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未来を勝ち取る外食戦略は「未来からの逆算」

ビジネスにおける戦略の本質とは、現在地から積み上げるものではありません。

「5〜10年後の未来」がどうなっているかを定義し、そこから逆算することで初めて正しい道筋が見えてきます。

もし、この出発点となる「未来予想」を間違えてしまえば、その後の全ての施策が狂ってしまいます。

では、これからの「食」の分野はどこへ向かうのか。

そこには明確な方向性が存在します。

「何を食べるか」「体を作るか」へ

現在、人々の意識は「何を食べるか」「体に何を取り入れるか」という本質的な問いへと強くシフトしています。

  • ・高タンパク商品の爆発的増加
  • ・筋肉志向の食生活の定着
  • ・健康と機能性の重視

といった構造的な変化が起きており、これらの波は確実に外食産業にも押し寄せています。

事例:一鶴の骨付鶏

例えば、香川の名店「一鶴」の骨付鶏。

あの非常にシンプルな商品は、まさに「高タンパク」「強い満足感」「分かりやすい価値」を兼ね備えています。

一鶴が強いのは、単に美味しいからだけではありません。

まさにこの「人類の大きなトレンド」に合致しているからなのです。

食の「エンターテインメント化」としての体験

体験価値

もう一つの不可欠な要素は、五感を刺激する「体験」です。

最近人気の、目の前で焼き上げるハンバーグ店を想像してください。

  • ・視覚: 目の前で肉が焼ける様子
  • ・聴覚: ジューっと弾ける音
  • ・嗅覚: 広がる香ばしい香り

現代は、単なる栄養摂取ではなく「体験」にお金を払う時代です。

麺類が生き残るための「食感」戦略

「タンパク質」と「エンターテインメント」は別物ではありません。

これからは「体に良く(栄養)、見て楽しく、食べて驚く(体験)」が一体となっていることが求められます。

ここで課題となるのが「麺類」です。

麺は基本的に「糖質」であり、そのままではこの大きなトレンドに乗ることができません。

麺類が未来で勝つためには、以下の要素が不可欠です。

解決策:タンパク質と食感のエンタメ化

  • 1.タンパク質の強化
    肉系トッピングの充実、高たんぱくスープの開発、具材構成の見直しにより、一食の価値を高めます。

  • 2.「食感」という感動体験 実は、食感こそが体験そのものです。

  • ・弾むような強いコシ
  • ・跳ね返る弾力
  • ・滑らかな喉越し これらは口の中で繰り広げられるエンターテインメントであり、だからこそ強く記憶に残ります。

ターゲットの明確化と業態の最適化

戦略において、「どの顧客層(セグメント)を狙うか」は極めて重要です。

食の世界は大きく3つ、明確に分かれています。

カテゴリ重視される価値
ファストフードスピード・効率・手軽さ
カフェ空間・居心地・時間
ファインダイニング特別な体験・高級感

「丸亀製麺」の成功例

彼らは「ファストフード」という枠組み・カテゴリーに属しながら、店内で粉から麺を打つ「実演自家製麺」というエンターテインメントを組み込みました。

これにより、「高い生産性・回転率」を維持しつつ、「エンタメ体験価値」を提供することに成功しています。

極めて困難な戦略を実現したのです。

まとめ

これからの食のトレンドは「タンパク質」と「エンターテイメント」の融合です。

そして重要なのは、「栄養」と「体験」を一体化させること

「体に良くて、楽しくて、体験として記憶に残る」ことが重要です。

未来から逆算し、

  • ・何を提供するのか
    ・誰に届けるのか
    ・どんな体験を作るのか

この3点を明確にすることが、これから勝つための戦略になります。

そんな価値を提供できる店こそが、これからの時代に選ばれていきます。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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