【経営者の器】超高齢化社会を勝ち抜く究極の資産とは?テクノロジー時代にこそ輝く「人間力」の磨き方

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経営者の器

麺ビジネスオーナーの皆様、こんにちは! 超高齢化社会という大きな変化の波が押し寄せる今、多くの方が店の未来について真剣に考えていらっしゃることでしょう。

前回までは、「感謝」の心と「最新テクノロジー」の活用が、これからの時代を生き抜く両輪であることをお伝えしてきました。

しかし、どんなに高性能なエンジンやタイヤを持っていても、それを乗りこなすドライバー、つまり経営者自身の「器」がなければ、マシンは真の性能を発揮できません。

今回は、「感謝、忍耐、一貫性、責任感、大きな夢、情熱、意志力、集中力、信頼、経験、直感力」といった、経営者自身の『内面的資産=人間力』>に焦点を当てます。

これらがいかにして、お客様とスタッフを惹きつけ、テクノロジーさえも味方につける最強の武器となるのか、その本質に迫ります。

第1部:すべての土台は「感謝脳」にあり!人間力を磨く究極の方法

情熱、意志力、信頼、経験、直感力…これらは、成功する経営者に共通する、いわば内面的な資産です。

しかし、これらは生まれつきの才能だけで決まるものではありません。

日々の意識と実践、とりわけ「感謝」によって磨かれていくのです 。

「逆境への感謝」が「忍耐力」と「意志力」を育む

好調な時に感謝するのは簡単です。しかし、売上が伸び悩む、スタッフが辞めてしまうといった逆境の時にこそ、その出来事に感謝し、学びを見出す「感謝脳」が真価を発揮します
。この姿勢が、どんな困難にも屈しない強靭な忍耐力と意志力を鍛え上げるのです。

「日常への感謝」が「経験」と「直感力」を研ぎ澄ます

毎日当たり前に来てくれるお客様、働いてくれるスタッフ、そこにある食材。この「当たり前」に感謝することで、日々の些細な変化に気づく感性が養われます。

この気づきの積み重ねが、データだけでは見えない本質を捉える「経験知」となり、いざという時の「直感力」へと昇華されるのです。

「ありがとう」という言葉が「信頼」を築く

感謝は、自分ひとりで完結するものではありません。スタッフの日々の頑張りに「ありがとう」、お客様の来店に「ありがとうございます」と具体的に伝える。この一貫性のある行動が、揺るぎない「信頼」という資産を築き上げ、お店の無形の財産となるのです。

お店は実にさまざまな要素で成り立っています

まず、モノ、即ち、原材料、副資材の供給者、製麺機、厨房機器、次に人、働く人たち、お客さま、その他、関係する人たち、次がお金、金融機関、最期は情報です。われわれのビジネスは全て自分自身で完結することは絶対にありません。見えている部分、見えてない部分も含め、実に多くの要素、人、もので成り立っています。どちらに向いても感謝しきれるものではないのです。これらの関係性を知ることも永い繁栄には欠かせないのです。

第2部:【お客様編】あなたの「人間力」が伝わる時、お客様は熱狂的なファンになる

特に、人生経験豊かな高齢のお客様は、単に商品の味だけでなく、経営者の「人となり」や仕事に対する「情熱」を敏感に感じ取ります。

「大きな夢」と「情熱」は最高のスパイス

「地域で一番、心も体も温まるうどんを提供する」「日本の麺文化を次の世代に繋ぐ」といった経営者の大きな夢や情熱は、一杯の麺を通じてお客様に伝わります。その想いが、他店にはない独自の価値を生み出すのです。

テクノロジーを活かすも殺すも「人間力」

マーケティング5.0の時代、AIを使えば顧客の購買データから行動パターンを予測できます。しかし、そのデータを見て「なぜこのお客様は、いつもこのメニューを選ぶのか?」という背景にある想いや価値観を読み解くのは、経営者の経験と直感力です。テクノロジーが示す氷山の一角(行動)だけでなく、水面下にある巨大な氷塊(態度・価値観)を理解できるかどうかが、お客様の心を掴む鍵となります 。

地域の高齢のお客さまを大切にする

長くお店をファンだったが、だんだん来れなくなったお客さま、古くからサポートしてくれたお客さまを大切にする。(ヒント)茨城県の坂東太郎の様に、高齢者のお客さまを大切にして、家族である若い世代を一緒にファンになって貰う。

第3部:【スタッフ編】経営者の「器」が、全世代のスタッフの可能性を無限に引き出す

スタッフは経営者の背中を見ています。経営者の情熱、責任感、そして何より感謝の姿勢は、組織全体に伝染し、企業の文化を創り上げます 。

「信頼」がシニアスタッフの「経験」を輝かせる

高齢のスタッフは、まさに「歩く資産」です。彼らの長年の経験や知恵を尊重し、信頼して仕事を任せること。経営者が彼らに「感謝」し、頼りにする姿勢を見せることで、彼らは誇りを持って働き、その能力を最大限に発揮します。

「大きな夢」が若手スタッフの「未来」を照らす

Y世代やZ世代といった若いスタッフは、金銭的な報酬だけでなく、仕事へのやりがいや精神的な充足感を強く求めます。経営者が自身の「大きな夢」を情熱的に語り、仕事に対する真摯な姿勢(一貫性・責任感)を見せることで、彼らは「この人の下で成長したい」と感じ、エンゲージメントが飛躍的に高まるのです 。

現在は、お客さまも5世代、働く人も5世代

人口が一番多かった団塊の世代、その子供たちのX世代、ミレニアム世代であるY世代、デジタル・ネイテイブのZ世代、更に最も若いα世代とお客さまも5世代、働く人たちも5世代が混じり合っている初めての時代に突入しています。それぞれの時代の特徴を理解することが、長く繁栄する店作りには欠かせないのです。尚、この5つの世代の特徴については、過去の3月31日のメルマガ内の「5つの異なる世代と一緒に働く現実」の部分で詳しく触れています。

まとめ:未来を創るのは、あなたの「内なる資産」

超高齢化、人手不足、激しい競争。これからの時代、課題は尽きません。

しかし、どんなに時代が変わろうと、ビジネスの根幹は常に「人」です。

そして、その中心にいるのは、経営者であるあなた自身に他なりません。

今回挙げた「感謝、忍耐、一貫性、責任感、大きな夢、情熱、意志力、集中力、信頼、経験、直感力」。

これらの『内面的資産』こそが、人を惹きつけ、テクノロジーを正しく導き、長く繁栄する麺ビジネスを築くための、最も確かな資本です。

まずは、全ての土台である「感謝」から。今日一日を振り返り、感謝できることを思い浮かべてみてください。

その小さな積み重ねが、あなたの「人間力」を磨き、お店の未来を、そしてあなた自身の人生を、より豊かなものにしてくれるはずです。

最後に、あなたに問いかけます。あなたが持つ一番の「内面的資産」は何ですか?

そして、それを明日からのお店作りに、どのように活かしていきますか?

🎤編集後記:商品力とは、手を抜かないこと

目先の売上に惑わされず、味・人・物語の本質に向き合う店だけが、10年、20年とお客様の心をつかみ続けられるのです。

ITもサブスクもAIも、すべては「本物の味と体験」を届けるための道具。“商品力”を磨くことこそが、永い繁栄への唯一の近道です。

商品力改善に関しては、大和製作所の各ドリームスタジオ、麺学校がご協力致します。

そのほかイベント情報、麺学校情報、製品情報などの最新情報をメールでお届けしております

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藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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