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「食感」が市場をつくる

多くの店は、まず味に注目します。

しかし実際には、新しい市場を生み出すのは食感です。

なぜなら、味は比較的真似しやすく、食感は簡単には真似できないからです。

味はレシピが分かれば、近づけることができ、ある程度再現できます。

しかし一方で食感は、簡単には真似できません。

  • ・原料
  • ・製法
  • ・設備
  • ・技術

これらが組み合わさって生まれます。

そのため、同じものを再現するのが難しいのです。

だからこそ、新しい食感が生まれると新しい市場が生まれるのです。

博多豚骨ラーメンを生んだ麺のイノベーション

分かりやすい例が、博多豚骨ラーメンです。

あの硬い細麺の食感は、日本の麺の歴史の中でも大きなイノベーションでした。

このイノベーションの背景には、明治時代に日本で製麺機が発明されたことがあります。

製麺機が登場したことで、

  • ・極細麺
  • ・硬い麺
  • ・歯切れの良い麺

このような麺を安定して作ることができるようになりました。

そして、この独特の食感が博多豚骨ラーメンという新しい市場を生み出したのです。

札幌ラーメン「ウェーブ麺」食感が作った市場

旗

もう一つ忘れてはならないのが、札幌ラーメンです。

札幌ラーメンの特徴は、パーマのようなウェーブ麺です。

この麺には大きな役割があります。

  • ・味噌スープがよく絡む
  • ・熱いスープが冷めにくい

特に北海道の寒い気候では、スープの温度を保つことは非常に重要です。

つまり札幌ラーメンは、

  • ・スープ
  • ・気候
  • ・麺の形状

この3つが合わさって生まれた料理です。

ここでもやはり、食感が市場を作っているのです。

「つけ麺」「混ぜ麺」が生んだ新しい食べ方と食感

次にラーメンの世界で起きた大きな変化が、

  • ・つけ麺
  • ・混ぜ麺

というスタイルです。

これは単に食べ方が変わっただけではありません。

当然、そこには新しい麺の食感が必要でした。

例えば、

  • ・太い麺
  • ・強いコシ
  • ・濃厚なスープに負けない麺

こうした麺が作られたことで、つけ麺や混ぜ麺の文化が広がりました。

ここでも食感が新しい市場を生んでいます。

うどんの世界でも起きている食感の変化と進化

世界地図と虫眼鏡

これは、うどんの世界でも同じです。

長い讃岐うどんの歴史の中で、

  • ・ざるうどん
  • ・ぶっかけうどん

という食べ方が広まったのは、実は比較的最近のことです。

昔は「かけうどん」が中心でした。

しかし食べ方が変わると、求められる麺の食感も変わります。

例えば、

  • ・冷たい麺
  • ・締めた麺
  • ・コシを楽しむ麺

こうして、うどんの世界でも新しい食感が生まれていきました。

食感は地域によって違う

食感の好みは、地域によって大きく違います。

同じ麺でも、

  • ・強いコシを好む地域
  • ・柔らかさを好む地域
  • ・もち感を好む地域
  • ・のど越しを重視する地域

このように様々です。

だからこそ、そのエリアで好まれる食感を理解することが重要になります。

さらに重要なのは、食感の好みは常に変化しているということです。

今の好みだけでなく、これからの変化を見据えた食感研究が必要になります。

食感は文化から習慣へ変わる

変化は好機

分かりやすい例があります。

以前、餅は正月の食べ物でした。

しかし今では、スーパーで一年中売られています。

食べる機会が増えると、食感は文化から習慣へ変わります。

その結果、もちもちした食感は世界中で受け入れられる食感になりつつあります。

食感と味は必ずセットでつながっている

繋がり

食感は味とも深く関係しています。

例えば、

  • ・柔らかく甘い出汁に合ううどんの食感
  • ・博多豚骨に合う細麺の食感
  • ・濃厚魚介つけ麺に合う太麺の食感

このように、味と食感は必ずセットで設計されています。

だからこそ、味だけでなく、食感との組み合わせを設計することが重要なのです

世界一のレストランが考えていること

昨年、世界一になったレストランがあります。

ペルーのレストラン Maido です。

このレストランは、

  • ・日本の技術
  • ・ペルーの食材
  • ・ペルーの文化

この3つを組み合わせて世界一になりました。

象徴的なのが、イカのスープのラーメンという発想です。

ラーメンの本場である日本でも、イカを主役にしたラーメンはほとんどありません。

しかしペルーでは、それが独自性になります。

これは世界で勝つための重要な戦略です。

本場の模倣では世界一にはなれません。

土地と文化を翻訳した独自の料理が必要なのです。

世界の料理も作っている食感文化

世界地図と虫眼鏡

食感の文化は、日本だけではありません。

例えばイタリア料理にはアルデンテという食感があります。

パスタは、芯が少し残る食感が理想とされています。

この食感こそが、イタリア料理の文化を作ってきました。

食感がイノベーションを生む「食感→食べ方→市」

麺の世界ではこれまで、食感 → 新しい食べ方 → 新しい市場という流れが何度も起きてきました。

そしてこの流れは、これからも続いていきます。

次のイノベーションも、新しい食感から生まれる可能性が高いのです。

世界の食感を研究する食感研究が重要な理由

理由

今、私は世界の食感研究が非常に重要だと考えています。

世界中には様々な食感があります。

例えば、

  • ・麺
  • ・パン
  • ・パスタ
  • ・餅
  • ・タピオカ
  • ・餃子の皮

それぞれの文化の中で独自の食感が生まれてきました。

これらを研究することで、これまでにない麺の食感が生まれる可能性があります。

まとめ

多くの店は味を注目&追求します。

しかし実際には、食感が市場を作ります

歴史を振り返ると、新しい市場を作ってきたのは食感でした。

  • ・博多ラーメンの細麺
  • ・札幌ラーメンのウェーブ麺
  • ・つけ麺の極太麺
  • ・混ぜ麺
  • ・うどんのコシ

すべて食感のイノベーションです。

そして食感は、新しい食べ方を生み、新しい市場を作ります

だからこそ、これからの麺づくりに必要なのは世界の食感を研究することです。

これらを研究し組み合わせることで、次の麺のイノベーションが生まれる可能性があります

次の市場は、新しい食感から始まるのです

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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