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はじめに

前々回では、「これから10年、外食はどこへ向かうのか」をテーマに、

  • 高生産性化
  • Fast Casual化
  • デリバリー化
  • デジタル化
  • 高齢化対応

という大きな流れをお伝えしました。

前回の記事では、「なぜ生産性の低い外食は生き残れないのか」をテーマに、再現性こそが競争力になる時代についてお話ししました。

そして今日は、さらに一歩踏み込んだ話をしたいと思います。

テーマは、「店で待つだけの商売は終わる」です。

店で待つ商売は終わる

少し刺激的な表現かもしれません。

しかし私は、これからの外食は、店で待つだけの商売から、生活に入り込む商売へ変わると考えています。

昔は、良い立地に店を出す。
お客さまが来る。
売上が上がる。

これで成り立つ時代がありました。

しかし今は違います。

お客さまの生活そのものが変化しています。
働き方も、移動の仕方も、食事の取り方も、注文の仕方も変わっています。

これからの外食は、お客さまが店に来るのを待つだけでは弱い。

お客さまの生活の中に、どれだけ自然に入り込めるか。
ここが勝負になります。

なぜスターバックスは強いのか

スターバックスが強い理由は、コーヒーだけではありません。

出勤前。
商談前。
休憩時間。
買い物の途中。
移動中。
仕事の合間。

人々の生活導線の中に、自然に入り込んでいるからです。

お客さまは、コーヒーを買っているだけではありません。
生活の一部として利用しています。

ここが非常に重要です。

スターバックスは、単なる飲食店ではありません。
お客さまの生活時間の中に、利用される理由を持っています。

これからの外食に必要なのは、この発想です。

なぜコンビニは強いのか

コンビニも同じです。

コンビニは、店舗数が多いから強いだけではありません。
生活導線の中にあるから強い のです。

朝。
昼。
夜。
仕事前。
帰宅途中。
急に必要になった時。
少しだけ食べたい時。

必要な時に、すぐ利用できる。
そこにある。
迷わず買える。

それが価値になっています。

コンビニは、お客さまの生活の中で、何度も利用される接点を持っています。

この接点の強さが、外食にも求められるようになっています。

なぜデリバリーは伸びたのか

デリバリーも同じです。

料理が特別だから伸びたのではありません。
お客さまの生活導線の中に入り込んだから 伸びたのです。

忙しい日。
雨の日。
子育て中。
高齢者世帯。
仕事で外に出られない日。
家族でゆっくり食べたい日。

お客さまが店に来なくても、店がお客さまの生活に入っていく。

これが、大きな変化です。

外食は、店舗の中だけで完結するものではなくなりました。

これからの外食は、店内、持ち帰り、配達、モバイル注文、再注文まで含めて設計する時代です。

これからの麺ビジネス

私は、これからの麺ビジネスにとって、最も重要な問いは、「どんな麺を売るか」だけではないと思っています。

もちろん、商品は大切です。
味も、食感も、品質も大切です。

しかし、これからはそれだけでは足りません。

もっと重要になる問いがあります。

それは、「お客さまのどの生活時間に入るか」です。

昼食でしょうか。
仕事帰りでしょうか。
家族の夕食でしょうか。
オフィスワーカーの昼休みでしょうか。
高齢者の日常食でしょうか。
学生の軽食でしょうか。
観光客の体験でしょうか。

まず生活導線を考える。
その後に商品を考える。

この順番が重要になります。

お客さまの生活時間を見ないまま商品を作っても、使われる場面がなければ選ばれません。

生活導線から商品を考える

たとえば、同じ麺でも、生活導線によって求められる価値は変わります。

昼食なら、速さと満足感。
仕事帰りなら、疲れた身体に合う温かさ。
家族の夕食なら、持ち帰りやすさと分けやすさ。
オフィス需要なら、事前注文と受け取りやすさ。
高齢者向けなら、食べやすさと身体への負担の少なさ。
観光客向けなら、体験価値と記憶に残る食感。

つまり、麺そのものだけでなく、どの生活時間に、どの価値を提供するのかを設計する必要があります。

これからの麺ビジネスは、商品開発と同時に、利用シーンの開発が必要になります。

未来の勝者

これからの外食で勝つのは、商品だけで勝つ会社ではありません。

生活導線を設計できる会社です。

生活導線を理解し、
そこに最適な商品を配置し、
再現性を持って提供できる会社です。

店内だけでなく、
持ち帰りでも、
デリバリーでも、
モバイル注文でも、
家庭でも、
職場でも、
日常の中で選ばれる。

その仕組みを作れる会社が、これから強くなります。

私は、これからの麺ビジネスも、この方向へ進むと考えています。

大和製作所が研究する未来

大和製作所は、製麺機だけを研究する会社ではありません。

私たちが研究するべきテーマは、さらに広がっています。

食感設計。
再現性。
高生産性。
Fast Casual。
デリバリー対応。
デジタル対応。
生活導線設計。

これらを統合して、世界の麺ビジネスの未来を研究していきます。

麺を作るだけではなく、麺がどこで、誰に、どの生活時間で利用されるのか。

そこまで考えることが、これからの麺ビジネスには必要です。

皆さまへの質問

皆さまのお店は、お客さまのどの生活時間に価値を提供しているでしょうか。

昼食でしょうか。
仕事帰りでしょうか。
家族の団らんでしょうか。
観光の体験でしょうか。
高齢者の日常食でしょうか。
オフィスワーカーの短時間ランチでしょうか。

それとも、まだ誰も気づいていない新しい生活導線でしょうか。

ぜひ、一言で結構です。
返信で教えてください。

皆さまの現場の声が、次の麺ビジネスを考える大きなヒントになります。

さいごに

これからの外食は、業態競争だけではありません。
価格競争だけでもありません。

これからは、生活導線競争です。

どれだけお客さまの日常に入り込めるか。
どれだけお客さまの生活の一部になれるか。
どの生活時間で選ばれる存在になれるか。

そこが勝負になります。

私は、これからの麺ビジネスには、まだ大きな可能性があると考えています。

昼食にも入れる。
夕食にも入れる。
持ち帰りにも入れる。
デリバリーにも入れる。
高齢者食にも入れる。
世界のFast Casualにも入れる。

麺は、生活導線に入り込める力を持っています。

大和製作所は、世界の食感研究所として、次の10年の麺ビジネスの未来を研究し続けます。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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