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世界麺未来戦略研究所

皆様、こんにちは。大和製作所創業者、ロッキー藤井です。

かつての麺店では、「出汁のつくり方は門外不出」「麺の配合は店主しか知らない」という考え方が珍しくありませんでした。大切な技術を従業員に教えれば、独立して同じ店を出されたり、店の秘密を持ち出されたりするかもしれない。そんな不安から、出汁の配合や製麺条件に関わるのは、経営者や一部の職人だけという店もありました。

従業員は決められた作業だけを行い、なぜその作業をするのか、どの状態が良いのか、何がいつもと違うのかといった重要な情報は、ほとんど共有されませんでした。

しかし、この方法では、店主がいなければ品質を守れません。店主が病気になったとき、引退するとき、あるいは店舗を増やそうとしたとき、店の技術を引き継げる人がいないのです。

昔は「秘密」が店を守った

技術や情報が簡単に広がらなかった時代には、味を秘密にすることにも意味がありました。

しかし、秘密を守ることと、従業員を育てないことは同じではありません。

技術を店主一人で抱え込むと、店主は毎日、厨房を離れられなくなります。

従業員は、言われたことを行うだけの作業者になります。

異常に気づいても、基準を知らないため、判断できません。

改善案があっても、店の考え方や数字を知らなければ、提案できません。

大切な情報を隠すことで、競争相手から店を守っているつもりが、店内の成長まで止めてしまうことがあります。

強い店は、従業員を戦力にする

現在の強い店は、店内の情報のほとんどを従業員と共有しています。

  • 店が目指す味と食感
  • 材料の特徴と配合の意味
  • 出汁やスープの品質基準
  • 原材料の価格と一杯の原価
  • お客様から寄せられた声
  • 売れている商品と売れていない商品
  • 店が抱えている問題
  • これから目指す店の姿

もちろん、すべてを無制限に公開すればよいということではありません。

個人情報や取引上の秘密など、守るべき情報はあります。

しかし、従業員が良い判断をするために必要な情報まで隠してはいけません。

情報を持たない人に、「もっと自分で考えなさい」「経営者の立場で行動しなさい」と言っても、それは無理な話です。判断材料がないからです。

情報を共有するから、従業員は考えられます。

考えるから、違いに気づきます。

違いに気づくから、自分で改善できるようになります。

そこで初めて、従業員は単なる人手ではなく、店を一緒に強くする戦力になります。

「教えると盗まれる」という恐れ

経営者が技術を抱え込む背景には、恐れがあります。

「すべて教えたら、辞めてしまうのではないか」

「独立して、競争相手になるのではないか」

確かに、その可能性が全くないとは言えません。

しかし、何も教えてもらえず、成長できない店に、人は長く残るでしょうか。

従業員を信頼せず、情報を与えず、単純な作業だけを任せることの方が、人が離れる大きな原因になることがあります。

店の本当の強さは、配合表を隠すことだけではありません。

同じ考え方と基準を持ち、店の価値を守ろうとする人を何人育てられるかです。

共有すべきなのは、配合だけではない

出汁や麺の配合を伝えるだけでは、技術の共有にはなりません。

本当に共有すべきなのは、「なぜ、この味を目指すのか」「どのようなお客様に、何を感じてほしいのか」「どこまでずれたら、商品として出してはいけないのか」という判断の根拠です。

数字だけを渡しても、状況が変わったときには対応できません。

目的と基準を共有すれば、従業員は自分で考え、微調整できるようになります。

明日から始める情報共有

明日の開店前に、スタッフと同じ一杯を食べてください。

そして、経営者から次の三つを伝えます。

  • この麺で最も大切にしている食感
  • この出汁やスープで絶対に変えてはいけない基準
  • 基準と違うと感じたとき、誰に、どのように伝えるか

その後、スタッフ一人ひとりに、

「今日の一杯を食べて、いつもと違うところはないか」

と尋ねてください。

店主が先に答えを言ってはいけません。

新人から先に話してもらい、最後に店主が自分の判断を伝えます。

従業員が違いに気づいたときは、まず「気づいてくれて、ありがとう」と伝えてください。正解か不正解かを決めるのは、その後です。

本日の問い

あなたの店では、従業員が良い判断をするために必要な情報を、どこまで共有しているでしょうか。

情報を隠したまま、従業員に自主性を求めていないでしょうか。

昔は、技術を隠すことが店を守る方法でした。

しかし、これからの時代に店を守るのは、秘密を抱えた一人の職人だけではありません。

店の味、使命、基準、課題を共有し、自分で考えて行動できる従業員です。

経営者一人の百点より、店のことを理解して動ける十人を育てる。

それが、強い店をつくります。

  • 店主がいなければ、味が変わる
  • 技術を教えても、スタッフが自分で判断できない
  • 何を、どこまで共有すればよいか分からない

そのような悩みをお持ちの場合は、大和麺学校をご検討ください。

現在の製麺工程や教育方法をお伺いし、店主の技術を店全体の力へ変える入口を一緒に考えます。

世界麺未来戦略研究所からのご提案

世界麺未来戦略研究所とは、世界の成功事例、AI、商品開発、食感創造、生産性、健康、海外展開、人手不足、経営戦略を研究し、世界の麺文化を進化させるための実務研究所です。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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