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スーパーアクティブ高齢者を増やす商品力

世界麺未来戦略研究所 第十九理論

皆様、こんにちは。
大和製作所創業者、ロッキー藤井です。

日本では人口減少と高齢化が、これまで経験したことのない速度で進んでいます。多くの人は、この変化を「市場の縮小」や「社会の衰退」と受け止めます。
しかし私は、別の可能性があると考えています。

高齢者を支えられる存在として見るだけではなく、80歳、90歳、そして100歳になっても、自分の足で歩き、自分の口で美味しく食べ、学び、働き、社会に貢献する人を増やす。

「スーパーアクティブ高齢者」を増やすことが、これからの日本の大きな成長産業になる。

そのために、麺ビジネスは何ができるのでしょうか。私は、その大きなヒントが、世界の長寿地域「ブルーゾーン」の食生活にあると考えています。

長寿食材を並べるだけでは、商品にならない

ブルーゾーンの食生活を調べると、野菜、豆類、果物、ナッツ、発酵食品、全粒穀物、オリーブオイルなどが、日常的に食べられています。

しかし、「健康によい食材を使いました」というだけでは、魅力ある商品にはなりません。

お客様が求めているのは、栄養成分の一覧ではありません。見た瞬間に食べたくなり、口に入れた瞬間に美味しいと感じ、食べ終えた後に身体が軽く感じられ、また食べたいと思える一皿です。

大切なのは、一つひとつの食材ではなく、食材同士を組み合わせ、味、香り、食感、栄養、色彩までを一つの商品として完成させることです。

前回は、ヨーグルトとナッツ、フルーツの組み合わせ、さらにオリーブオイル、納豆、ゆず味噌、ネギ、ちりめんじゃこの組み合わせをご紹介しました。

今回は、そこからさらに進み、ブルーゾーンの知恵と日本の食文化を融合した、10種類の麺商品を考えてみます。

ブルーゾーンの知恵から生まれる10の長寿麺料理

1. オリーブ納豆と柑橘味噌の温玉うどん

商品コンセプト

日本の発酵文化と地中海のオリーブ文化を融合した、和洋長寿うどん。

主な組み合わせ

納豆 / エキストラバージンオリーブオイル / ゆず味噌 / 青ネギ / ちりめんじゃこ / 温泉卵 / 大葉 / 白ごま

納豆と味噌という二つの発酵食品に、オリーブオイルを合わせます。ゆずの香りが納豆の強さを和らげ、ちりめんじゃこのうま味と塩味が全体をまとめます。温泉卵を崩せば、なめらかなソースへ変わります。納豆の粘り、ちりめんじゃこの歯応え、ごまの香ばしさ、うどんの弾力が重なり、一杯の中に多様な食感が生まれます。

2. 豆腐味噌ポタージュと焼き野菜のうどん

商品コンセプト

豆の力、発酵、焼き野菜、ナッツの食感を一杯にまとめた濃厚植物性うどん。

主な組み合わせ

絹ごし豆腐 / 白味噌 / 豆乳 / 玉ねぎ / かぼちゃ / オリーブオイル / ブロッコリー / きのこ / くるみ

豆腐、豆乳、白味噌をなめらかなポタージュにし、オリーブオイルで香ばしく焼いたブロッコリー、きのこ、かぼちゃをのせます。最後に砕いたくるみを加えると、柔らかな料理の中に心地よい歯応えが生まれます。高齢者向けだからといって、すべてを柔らかくする必要はありません。噛める範囲で異なる食感を残すことが、食べる楽しさにつながります。

3. トマト味噌と発酵野菜の地中海うどん

商品コンセプト

日本の味噌と地中海料理を、うどんの食感で再構成した発酵トマト麺。

主な組み合わせ

完熟トマト / 赤味噌 / オリーブオイル / にんにく / 玉ねぎ / なす / パプリカ / 発酵キャベツ / 大豆 / バジル

トマトソースに少量の赤味噌を加えることで、動物性素材に頼りすぎなくても、深いうま味が生まれます。焼いたなす、パプリカ、大豆を加え、仕上げに発酵キャベツを少量添えます。温かいソースと発酵キャベツの軽い酸味、トマトの赤、パプリカの黄色、バジルの緑が、見た目にも元気を与えます。

