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気候変動時代の繁盛店づくり

世界麺未来戦略研究所 第十五理論

皆さま、こんにちは。
大和製作所創業者のロッキー藤井です。

前々回は「暑さを新しい商品へ変える」、前回は「働く人を守る経営」についてお話ししました。

今日は、その二つを支える未来の店舗づくりを考えます。

気候が変われば、店も変わる

私は50年以上、世界中の麺店づくりに携わってきました。以前は、「今年は暑いね」という会話で終わっていた暑さが、今では毎年の経営に影響する要因になっています。

猛暑は、一時的な例外ではなく、新しい経営環境です。経営環境が変われば、商品や働き方だけでなく、店舗そのものも変わらなければなりません。

店舗は、料理を提供するだけの「箱」ではない

店舗は、料理を提供するための箱ではありません。お客様が「また来たい」と思う時間と空間をつくり、スタッフが毎日安心して働くための場所です。

だからこそ、これからの店舗設計は、設備や見た目を先に考えるのではなく、人を中心に組み立てる必要があります。

暑さに強い厨房をつくる

猛暑時代の店舗経営では、厨房環境が生産性と品質を左右します。茹で釜、フライヤー、ゆで麺機などが発する熱は、スタッフの疲労を増やし、集中力や作業精度にも影響します。

設備更新の際には、IH機器や高効率設備だけでなく、排熱の流れ、換気、空調、機器配置まで含めて検討することが重要です。

厨房の温度が下がれば、身体への負担が軽くなり、品質が安定し、職場の雰囲気も変わります。設備投資とは、機械を増やすことではありません。人が長く元気に働ける環境をつくる投資です。

五感で「涼」をデザインする

これからの繁盛店は、エアコンだけで涼しさをつくるのではありません。日本には、昔から「涼を楽しむ文化」があります。

風鈴、打ち水、青竹や笹、ガラスの器、冷たいおしぼり、木や緑を生かした店内、柚子や大葉の爽やかな香り。これらは温度を下げるだけでなく、目、耳、香り、触感、心という五感を通じて涼しさを感じてもらう工夫です。

機械的に冷やすだけでは得られない心地よさを設計する。それは、日本のおもてなし文化として、世界へ発信できる価値です。

地球にも、人にも優しい店

これからの店舗づくりでは、お客様だけでなく、働く人と地球環境まで視野に入れる必要があります。

断熱性能を高める。遮熱ガラスを採用する。高効率空調を導入する。太陽光発電や省エネルギー設備を活用する。こうした投資は、光熱費を抑えるだけではありません。店内環境を快適にし、働く人の健康を守り、持続可能な経営につながります。

環境への配慮は、コストではなく競争力です。店舗を選ぶ理由が、料理の美味しさだけではなくなる時代には、企業姿勢そのものがブランド価値になります。

店舗づくりは、経営戦略そのもの

これからの店舗づくりは、単なる建築や内装ではありません。経営戦略そのものです。

月曜日は商品を進化させる。水曜日は人を守る。そして金曜日は、その両方を支える「店という舞台」を進化させる。商品、人、店。この三つがそろって初めて、猛暑時代に選ばれ続ける繁盛店が生まれます。

世界麺未来戦略研究所 第十五理論

これからの飲食店は、料理を提供するだけの場所ではなく、「人が元気になる空間」へ進化していくと考えています。

美味しい料理、笑顔で働くスタッフ、心地よい空間、そして日本ならではの「涼」の文化。これらが一つになったとき、お客様は食事だけでなく、心まで満たされる時間を過ごせます。

さいごに|未来に残るのは、人を中心に設計した店

これから世界の麺店づくりで求められるのは、単に大きな店舗や豪華な設備ではありません。お客様も、働く人も、地球も大切にする店づくりです。

それが、気候変動の時代にも選ばれ続ける繁盛店であり、世界麺未来戦略研究所が提唱する第十五理論です。

今週は、「商品」「人」「店」という三つの視点から、猛暑時代の繁盛店づくりを考えてきました。私は、猛暑を危機として恐れるのではなく、未来の店づくりを進化させる機会として捉えています。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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