ページコンテンツ

世界麺未来戦略研究所

皆様、こんにちは。大和製作所創業者、ロッキー藤井です。

「うちの麺は、いつもおいしい」。そう思っていても、その判断は、厨房での味見だけに基づいていないでしょうか。

茹で釜の前で、茹で上がったばかりの麺を一口食べる。スープやつゆも、できたての状態で確認する。それは製造上の確認として、もちろん大切です。

しかし、お客様が食べるのは、厨房にある麺ではありません。湯切りされ、盛り付けられ、客席まで運ばれた一杯です。厨房で食べる一口と、お客様が客席で食べる一杯は、同じものではないのです。

経営者自身が、お客様と同じ状態で食べてみる

大切なことは、経営者自身が客席に座り、お客様とまったく同じ状態で自店の麺を食べることです。

特別に丁寧につくらせてはいけません。

「社長が食べるから」と、厨房へ知らせる必要もありません。

一般のお客様と同じように注文し、同じ順番でつくり、同じ動線で運んでもらいます。

そして、客席に届いた一杯を、最初から最後まで食べてみるのです。

そのとき、初めて分かることがあります。

  • 麺は、店が目指す食感になっているか
  • つゆやスープの温度は適切か
  • 器は冷たすぎたり、熱すぎたりしないか
  • 盛り付けは、メニュー写真と同じか
  • 薬味や箸は使いやすい場所にあるか
  • 食べ終わるまで、麺の状態が保たれているか
  • 厨房で感じるおいしさが、客席でも再現されているか

一口目だけではなく、最後の一口まで食べることも重要です。

お客様は、茹で上がった瞬間の一口だけを食べるのではありません。

食事中にも麺は変化し続けます。

最初は良くても、途中から麺が急に軟らかくなることがあります。

スープの温度が下がると、味の感じ方も変わります。

店が本当に確認すべきなのは、「できたての一口」ではなく、「お客様が食べ終わるまでの一杯」なのです。

できれば、最も忙しい時間に確認する

空いている時間には、理想的な一杯を提供できる店が多いでしょう。

本当の実力が表れるのは、注文が重なる時間です。

昼の混雑時にも、麺の食感は保たれているでしょうか。

盛り付けた一杯が、配膳台で待っていないでしょうか。

セット商品の完成を待つ間に、麺が伸びていないでしょうか。

経営者は、厨房から従業員の動きを見るだけでなく、ときには客席から自店を見る必要があります。

客席に座ると、厨房の中からは見えなかった問題が見えてきます。

経営者の舌を、お客様の位置へ移す

経営者や店主は、毎日、自店の商品を見ています。

そのため、知らないうちに店側の都合で判断するようになります。

「今日は忙しいから仕方がない」

「少し待たせたが、味には問題がない」

「いつもと同じ材料だから大丈夫だ」

しかし、お客様にとっては、その日、その瞬間に出された一杯が、その店のすべてです。

厨房でどれほど努力していても、客席へ届いた一杯に表れていなければ、お客様には伝わりません。

だからこそ、経営者の舌を厨房から客席へ移す必要があります。

今日、実践していただきたいこと

今日か明日、経営者自身が客席で自店の麺を一杯食べてください。

その際、次の三つだけを確認します。

  • 最初の一口は、店が目指す食感になっているか
  • 最後の一口まで、おいしい状態が続いているか
  • お客様と同じ価格を払っても、もう一度食べたいと思えるか

できれば、感じたことをその場で記録してください。

良かった点だけでなく、気になった小さな違和感も残します。

その違和感の中に、店をさらに良くする入口があります。

本日の問い

あなたは最近、お客様と同じ客席に座り、お客様と同じ状態で、自店の麺を最初から最後まで食べたでしょうか。

良い麺をつくることは、もちろん大切です。

しかし、店の本当の商品は、厨房の中にある麺ではありません。

お客様の目の前に置かれ、お客様が実際に食べる一杯です。

経営者が客席に座ることから、本当の品質改善が始まります。

大和製作所からのご案内

客席で食べてみて、次のような違和感があった場合、原因は麺の配合だけとは限りません。

  • 思っていた食感と違う
  • 時間がたつと麺の状態が変わる
  • 厨房ではおいしいのに、客席では再現できていない

茹で方、湯切り、盛り付け、提供時間、厨房動線などを、一つの流れとして確認する必要があります。

自店の一杯を、製麺から提供まで見直したい方は、大和麺学校をご検討ください。現在の状況をお伺いし、改善の入口を一緒に考えます。

世界麺未来戦略研究所からのご提案

世界麺未来戦略研究所とは、世界の成功事例、AI、商品開発、食感創造、生産性、健康、海外展開、人手不足、経営戦略を研究し、世界の麺文化を進化させるための実務研究所です。

今回の内容が少しでも皆様の商品開発や経営の参考になりましたら、ぜひ、同業の経営者、料理人、お取引先、ご友人へ、このメルマガをご紹介ください。日本の麺文化は、一社だけでは進化できません。業界全体で学び、知恵を持ち寄ることで、日本の麺文化を世界へ広げていきたいと考えています。

このメルマガは、転載・転送を歓迎します。

この記事をお読みのみなさまへ

この記事で取り上げている内容で、ご不明点や直接お聞きしたいことなどがあれば、お気軽にお尋ねください。

後日、ご回答させて頂きます

ロッキー藤井の情熱メルマガ【毎週配信】

まずは無料のメルマガ購読からスタート

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

関連記事

時代の少し先を読む者が、次の外食を作る

世界のFast Casual麺戦争が始まる

これからの外食における戦略とトレンド|タンパク質とエンタメ体験をどのようにデザインするのか

お客様が進化すると、外食も進化する

外食ビジネスの構造と経営を考える

人手不足は最大のチャンス価格戦略で生き残る麺店経営

人手不足は最大のチャンス価格戦略で生き残る麺店経営

成功する麺ビジネス ― 製麺哲学×美味しさ×再現性×生産性×効率×品質

変化に対応するエフェクチュエーション、その3「レモネードの原則」

変化に対応するエフェクチュエーション、その3「レモネードの原則」~永い繁栄のための大本 新しい思考法~