。」
・Zappos(アメリカ)
Zapposは10のコアバリューを掲げ、合わないと感じた社員には報奨金を払って退職を促す仕組みや制度があります。
「文化に合わない人を残すことは、根を腐らせることと同じ。」
・ゴア社(W. L. Gore & Associates)
ゴアテックスで有名な同社は、上司も階層もない「ラティス型組織」。
信頼と自律という「人の根」を共有できる人だけを採用しています。
長く繁栄する企業は「自然の法則」で動いている
長く繁栄する企業は、自然の法則に従っています。
- 根:価値観・人・文化
- 成長:技術・品質・仕組み
- 永続:使命・調和・継承
屋久島の縄文杉が何千年も立ち続けていたのは、地上の幹の強さではなく、地中の深く柔らかな根を持つおかげだからです。
企業も同じ。
根が整えば、成長も永続も、自然の流れとして起こります。
まとめ
経営で大切なのは、
「根を整える」こと。
自分の根が整えば、相手が変わり、組織が変わり、社会全体が潤っていく。
それこそが、人と組織の本質的な成長の道なのだと、確信しています。
あなたの会社の根は、今どのような状態でしょうか?
根を整えれば、会社の未来は、もっとしなやかに、もっと強く育っていきます。