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世界の成功企業に共通する成長の法則

今回の3つの記事では、世界の成功企業を研究しながら、「企業の根っ子」について考えてきました。

1つ目の記事(世界で成功する外食は、商品ではなく文化を売っている)では、世界で成功する企業は、商品ではなく文化を売っている、という話をしました。

2つ目の記事(世界企業は何を変え、何を変えなかったのか)では、世界企業は根っ子を守りながら、枝葉は変えている、という話をしました。

今日は、その締めくくりです。

これからの勝者は、自社の根っ子をどれだけ深く理解し、磨き続けられるのか。

このテーマについて考えてみたいと思います。

20世紀の競争と21世紀の競争

かつての競争は、分かりやすいものでした。

誰が安いか。
誰が大きいか。
誰が早いか。
誰が多店舗化できるか。

つまり、効率の競争です。

もちろん、効率は今でも重要です。
価格、スピード、生産性、標準化、店舗展開力。
これらが弱ければ、事業を大きくすることはできません。

しかし、今の世界を見ていると、それだけでは説明できない企業が増えています。

Appleは、スマートフォンの会社でしょうか。
私は、それだけではないと思います。

Appleは、Appleらしい美しい体験を追求している会社です。

Disneyは、テーマパークの会社でしょうか。
私は、それだけではないと思います。

Disneyは、夢の世界を追求している会社です。

Nikeは、靴の会社でしょうか。
私は、それだけではないと思います。

Nikeは、挑戦する心を追求している会社です。

Teslaは、自動車会社でしょうか。
私は、それだけではないと思います。

Teslaは、未来を追求している会社です。

成功している企業ほど、自分たちが本当に何を追求しているのかを深く掘っています。

商品やサービスは、その根っ子を表現するための手段なのです。

マクドナルドも同じ

マクドナルドは、ハンバーガーを売っているように見えます。

しかし、その本質は、アメリカ型の大衆外食文化にあります。

ハンバーガー。
ポテト。
コカ・コーラ。

この組み合わせを通じて、マクドナルドは、早く、明るく、清潔で、家族で気軽に利用できる食事文化を世界中に広げました。

国や地域によってメニューは変わります。
しかし、早く、安心して、一定の品質で食事ができるという根っ子は変わりません。

マクドナルドの強さは、ハンバーガーそのものだけではありません。
その奥にある、大衆外食文化を世界へ広げたことにあります。

スターバックスも同じ

スターバックスは、コーヒーを売っているように見えます。

しかし、その本質は「第三の場所」を提供することです。

家でもない。
職場でもない。
一人でも、誰かと一緒でも、心地よく過ごせる場所。

これがスターバックスの根っ子です。

店舗のデザインや商品は、国や地域によって変わります。
しかし、心地よく過ごせる場所を提供するという本質は変わりません。

スターバックスは、コーヒーを入口にして、人が自分らしく過ごせる時間と空間を提供しているのです。

丸亀製麺も同じ

丸亀製麺は、うどんを売っているように見えます。

しかし、その本質は、打ち立て、茹で立て、でき立てという讃岐うどん文化にあります。

店舗で製麺し、お客様の目の前でうどんを仕上げる。
この体験こそが、丸亀製麺の根っ子です。

世界へ展開しても、この根っ子は守っています。

一方で、現地の宗教、食文化、ライフスタイル、味覚には柔軟に対応しています。

根っ子は守る。
枝葉は変える。

丸亀製麺は、その代表例だと思います。

一風堂も同じ

一風堂は、単なる博多ラーメンを売っている企業ではありません。

河原成美創業者の美学が息づく、一風堂文化を広げている企業です。

味。
店舗デザイン。
接客。
清潔感。
活気。
女性でも入りやすい空間。
海外でも通用するブランドづくり。

これらは、河原氏の思想と博多ラーメン文化が融合したものです。

一風堂は、ラーメンを売っているのではなく、博多ラーメンを一風堂というフィルターで磨き上げた文化を世界へ届けているのだと思います。

一鶴も同じ

一鶴は、骨付鶏を売っているように見えます。

しかし、私は一鶴の本質はそこだけではないと思っています。

豪快にかぶりつく。
冷えたビールを飲む。
仲間と語り合う。
日常のストレスを吹き飛ばす。

一鶴が提供しているのは、骨付鶏を通じた感情解放の場です。

おいしいだけではありません。
そこには、気持ちがほどける時間があります。

これが一鶴の根っ子です。

8番らーめんも同じ

タイの8番らーめんも、ラーメンを売っているだけではありません。

日本のラーメン文化を、タイの人たちの日常食文化へ翻訳しました。

家族で利用する。
買い物の途中に立ち寄る。
安心して食事ができる。
日常の中で無理なく使える。

