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世界麺未来戦略研究所 第三理論

皆さま、こんにちは。
大和製作所創業者、ロッキー藤井です。

今週は、世界麺文化研究所として、二つの仮説を発表してきました。

第一の仮説は、
麺の本質は Evolution、つまり進化である
ということです。

麺は約4,000年前に誕生して以来、世界各地でその土地の文化や食生活に合わせながら、形を変え、食感を変え、食べ方を変えてきました。

第二の仮説は、
外食は、お客様の Evolution によって進化する
ということです。

Fast Casual という新しい外食の形も、料理だけが進化したから生まれたのではありません。
お客様のライフスタイルが変わり、外食に求める価値が変わった結果として生まれたものです。

今日は、その続きとなる第三の仮説です。

Innovation は、二つの Evolution が交わるところから生まれる。

このテーマについて考えてみたいと思います。

Innovation は突然生まれない

私は、Innovation、つまり革新は、ある日突然ひらめくものではないと考えています。

もちろん、ひらめきのように見える瞬間はあります。

しかし、その裏側には必ず、長い時間をかけて積み重ねられた進化があります。

技術の進化。
文化の進化。
お客様の進化。
働き方の進化。
生活の進化。
価値観の進化。

こうした複数の進化が、ある一点で交わったときに、新しい価値が生まれます。

私は、それが本当の Innovation だと思っています。

大和製作所も、二つの Evolution から生まれた

私は50年間、製麺機を研究してきました。

同時に、麺づくりそのものも研究してきました。

もし機械だけを研究していたら、大和製作所は、ただの機械メーカーで終わっていたかもしれません。

もし麺づくりだけを研究していたら、私は一人の職人で終わっていたかもしれません。

しかし、大和製作所は、機械と麺づくりの両方を研究してきました。

製麺機の技術。
麺のおいしさ。
食感の再現性。
お客様の繁盛。
店舗で使いやすい仕組み。
世界中で通用する製麺技術。

この二つの Evolution が交わったことで、新しい製麺技術や、新しい麺ビジネスの仕組みが生まれてきました。

私は、ここに大和製作所の Innovation があると思っています。

機械を進化させるだけでは足りません。
麺づくりを進化させるだけでも足りません。

その二つが交わることで、初めてお客様の成功につながる新しい価値が生まれるのです。

世界の成功企業も同じ

この考え方は、世界の成功企業にも共通しています。

Apple は、技術とデザインを融合しました。

単に高性能な機械をつくったのではありません。
人が直感的に使いたくなる、美しい体験へと進化させました。

スターバックスは、コーヒーと「第三の場所」という空間価値を融合しました。

コーヒーを飲むだけの場所ではなく、家でも職場でもない、心地よく過ごせる時間と空間を提供しました。

丸亀製麺は、讃岐うどん文化と高い再現性を融合しました。

打ち立て、茹で立て、でき立てという価値を守りながら、チェーンとして展開できる仕組みをつくりました。

一風堂は、博多ラーメンとブランド体験を融合しました。

味だけではなく、店舗デザイン、接客、清潔感、入りやすさまで含めて、一風堂らしいラーメン文化をつくりました。

つるとんたんは、うどんと新しい食事体験を融合しました。

日常食だったうどんを、空間、器、演出まで含めた外食体験へと進化させました。

一鶴は、骨付鶏と仲間が集う時間を融合しました。

商品としての骨付鶏だけではなく、豪快に食べ、飲み、語り合う時間を価値に変えました。

これらの企業は、一つのことだけを深めたのではありません。

自社の根っ子を磨きながら、もう一つの進化と掛け合わせることで、新しい価値を生み出してきたのです。

世界麺未来戦略研究所 第三理論

ここから、私は一つの理論が見えてきました。

Innovation とは、二つの Evolution が交わるところから生まれる。

そして、この交差点は、競争が最も少ない場所でもあります。

多くの企業は、同じ市場で、同じ商品を、同じ方法で競争します。

価格で競う。
量で競う。
店舗数で競う。
広告で競う。
流行の商品で競う。

もちろん、それも経営の一部です。

しかし、同じ土俵で競い続ける限り、競争は激しくなります。
利益は薄くなり、違いも出しにくくなります。

一方で、異なる二つの強みを掛け合わせた瞬間、そこには新しい市場が生まれます。

未来は、競争の延長線上だけにあるのではありません。

未来は、異なる進化が交わる交差点から生まれるのです。

皆さまの会社にも、必ず交差点がある

私は、どの会社にも、まだ活かし切れていない「二つの強み」があると思っています。

例えば、製造技術と地域文化。
職人技とデジタル。
伝統と健康。
麺と観光。
麺と教育。
食感と高齢化社会。
地域食材と海外展開。
製麺技術と体験型店舗。

一見すると関係がないように見えるものでも、組み合わせることで、新しい価値になることがあります。

大切なのは、自社の中にある強みを一つだけで見ないことです。

自社には、どんな技術があるのか。
どんな文化があるのか。
どんなお客様がいるのか。
どんな地域性があるのか。
どんな経験が蓄積されているのか。
どんな悩みを解決してきたのか。

それらを掛け合わせた先に、自社だけの Innovation が見えてきます。

その交差点こそが、皆さまの会社だけの未来の出発点になるのではないでしょうか。

さいごに

今週、世界麺文化研究所は三つの理論を発表しました。

第一理論。
麺の本質は Evolution、つまり進化である。

第二理論。
外食は、お客様の Evolution によって進化する。

そして第三理論。
Innovation は、二つの Evolution が交わるところから生まれる。

私は、これからの麺ビジネスは、競争の時代から共創の時代へ進んでいくと思っています。

競合と同じことを考えるのではなく、自社ならではの強みを深く磨く。
そして、その強みを別の進化と掛け合わせる。

そこから、新しい価値が生まれます。

価格競争の先に未来があるのではありません。
真似の先に未来があるのでもありません。

自社の根っ子を深く掘り、二つの Evolution が交わる場所を見つけること。

そこに、次の麺ビジネスの Innovation があると思っています。

世界麺未来戦略研究所は、これからも世界中の事例を研究しながら、次の時代の麺ビジネスを皆さまと共に考えていきます。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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