4. ごま豆腐だれと蒸し鶏、彩り野菜の冷やし麺

商品コンセプト

発酵の甘みと植物性・動物性たんぱく質を調和させた、夏の健康冷やし麺。

主な組み合わせ

練りごま / 豆腐 / 味噌 / 甘酒 / 米酢 / 蒸し鶏 / きゅうり / トマト / 紫キャベツ / 枝豆 / アーモンド

豆腐、練りごま、味噌、甘酒、米酢を合わせ、砂糖に頼りすぎない、まろやかなごまだれを作ります。そこへ蒸し鶏、枝豆、色とりどりの野菜をのせ、砕いたアーモンドを加えます。柔らかい蒸し鶏、みずみずしい野菜、枝豆の粒感、アーモンドの歯応えが重なり、暑い季節でも食べやすく、たんぱく質と野菜を一皿で取れます。

5. 焼ききのこと海藻、黒にんにく味噌の温かいそば

商品コンセプト

山・海・発酵・ナッツを統合した、うま味の層が深い温そば。

主な組み合わせ

そば / しいたけ / まいたけ / しめじ / わかめ / ひじき / 黒にんにく / 味噌 / くるみ / オリーブオイル

きのこは煮るだけでなく、オリーブオイルで香ばしく焼きます。黒にんにくと味噌を合わせたたれを少量使い、わかめやひじきと一緒にそばへ絡めます。仕上げに砕いたくるみをのせれば、きのこの香り、海藻のうま味、黒にんにくの甘み、味噌の発酵香、くるみの香ばしさが重なります。肉を大量に使わなくても、十分な満足感を生み出せます。

6. すだちとりんご、ヨーグルト味噌のサラダ麺

商品コンセプト

前回のヨーグルト・ナッツ・フルーツの組み合わせを、爽やかな麺料理へ進化。

主な組み合わせ

すだち / りんご / 無糖ヨーグルト / 白味噌 / オリーブオイル / レタス / セロリ / さつまいも / くるみ / 冷たい細麺

ヨーグルト、白味噌、すだち果汁、オリーブオイルで発酵ドレッシングを作り、
薄く切ったりんご、野菜、蒸したさつまいも、くるみを合わせます。りんごの甘酸っぱさ、すだちの香り、白味噌のうま味、ヨーグルトの酸味、くるみの香ばしさが重なり、麺でありながらサラダとして楽しめます。

7. 小豆、かぼちゃ、豆乳味噌の「食べるスープ麺」

商品コンセプト

豆を主役にした、食べる力を支える満足型スープ麺。

主な組み合わせ

小豆 / かぼちゃ / 豆乳 / 味噌 / 玉ねぎ / 小松菜 / 全粒粉麺 / オリーブオイル / かぼちゃの種

甘く煮た小豆ではなく、塩味のスープに豆として小豆を使います。かぼちゃと豆乳の自然な甘みに、味噌の塩味とうま味を重ねます。小豆の粒、かぼちゃの柔らかさ、小松菜の歯応え、全粒粉麺の食感が重なり、一皿で豆、野菜、穀物、発酵食品を取れます。

8. 甘酒レモン麹と焼き豆腐の香味まぜ麺

商品コンセプト

麹、柑橘、二種類の豆、香味野菜を組み合わせた軽やかな発酵まぜ麺。

主な組み合わせ

甘酒 / 塩麹 / レモン / オリーブオイル / 焼き豆腐 / 水菜 / みょうが / 大葉 / ひよこ豆 / ローストアーモンド

甘酒の自然な甘み、塩麹のうま味、レモンの酸味、オリーブオイルを合わせ、
砂糖や濃い調味料に頼らない発酵だれを作ります。香ばしく焼いた豆腐、ひよこ豆、水菜、みょうが、大葉を麺に合わせ、最後にローストアーモンドを散らします。酸味、香味、豆の粒感、ナッツの歯応えが、一口ごとに変化を生みます。

