代表取締役 藤井正章より
今年の4月を持ちまして、創業社長である藤井薫より大和製作所を継承しました藤井正章と申します。
この度、今年の4月をもちまして、創業社長である藤井薫の後任として、株式会社大和製作所の代表取締役社長に就任いたしました藤井正章でございます。
創業以来、藤井薫が築き上げてきた大和製作所の伝統と精神を受け継ぎ、社業のさらなる発展に全力を尽くす所存でございます。
大和製作所は今年10月24日に、50周年を迎えることができました。
これまで弊社が成長、存続できましたのは、ひとえに弊社の製品・サービスをご利用されているユーザー様のおかげであり、ユーザー様が成功することにより弊社も成長することができたことを深く痛感しております。
微力ではございますが、皆様のご期待に沿えるよう、誠心誠意努めてまいる所存でございます。
今後とも弊社の商品、サービスを通じてユーザー様、ユーザー様のお店、ブランドが飛躍する一助となるべく、真摯に活動を継続してまいります。
私たちはこれまでと変わらず、お客様の成功をもって、弊社事業や係る取引の皆様が発展していけるような好循環を提供し続けられるよう尽力してまいりますので、一層のご支援ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
半世紀の感謝を込めて、創業者である藤井薫からメッセージを頂きましたので、以下ご紹介します。
創業者 藤井薫より
私たちが追い求めたもの。 それは、製麺機という「モノ」ではありませんでした。
お客様の「夢の実現」であり、人生を懸けた挑戦を支えきる「繁盛」そのものでした 。
この揺るがぬ信念を「根っこ」として、私たちは歩み続けてまいりました。
そして本日、皆様の温かいご支援の賜物と、幾多の奇跡的なご縁に恵まれ、大和製作所は創業50年という大いなる節目を迎えることができました 。
ここに、半世紀の歩みを支えてくださった全ての皆様へ、深甚なる感謝を捧げます。
50年前、1975年10月24日。わずか九万円の退職金を手に、当社は産声を上げました当初は汚水処理装置の設計で糊口をしのぐ日々。そんな折、「うどんの製麺機がええんちゃうか?」という天啓のような一言が、会社の運命を決定づけました 。
寝る間も惜しんで試作を重ね、国産初の一体化小型製麺機『真打』が産声を上げます。しかし、自信作を携えた私を待っていたのは、「手打ちに勝てるわけがない」という冷たい拒絶の言葉でした 。
米代にも事欠く困窮の中、私は決断します。「香川が駄目なら、日本中を回ればいい」。2トントラックに『真打』を積み、妻の握ったおにぎりを頬張り、南九州へ。
そこで私は、機械の説明を一切やめました。ただ、うどんを打ち、熱々の釜揚げを振る舞ったのです。「百聞は一見に如かず。食べていただければ、必ず伝わる」
「本当に機械で打ったんか?」
店主の驚きに満ちたその声が、私たちの「根っこ」が大地に触れた瞬間でした。やがてラーメン専用機『リッチメン』、蕎麦専用機『坂東太郎』が揃い 、大和の哲学は全国へと広がり始めたのです 。
90年代、私たちは重大な転機を迎えます。「機械を売るだけでは、お客様を本当の幸せには導けない」。 この気づきが、私たちの使命を「麺専門店繁盛支援会社」へと、その「根っこ」から変革させました。
まず、繁盛支援会社としての基礎は、365日メンテナンスによって、創出されました。「大晦日だろうが、正月だろうが、お客様の繁盛を絶対に止めない」。この決意は、私たちの存在意義を懸けた誓いです。ある大晦日の夜、鎌倉の店からの緊急連絡に、元旦の早朝便で駆けつけ、年賀の参拝客に間に合わせたこともありました。涙ながらに握手を求めてくださった店主の手の温もりを、私は生涯忘れません。また、この施策は社内の軋轢を生み、反対した多くの社員が辞めるようになりましたが、それに従ってくれた従業員には今も感謝しています。
さらに、その数年後、繁盛支援会社としての根幹にあたる麺学校を開校しました。技術だけでは店は繁盛しない。経営を学び、理念を持つことこそが本質である。 日本初の麺学校は、私たちの哲学そのものを伝える「学び舎」となりました。今や七千人を超える卒業生が 、「おかげで夢だった店が10周年を迎え、家族も従業員も笑顔です」と 、私たちのかけがえのない誇りとなってくれています。
お客様の成功を第一義に、ただひたすらに走り続けた結果、私たちは美しい「奇跡の循環」を目の当たりにすることとなります。
繁盛した店主が、新たな挑戦者を紹介してくださる。 成功者が、次の成功者の師(メンター)となる。
一軒の繁盛店が、街に活気を取り戻す。
私たちは「競争」を選ばず、「共創」の道を歩みました。奪い合うのではなく、分かち合う。気がつけば、その理念に共鳴する仲間たちの手によって、日本中に「繁盛の森」が育まれていたのです。
シェアトップという評価を賜りましたが 、私たちが真に誇るべきは数字ではありません。五千軒を超える繁盛店の灯火。十万人を超える雇用の創出。そして、そこに集う数え切れぬ家族の笑顔。これこそが、私たちの命そのものであり、最高の財産です。
同時に韓国進出をはじめとして、海外において日本の食文化で自分のビジネスを拡大したいという挑戦者が増加し、その方々に提供する製麺機や製麺ノウハウ、レシピなども学びながら拡充していきました。北米や欧州の食品機械の規格認証取得についてもかなりの費用を投じることになりましたが、今となってはそれぞれの国や地域の方々に安心して製麺機を輸入し、現地で使っていただける環境が整ったと自負しております。
今後もこの大和製作所の哲学、思想を後継者が育み続け、ユーザー様に繁盛の輪を広げ、麺業界を盛り上げ続けていきます。今後、様々な技術革新や社会環境の変化もありますが、私たちの「根っこ」にあるものは、麺を通じて麺専門店に従事する方々を喜びに満ちた世界にしていくことを目指す姿勢は変わりません。その世界を実現するために大和製作所は既存の製品・サービスに磨きをかけていくことはもちろん、イノベーションにも取り組んでいきます。