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世界のレストラン経営のテーマは「生産性」

今、世界のレストランビジネスで最も重要なテーマは生産性です。

人手不足、光熱費の高騰、原材料価格の上昇。

世界中のレストラン経営者は、複合的なコスト圧迫に直面しています。

もはや「頑張る」「工夫する」だけでは乗り切れない時代。

各国の経営者たちは今、利益が自然に生まれる仕組みそのものを根本から設計し直す段階に入っています。

その象徴的な事例が、アメリカ・ニューヨークの名店 グラマシー・タバーン(Gramercy Tavern)です。

生産性が上がったシンプルな設計

私がコロナ前に訪れた際、グラマシー・タバーンは、1か月先まで予約が取れない人気店でした。

一般的な高級レストランでは、多皿構成のコースが主流です。

しかし、この店では驚くほど割り切った構成が採用されていました。

使われていた皿は、同じ形状のプレートがわずか3種類

しかも一皿一皿が大きく、しっかりと盛り込まれています。

大きめのプレートにしっかり盛り込むことで、

・盛り付け回数が激減
・ウエーターの配膳回数&料理を運ぶ往復が減少
・皿洗いの負担も大幅に軽減&手間も

という変化&効果が生まれていました。

その結果として、お客様を観察し、向き合う時間サービスに集中できる環境を持てるようになります。

オペレーションを削ぎ落とすことで、むしろサービスの質そのものが向上していたのです。

この設計の背景にあるのは、徹底したオペレーション効率化と生産性向上でした。

シンプルさで品質を上げる

皿の種類を減らすことで、グラマシー・タバーンは次の効果を得ています。

・サービスと洗浄の手間を削減
・スタッフの動線を最小化
・調理・盛り付けの再現性を向上

結果として、オペレーションは安定し、品質はブレにくくなります。

つまり、無駄を削ぎ落とすことで、品質を高めるという哲学です。

さらに当時すでに、この店ではチップ制度の見直しにも着手しておりました。

支払いは明朗で、店内の空気は驚くほど落ち着いています。

顧客にとっても、スタッフにとっても、どこか余裕がある。

その裏には、無駄を徹底的に排した経営美学が確かに存在していました。

「生産性×満足度」の答え

このレストランのオーナーこそが、世界的ハンバーガーチェーン Shake Shack の創業者ダニー・マイヤー氏です。

彼は飲食業界において、

・ホスピタリティを「設計」で考える
・顧客体験を科学する

という重要性を広めてきた人物であり、チップ廃止の旗振り役としても知られています。

彼の運営会社 Union Square Hospitality Group では、

チップを廃止
給与とサービス料を一体化
・支払いをシンプルに統一

することで、

・顧客満足度の向上
・従業員の離職率低下
・管理コストの削減

を同時に実現していました。

これは、生産性と満足度を両立させた現実的な経営モデルなのです。

まとめ

日本の製麺文化には、「美味しさは、無駄のない工程から生まれる」という考え方があります。

一方、アメリカの飲食経営では今、「顧客満足は、無駄のない支払いから始まる」という新しい思想が広がり始めています。

アプローチは違っても、結論は同じです。

簡潔さが、品質を高め、経営を強くする。

複雑にすることは、いつでもできます。

しかし、これからの飲食経営に求められる本当の価値は、「削る勇気」で削ぎ落とした先に残る「本質」なのかもしれません。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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