9. 焼き桃と白味噌、モッツァレラの冷製細麺

商品コンセプト

旬の果物と発酵調味料を主役にした、地域性の高いプレミアム冷製麺。

主な組み合わせ

桃 / 白味噌 / オリーブオイル / レモン / モッツァレラチーズ / トマト / バジル / くるみ / 冷たい細麺

桃は生のまま使うだけでなく、表面を軽く焼くことで甘みと香りを引き出します。白味噌、オリーブオイル、レモンで作ったソースに、トマト、モッツァレラ、バジルを合わせます。焼き桃の甘み、白味噌の塩味、トマトの酸味、チーズのコク、くるみの香ばしさを細麺がつなぎます。果物をデザートではなく、食事の中心に置く新しい発想です。

10. 納豆キムチ、アボカド、ごま味噌の発酵まぜそば

商品コンセプト

複数の発酵食品と良質な脂質を重ねた、満足感の高い現代型長寿まぜそば。

主な組み合わせ

納豆 / 発酵キムチ / アボカド / 味噌 / 練りごま / 米酢 / 青ネギ / 海苔 / 温泉卵 / そば

納豆とキムチという二つの発酵食品に、アボカドのなめらかさを加えます。味噌、練りごま、米酢でたれを作り、青ネギ、海苔、温泉卵を重ねます。納豆の粘り、キムチの歯応え、アボカドのクリーミーさ、ごまの香ばしさ、そばの風味が一体になります。発酵の強さを、卵とアボカドが穏やかにまとめます。

健康食ではなく、「また食べたい料理」にする

健康を前面に出しすぎると、「身体にはよさそうだが、美味しくなさそう」と思われることがあります。

これでは、長く続きません。

大切なのは、健康だから我慢して食べる料理ではなく、美味しいから何度も食べたくなり、結果として健康につながる料理を作ることです。

そのためには、発酵食品だけ、野菜だけ、豆だけではなく、香り、温度、色彩、うま味、酸味、甘み、そして食感を組み合わせる必要があります。

大和製作所だからできる食感設計

そして、ここに大和製作所が半世紀以上研究してきた食感の技術が生きてきます。

高齢者向けだから、単に柔らかい麺にすればよいわけではありません。

柔らかすぎれば、食べる喜びや満足感が失われます。

必要なのは、噛み切りやすく、飲み込みやすい。

それでいて、口の中では麺らしい弾力を感じられる食感です。

その人の年齢や噛む力に合わせながら、美味しさを失わない。

さらに、同じ一杯の中に、なめらかさ、粒感、歯応え、香ばしさ、みずみずしさを組み合わせる。

これこそが、食感創造研究所としての商品開発だと考えています。

レストランを「健康寿命を延ばす研究所」にする

これらの商品を提供するレストランは、単に高齢者向けの食堂ではありません。

スーパーアクティブ高齢者を増やすことを目的とした、未来型レストランです。

そこでは、食事だけでなく、人が集まり、会話し、笑い、学び、新しい役割を見つけます。健康は、食材だけで生まれるものではありません。

人とのつながり、生きがい、感謝、社会の中での役割も、健康寿命を支える大切な要素です。

100歳まで、自分の足で歩き、自分の口で美味しく麺を食べ、社会で活躍する。

そのような人を一人でも多く増やすことが、これからのレストランと麺ビジネスの新しい使命ではないでしょうか。

さいごに

ブルーゾーンから学ぶべきことは、特定の食材をそのまま真似することではありません。

自然に近い食材を使い、豆や野菜、発酵食品を毎日の食事に取り入れ、人と人が語り合いながら、美味しく食べ続けられる食文化を育てることです。

日本には、味噌、納豆、豆腐、麹、海藻、ごま、旬の野菜、柑橘類など、世界に誇る食文化があります。

これらを、オリーブオイル、ナッツ、ヨーグルト、果物、世界の豆類などと組み合わせれば、新しい麺料理の可能性は無限に広がります。

世界麺未来戦略研究所が目指すのは、ブルーゾーン料理の模倣ではありません。

ブルーゾーンの知恵、日本の発酵文化、世界の食材、そして大和製作所の食感技術を融合し、新しい長寿麺文化を創る。

私たちは、単に麺を売る会社ではありません。

100歳まで自分の足で歩き、自分の口で美味しく食べ、社会で活躍する「スーパーアクティブ高齢者」を増やす。

その未来を、まず一杯の麺から創っていきたいと思います。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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