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外食は「料理ジャンル」で考えると本質を見失う

外食と聞くと、多くの人はこう考えます。

  • ・ラーメン
  • ・寿司
  • ・フレンチ
  • ・カフェ

しかし、この分類ではビジネスの本質は見えません。

重要なのは、「どうやって利益を出しているか」です。

この視点で見ると、外食は大きく4つの構造に分かれます。

世界の外食は4つの構造で動いている

現在の世界の外食市場は、おおよそ次のような構成・バランスで成り立っています。

  • ・ファストフード:35%前後
  • ・カフェ:20%前後
  • ・高級レストラン:25%前後
  • ・配送:20%前後

そして今後は、次のように変化していくと考えられます。

  • ・ファストフード:40%前後
  • ・カフェ:20%前後
  • ・高級レストラン:15%前後
  • ・配送:25%前後

つまり、「早く・効率よく回せる生産性の高い業態」へとシフトしていくという流れです。

主戦場は「ファストフード」と「配送」

これからの外食の主戦場は、次の2つに集約されます。

  • ・ファストフード
  • ・配送

共通点はシンプルです。

  • ・早く提供できる
  • ・少人数で回せる
  • ・安定している
  • ・繰り返し運営できる

つまり、生産性の高いビジネスが中心になるということです。

ファストフード:「スピードの価値」を売るビジネス

ファストフードが売っているのは、料理そのものだけではありません。

  • ・すぐ出る
  • ・すぐ食べられる
  • ・待たない

という「時間価値」です。

さらに、

  • ・少人数で運営できる
  • ・回転率が高い

ため、非常に生産性が高いのが特徴です。

麺業態で言えば、セルフ式うどんは典型例です。

このモデルの登場によって、従来の店舗が大きく入れ替わったことからも、その強さが分かります。

この流れは、日本だけでなく世界中で起きています。

カフェ:「時間の質」を売るビジネス

カフェは少し異なる構造を持っています。

  • ・座る
  • ・休む
  • ・話す
  • ・作業する

つまり、「時間の過ごし方」そのものに価値がある業態です。

日本では麺とカフェの組み合わせはまだ少ないですが、東南アジアでは一般的なスタイルになっています。

高級レストラン:「非日常の提供」を売るビジネス

高級レストランの本質は「非日常」です。

  • ・料理
  • ・空間
  • ・サービス
  • ・ストーリー

これらを組み合わせて、特別な体験を提供します。

ただし、

  • ・人手がかかる
  • ・時間がかかる
  • ・コストが高い

という構造のため、今後は市場全体として拡大するのではなく、選ばれた店だけが生き残る世界になります。

配送:まったく「別の構造のビジネスモデル」

配送は、従来の外食とはまったく異なる構造です。

お客様に来てもらうのではなく、こちらから届けるビジネスだからです。

重要になるのは、

  • ・時間が経っても美味しいか
  • ・温度を保てるか
  • ・崩れないか
  • ・包装しやすいか

といった設計です。

日本にはもともと出前文化がありますが、それが現在、テクノロジーと結びついて再構築されています。

外食は「構造」で勝敗が決まる:間違えると勝てない

この4つは単なる分類ではありません。

それぞれ、

  • ・利益の出し方
  • ・差別化の方法
  • ・コスト構造

がまったく異なります。

つまり、構造を間違えると、どれだけ努力しても成果が出ないのです。

なぜ今、外食は「生産性」を求められているのか

変化は好機

現在の外食業界では、

  • ・人件費の上昇
  • ・家賃の上昇
  • ・人手不足
  • ・高齢化
  • ・時間不足

が同時に進んでいます。

この環境の中で求められるのは明確です。

  • ・早く出せるか
  • ・少人数で回せるか
  • ・再現できるか

つまり、生産性がすべての前提になっているということです。

これから伸びる業態・縮む業態はどこか

この流れの中で、

  • ・ファストフードと配送は伸びる
  • ・カフェは安定して残る
  • ・高級レストランは縮小する

外食は、より効率的な業態へと集約されていきます。

なぜ麺ビジネスは強いのか

麺には、他の業態にはない強みがあります。

  • ・短時間で提供できる
  • ・価格設計がしやすい
  • ・日常食になりやすい
  • ・海外でも受け入れられやすい
  • ・食感で差別化できる

つまり、ファストフードにも配送にも適応できる数少ない食品です。

だからこそ、麺ビジネスの未来を考えるには、外食全体の構造理解が欠かせません。

まとめ

外食は、ビジネス構造で考え、見ることが重要な時代です。

これからの時代は、生産性の高い業態=ファストフードと配送が中心になるという流れが加速していきます。

この前提を理解することが、これからの外食、そして麺ビジネスで勝つための第一歩です。

麺は、その中心に立てる数少ない存在です。

だからこそ、麺ビジネスの未来を考えるには、まず外食全体の構造を理解することが重要なのです。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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