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外食は「味」から「体験」へ

伸びしろ|売上アップ

外食の世界は大きく変わっています。

その理由はシンプルで、美味しい店が増えすぎたからです。

その結果、味だけでは差がつかなくなり、人は「どう体験するか」で店を選ぶようになりました。

ここでいう体験とは、お客様がどのように料理や空間に関わるか、ということです。

この変化は、日本だけでなく、世界中で起きています。

例えば、

  • ・丸亀製麺:麺を打つ・茹でる工程を見せる「実演型体験」
  • ・鉄板焼き:炎や包丁さばきを目の前で楽しむライブ感
  • ・寿司(カウンター):お客様は選ばず、職人に任せることで生まれる「おまかせ体験」
  • ・回転寿司:流れてくる寿司の中から自分で選ぶ楽しさ体験
  • ・焼肉:自分で焼くことで完成させる参加型の食事
  • ・一蘭:仕切りと無言の空間で味に集中する「没入体験」
  • ・欧米人にとっての日本食と視点:箸を使う、麺をすすること自体が異文化体験

同じ「食べる」という行為でも、関わり方によって価値は大きく変わります。

つまり、「どう食べるか」が価値になっているのです。

体験は“削る”ことで強くなる

最近の外食は、体験は足すだけではありません。

あえて体験を削る方向にも進んでいます。

削ることで、価値を高めることもできます。

なぜなら、人は「集中」しているときほど、価値をより強く感じ、体験を深く記憶するからです。

一蘭のように、余計な情報や会話を削ぎ落とし遮断することで、人は「味そのもの」に集中し、より強く価値を感じます。

麺は「体験できる商品」である

体験価値

この考え方は、麺料理にもそのまま当てはまります。

麺における体験・価値とは、単なる味ではなく、口の中で起きる現象・体験=つまり「食感」にあります。

たとえば、

  • ・コシ
  • ・弾力
  • ・喉越し

これらはすべて、食べる人にとって食のエンターテイメントです。

そして麺は、非常に体験設計しやすい商品です。

なぜなら、以下の要素で食感が大きく変わるからです。

  • ・材料
  • ・加水率
  • ・製法
  • ・麺の太さ・形状
  • ・熟成
  • ・茹で時間、茹で方
  • ・温度
  • ・水分状態

といった要素によって、食感が大きく変わります。

つまり麺は、同じ「麺」でも、設計次第でまったく別の体験を生み出すことができ、いくらでも体験を変えられる商品なのです。

同じ麺でも提供方法で体験は変えられる

変化は好機

さらに重要なのは、提供方法でも体験が大きく変わるという点です。

例えば同じ麺でも、

  • ・釜揚げ:もちもちとした柔らかさと温かさ
  • ・かけ:出汁と一体化したバランス
  • ・ざる:締まったコシと喉越し
  • ・ぶっかけ:濃い味とダイレクトな食感

これらはすべて同じ麺でも、まったく違う体験になります。

さらに工夫すれば、新しい体験も生み出せます。

例えば、釜揚げうどんを魚介出汁の中で提供すれば、

  • ・かけのように食べられる
  • ・釜揚げの食感も残る

というハイブリッドな新しい体験が可能が生まれます。

そこから、韓国風や洋風へと展開することもできるでしょう。

まとめ

これからの外食は、「どう体験するか」の時代へと変わっています。

そして麺は、その体験を自由にデザインできる非常に強い商品です。

麺のようなシンプルな商品ほど、実は無限の体験を生み出せる可能性を持っています。

だからこそ、これからの外食で重要なのは、「味+どんな体験を提供するか」という視点です。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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