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今までの麺づくりは、「出来立て」が中心だった

これまでの麺ビジネスは、「出来立てが最高」という考え方を中心に発展してきました。

茹でたて。
打ちたて。
出来立て。

確かに、これは非常においしい。
麺料理にとって、出来立てのおいしさは大きな価値です。

しかし私は、これからの麺ビジネスは、もう一段進化する必要があると思っています。

それは、「時間」を研究すること です。

出来立ての瞬間だけではなく、5分後、10分後、20分後に、麺の価値がどう変わるのか。

これを考えることが、これからの麺づくりには欠かせなくなります。

世界のFast Casualは、「時間」を設計している

今、世界で伸びているFast Casual企業を見ると、共通点があります。

Chipotle。
CAVA。
Sweetgreen。
Shake Shack。

これらの企業は、単においしいだけではありません。

時間が経っても、価値が落ちにくい。
ここを非常に研究しています。

店内で食べてもおいしい。
持ち帰っても満足できる。
モバイル注文でも品質が崩れにくい。
デリバリーでも商品として成立する。

つまり、「出来立ての瞬間最大風速」ではなく、「時間経過後の品質」まで設計している のです。

ここが、非常に重要です。

麺業界は、まだ「時間」に弱い

一方、麺業界はどうでしょうか。

実は、麺料理は時間変化に非常に弱い食品 です。

麺が伸びる。
スープを吸う。
温度が落ちる。
食感が変わる。
香りが落ちる。

つまり、麺料理は長い間、「店内ですぐ食べること」を前提に進化してきた食品なのです。

もちろん、それは麺料理の強さでもあります。
目の前で茹で上げ、最高の状態で提供する。
これは、麺ビジネスの大きな魅力です。

しかし、これからの時代、それだけでは限界があります。

テークアウト、デリバリー、モバイル注文、事前注文、再加熱。
こうした利用シーンが広がる中で、麺も 時間に耐える設計 が必要になってきます。

これからは、「時間設計型麺」が必要になる

これから必要なのは、時間が経っても価値が落ちにくい麺です。

私はこれを、「時間設計型麺」と考えています。

たとえば、

  • 5分後
  • 10分後
  • 20分後
  • 30分後
  • デリバリー後
  • 再加熱後
  • 冷めた後

このとき、麺の食感はどう変化するのか。
香りはどう残るのか。
スープとの一体感はどうなるのか。
お客さまの満足感は保てるのか。

ここまで考えて、麺を設計する必要があります。

出来立てだけを見るのではありません。
時間の経過まで含めて、商品価値を設計する。

これが、次の麺づくりです。

時間は、敵ではない

私は、これからの麺づくりでは、時間を敵にするのではなく、時間を味方にすること が重要だと思っています。

たとえば、うどん。
時間の経過によって角が取れ、もち感が出る場合があります。

ラーメン。
麺がスープを少し吸うことで、一体感が増す場合があります。

蕎麦。
温度の変化によって、香りの感じ方が変わります。

つまり、時間は単なる劣化ではありません。
変化 です。

もちろん、放っておけば品質は落ちます。
しかし、時間による変化を理解し、先回りして設計すれば、時間は商品価値を高める要素にもなります。

ここに、これからの麺づくりの大きな可能性があります。

温度と時間で、食感は変わる

熱い麺。
冷たい麺。
熱いスープ。
冷たいスープ。

その組み合わせによって、味と食感は大きく変わります。

しかし、実はその先にあるのが、時間変化 です。

温度は、時間とともに変わります。
熱いものは冷め、冷たいものはぬるくなる。
その過程で、麺の食感、香り、味の感じ方も変わります。

つまり、温度研究の次は、時間研究 なのです。

麺づくりは、茹で上がった瞬間だけを見ていてはいけません。
お客さまが実際に食べる瞬間まで考える必要があります。

デリバリー時代の麺づくり

今後、麺ビジネスにとって、

  • デリバリー
  • テークアウト
  • モバイル注文
  • 事前注文
  • 冷凍
  • 再加熱

は、ますます重要になります。

つまり、これからの麺づくりは、「店内専用」だけでは弱い ということです。

必要なのは、

  • 時間が経ってもおいしい麺
  • 再加熱後でも食感が戻る麺
  • 持ち帰っても崩れにくい麺
  • スープと分けても品質が落ちにくい麺
  • 汁なしでも成立する麺
  • 写真で選ばれやすい麺

です。

これらは、単なる販売方法の問題ではありません。

製法。
食感。
温度。
容器。
提供動線。
メニュー設計。

すべてを含めて考える必要があります。

高品質Fast Casual麺へ

世界のFast Casualは、高品質・高生産性・高再現性 を同時に実現しています。

これは、麺ビジネスにとっても非常に重要です。

これからは、「おいしいだけ」では足りません。

必要なのは、

  • 時間耐性
  • デリバリー耐性
  • 再加熱耐性
  • 再現性
  • 高速提供
  • 高い食感価値

です。

つまり、これからの麺づくりは、職人技だけではなく、時間変化まで設計する技術 が必要になります。

職人技を否定するのではありません。
職人技を、より多くの場面で再現できるようにする。
これが、次世代の麺づくりです。

立ち食い蕎麦も進化できる

たとえば、立ち食い蕎麦です。

これからの立ち食い蕎麦は、安いだけ では弱くなります。

必要なのは、

  • 高品質
  • 高食感
  • 高回転
  • 高再現性
  • 短時間提供
  • 時間経過への強さ

です。

つまり、目指すべきは、世界レベルのFast Casual蕎麦 です。

短時間で提供できる。
しかし、安っぽくない。
少し時間が経っても、品質が落ちにくい。
食感に記憶が残る。
また食べたいと思ってもらえる。

ここまで設計できれば、立ち食い蕎麦も大きく進化できます。

大和製作所の役割

だから、これから必要なのは、単なる製麺機ではありません。

必要なのは、

  • 時間変化設計
  • 食感設計
  • 温度設計
  • デリバリー設計
  • 再加熱設計
  • 高生産性設計
  • 高再現性設計

です。

つまり、必要なのは「次世代Fast Casual麺システム」です。

大和製作所は、単なる製麺機メーカーではありません。
世界の麺ビジネスを設計する企業です。

だから私は、大和製作所を、世界の食感研究所 と定義しています。

さいごに

ここで考えてください。

あなたの麺は、5分後、どう変化していますか。
10分後、どう変化していますか。
20分後、まだ価値がありますか。
デリバリー後でも、おいしいですか。
再加熱後でも、食感は戻りますか。
時間を、敵にしていますか。
それとも、味方にしていますか。

これからの麺づくりでは、出来立てだけを見るのではなく、お客さまが食べる瞬間までを設計すること が求められます。

これからの麺ビジネスは、「出来立て競争」から「時間変化設計競争」へ進みます。

次世代の麺ビジネスは、「瞬間最大風速のおいしさ」ではなく、「時間が経っても価値が続く麺」を設計する競争になると、私は考えています。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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