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世界麺未来戦略研究所

おはようございます。大和製作所の創業者、ロッキー藤井です。

お客さまが、麺をたくさん残して帰った。

こんなとき、皆さまのお店では、どうしていますか。

「量が多かったのだろう」

「たまたま食欲がなかったのだろう」

そう考えて、そのまま片づけていないでしょうか。

しかし、何も言わずに残された器の中には、商品改善につながる重要な答えが残っています。

今日は、私がうどん店を経営していた頃の、少し驚かれるかもしれない話をします。

食べ残されたうどんを食べていた

私が以前、うどん店を経営していたときのことです。

お客さまが、うどんをたくさん残して帰られることがありました。

その器を見るたびに、私は気になって仕方がありませんでした。

  • なぜ、これほど残したのだろうか
  • 量が多すぎたのか
  • 麺が硬かったのか
  • 反対に、柔らかすぎたのか
  • 出汁が濃かったのか
  • 時間の経過によって、麺や出汁の状態が変わってしまったのか

厨房で考えているだけでは、本当の原因は分かりません。

そこで私は、お客さまが残したうどんを実際に食べて、問題点を確認していました。

現在の衛生基準から考えれば、決してお勧めできる方法ではありません。

しかし、当時の私は、どうしても自分の舌で確かめたかったのです。

なぜなら、その器の中には、「お客さまが食べるのをやめた時点のうどん」が、そのまま残っていたからです。

店が確認しているのは完成直後の一杯

多くの店では、麺を茹で、出汁を張り、盛り付けた直後に味を確認します。

その時点では、おいしい。

ところが、お客さまが食べる条件は違います。

料理が運ばれるまでに時間がかかり、会話をしたり、写真を撮ったりすることもあります。食べるのが速い人もいれば、ゆっくり食べる人もいます。

その間に麺は出汁を吸い、食感が変わります。出汁の温度が下がり、麺から溶け出した成分によって、出汁の濃さや口当たりも変化します。

つまり、厨房で味見した一杯と、お客さまが最後に食べている一杯は、同じ状態ではないのです。

最初の一口がおいしいだけでは、十分ではありません。

最後の一口まで、おいしく食べられることが重要です。

世界では食べ残しも数値で確認している

世界470店以上のレストランを運営するIKEAでは、調理段階の食品廃棄を計量し、種類や原因を記録する仕組みを導入しています。

その結果、2022年末までに、2017年度と比べて調理時の食品廃棄を平均50%削減し、2,000万食以上に相当する食品を救いました。

さらに現在は、お客さまが皿に何を、どれだけ残したのかを調べ、提供量や作業方法の改善に生かしています。

世界的な企業でさえ、食べ残しを「仕方がないもの」として扱っていません。

  • 測る
  • 分類する
  • 原因を考える
  • 改善する

この繰り返しによって、廃棄削減だけでなく、商品そのものを磨いているのです。

明日からできる5つの確認

食べ残しを商品改善に生かすために、次の5項目を確認してください。

  • 残った量を記録する:完食、4分の1、半分、4分の3以上の4段階で記録します。正確な重量を測れる場合は、提供前と下膳後の重量を測ります。
  • 何が残ったかを分ける:麺、スープ、具材、薬味に分けます。麺だけが残る場合と、スープだけが残る場合では、考えられる原因が違います。
  • 提供から下膳までの時間を測る:5分以内、10分、15分、20分以上に分けると、時間の経過と食べ残しの関係が見えてきます。
  • 同じ商品を時間を変えて試食する:提供直後だけでなく、5分後、10分後、15分後にも試食し、麺の硬さ、粘り、弾力、温度、出汁の濃さを確認します。
  • 同じ残され方が3回続いたら改善する:一度だけなら個人の好みかもしれません。しかし、同じ商品が同じ形で3回以上残されたら、麺量、茹で時間、出汁、器、提供時間のいずれかに原因がある可能性を検討します。

1週間だけ食べ残しを記録する

まず、次の数字を1週間記録してみてください。

  • 商品名
  • 提供時刻
  • 下膳時刻
  • 麺の残量
  • スープの残量
  • 残された具材
  • お客さまの年代
  • 一人客かグループ客か
  • スタッフが気づいたこと

例えば、麺を200グラム提供し、平均40グラム残されていれば、残食率は20%です。

200グラムの提供が本当に適切なのか。

麺の量ではなく、途中から食感が悪くなっているのか。

数字を取ることで、初めて原因を比較できます。

感覚だけでは改善できません。

記録し、比較し、仮説を立て、再び試す。

これは、製麺でも、商品開発でも、店舗経営でも同じです。

世界麺未来戦略研究所 第1理論

「食べ終わった器は、商品の最終評価表である」

お客さまが口にする商品は、厨房で完成した瞬間の一杯ではありません。提供されてから、実際に食べ終わるまで変化し続ける一杯です。したがって、商品の品質は、提供時だけでなく、5分後、10分後、15分後まで設計する必要があります。

食べ残しは、単なる廃棄ではありません。

お客さまが言葉にしなかった、商品への評価です。

その無言の回答を読み取る店だけが、商品を継続的に進化させることができます。

経営者への問い

あなたのお店では、お客さまが残したものを「廃棄物」として見ていますか。

それとも「次の商品改善につながるデータ」として見ていますか。

大和麺学校では、麺の状態、食感、茹で時間、提供後の変化まで含めた商品づくりを支援しています。

「最後の一口までおいしい麺」をつくりたい方は、現在の商品や食感について、ぜひご相談ください。

世界麺未来戦略研究所からのご提案

世界麺未来戦略研究所は、世界の成功事例、AI、商品開発、食感創造、生産性、健康、ブルーゾーン、スーパーアクティブ高齢者、海外展開、人口減少、人手不足、経営戦略を研究し、世界の麺文化を進化させることを目指しています。

今回の内容が少しでも皆さまの商品開発や経営の参考になりましたら、同業の経営者、料理人、お取引先、ご友人へ、このメルマガをご紹介ください。

日本の麺文化は、一社だけでは進化できません。業界全体で学び、知恵を持ち寄り、未来を創ることで、日本の麺文化を世界へ広げていきたいと考えています。

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一人でも多くの仲間と、新しい麺文化を創っていきたいと願っています。

 
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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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