こうしたタイの生活文化の中に入り込んだことが、大きな成功につながったのだと思います。

日本のラーメン文化をそのまま押しつけるのではなく、現地のお客様が自然に受け入れられる形へ変えた

しかし、品質へのこだわりや安心感は変えない。

ここにも、根っ子を守りながら枝葉を変える経営があります。

これからの麺ビジネス

私は、これからの麺ビジネスは、ますます個性の時代になると思っています。

真似をする時代ではありません。
自社の根っ子を深く掘る時代です。

讃岐うどんには、讃岐うどんの根っ子があります。
博多ラーメンには、博多ラーメンの根っ子があります。
蕎麦には、蕎麦の根っ子があります。
パスタには、パスタの根っ子があります。
骨付鶏には、骨付鶏の根っ子があります。

それぞれ違って良いのです。

むしろ、違うからこそ価値があります。

これからの競争は、他社と同じになる競争ではありません。
自社にしかない価値を、どれだけ深く磨けるかの競争です。

大和製作所の根っ子

では、大和製作所の根っ子は何でしょうか。

私は、三つあると思っています。

一つ目は、麺のおいしさの追求。
二つ目は、食感文化の追求。
三つ目は、お客様の成功の追求。

この三つです。

私は50年間、製麺機を作ってきました。

しかし、振り返ってみると、本当に追求してきたのは機械そのものではありません。

お客様の成功でした。

おいしい麺を作ること。
そのおいしさを食感として再現すること。
その麺でお客様が繁盛すること。

そのために機械があり、技術があり、麺学校があり、研究があります。

つまり、大和製作所は製麺機を売っているだけの会社ではありません。

麺の可能性を広げ、お客様の成功を支える会社でありたいと思っています。

なぜ今、世界の外食を研究するのか

今の Yamato RGS Letter では、単なる業界ニュースを追いかけているわけではありません。

Fast Casual。
高生産性。
文化輸出。
再現性。
生活導線。
根っ子経営。

これらはすべて、これからの麺ビジネスに必要になる要素です。

私は、皆さまより少し先の未来を見ながら、次に勝つための条件を探し続けています。

そしてこれからは、それぞれの会社が、自分たちの根っ子に合わせて、これらの要素を取り入れていく時代になると思っています。

すべての店が、同じ方向へ進む必要はありません。

自社の根っ子に合った形で、高生産性を考える。
自社の根っ子に合った形で、食感を磨く。
自社の根っ子に合った形で、生活導線に入る。
自社の根っ子に合った形で、文化を育てる。

ここが重要です。

今後について

今回の記事では、企業の根っ子について考えてきました。

世界で成功している企業は、商品ではなく文化を売っている。
根っ子は守り、枝葉は変える。
そして、自社の根っ子を磨き続けている。

そんな共通点が見えてきました。

私は、これからの麺ビジネスも同じだと思っています。

そこで今後は、さらに研究を深めていきます。

例えば、次のようなテーマです。

Fast Casual は、なぜ世界で成長しているのか。
なぜ麺ビジネスは、Fast Casual と相性が良いのか。
Delivery と麺ビジネスの未来はどうなるのか。
高齢化社会で求められる麺とは何か。
世界の成功企業は、どのように文化を輸出しているのか。
食感は、なぜ記憶に残るのか。
世界各地の麺文化は、どのように進化しているのか。
これから10年で伸びる麺業態は何か。
AI時代に、人が求める食事体験とは何か。

こうしたテーマを、世界の事例を研究しながら、皆さまと一緒に考えていきたいと思っています。

また、皆さまからのご質問や、現場で感じている課題もぜひお寄せください。

今後取り上げてほしいテーマ。
海外展開について知りたいこと。
食感や製麺についての疑問。
店舗経営や人手不足についての悩み。

できる限り、今後のテーマとして取り上げていきたいと思います。

このブログは、大和製作所からの一方通行の情報発信ではありません。

皆さまの現場の声と共に進化する、世界の麺ビジネス未来戦略メディアにしていきたいと思っています。

さいごに

昔は、同じことを正確にできる企業が強い時代でした。

しかし、今は違います。

自社の根っ子を深く理解し、磨き続ける企業が強い時代です。

世界の成功企業は、みなそうしています。

私は、これからの麺ビジネスも、どれだけ自社の根っ子を深く掘れるかで未来が決まると思っています。

大和製作所は、これからも三つの根っ子を磨き続けます。

麺のおいしさ。
食感文化。
お客様の成功。

この三つを軸に、世界の麺ビジネスの未来を研究し、皆さまの繁盛に役立つ情報を発信し続けます。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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