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麺ビジネスは、大きな転換点に入っている

私は、これからの麺ビジネスは大きく変わると思っています。
今までの麺ビジネスは、基本的に 「店に来てもらう商売」 でした。

お客さまが来店し、店内で注文し、その場で食べ、帰る。
つまり、店内売上中心のビジネス です。

しかし、これからは違います。

これからの麺ビジネスは、
「お客さまの生活に入り込む商売」
へ変わっていくと、私は考えています。

店で待つだけではなく、生活の中で選ばれる。
ここに、次の麺ビジネスの大きな可能性があります。

外食は、「店内」だけでは弱くなった

今、世界の外食を見ると、大きな変化が起きています。
それは、店内売上だけでは成長しにくくなっている ということです。

たとえば、スターバックスは、テークアウト比率は6割とも言われています。
つまり、お客さまは店で飲むだけではありません。

持ち帰る。
移動中に飲む。
職場で飲む。
家で飲む。

スターバックスは、単なる「店舗」ではなく、お客さまの生活の中に入り込んでいます。

ここが、非常に重要です。

これからの外食は、店の中だけで完結するビジネスではありません。
生活の中で、どれだけ利用されるか が問われる時代になっています。

世界のFast Casualも、店外売上を強化している

世界で伸びているFast Casual企業も、同じ方向へ進んでいます。

たとえば、これらの企業では、デジタル売上比率がすでに3分の1以上を占めています。

  • Chipotle
  • CAVA
  • Sweetgreen

つまり、

  • モバイル注文
  • 事前注文
  • 持ち帰り
  • デリバリー
  • 再注文

といった店外接点が、急速に伸びているのです。

これからの外食は、「店の中」だけではなく、「店の外」まで含めて設計する時代 に入りました。

店内で食べてもらうだけではなく、生活のどの場面で選ばれるか。
そこまで考える必要があります。

麺ビジネスの最大の弱点

しかし、ここで大きな問題があります。
麺ビジネスは、店外売上が弱いのです。

なぜなら、麺料理は長い間、店内で食べることを前提に進化してきた食品 だからです。

麺が伸びる。
スープがこぼれる。
温度が落ちる。
食感が変わる。
香りが弱くなる。

つまり、麺料理は 時間経過に弱い のです。

これは、麺ビジネスにとって大きな課題です。

店内で食べれば最高においしい。
しかし、持ち帰ると品質が落ちる。
デリバリーでは食感が変わる。
時間が経つと、別の商品になってしまう。

この弱点を解決しない限り、麺ビジネスの店外売上には限界があります。

これから必要な麺設計

だからこそ、これからの麺ビジネスは、設計そのものを変える必要があります。
必要になるのは、たとえば次のような麺です。

  • 時間が経っても伸びにくい麺
  • 再加熱しても食感が戻る麺
  • 汁なしでも成立する麺
  • スープと分けても品質が落ちにくい麺
  • 持ち運んでも崩れにくいメニュー
  • デリバリーでも品質が落ちにくい設計

つまり、これからは、「店内専用麺」から「生活対応麺」へ進化する必要がある ということです。

店内でおいしいことは、もちろん大切です。
しかし、それだけでは足りません。

持ち帰ってもおいしい。
職場で食べてもおいしい。
家で再加熱してもおいしい。
時間が経っても、食感の魅力が残る。

こうした視点が、これからの麺づくりには必要になります。

デジタル対応が重要になる

さらに、これから重要になるのが デジタル対応 です。
今後、

  • モバイル注文
  • 事前注文
  • 再注文
  • サブスク
  • アプリ
  • 顧客データの活用

これらは、ますます重要になります。
つまり、これからの麺ビジネスは、店舗運営だけでは不十分 になります。

お客さまが来店する前に、どう接点を持つのか。
来店しなくても、どう注文してもらうのか。
一度食べたお客さまに、どう再注文してもらうのか。
生活の中で、どう思い出してもらうのか。

これらを考える必要があります。

これまでの麺ビジネスは、店の中で勝負してきました。
しかしこれからは、店の外にある接点まで設計すること が重要になります。

高AUV化の本質

私は、高AUV化とは、単に客席を増やすことではないと思っています。

高AUV化とは、お客さまとの接点を増やすこと です。
接点とは、店内だけではありません。

  • 店内
  • 持ち帰り
  • デリバリー
  • モバイル注文
  • 事前注文
  • 再注文
  • 冷凍商品
  • EC
  • ギフト
  • 家庭での利用

こうした接点を増やし、生活導線の中にどれだけ入り込めるか。
ここが、これからの重要戦略になります。

店内の客席数には限界があります。
営業時間にも限界があります。
スタッフ数にも限界があります。

しかし、お客さまとの接点は、設計次第で増やすことができます。

だからこそ、高AUV化の本質は、1店舗を単なる飲食スペースとして見るのではなく、生活接点を生み出す拠点として考えること にあります。

これからの麺ビジネス

これからの麺ビジネスは、「美味しい店」だけでは弱いのです。
もちろん、美味しさは大前提です。
しかし、美味しいだけでは、これからの競争には勝てません。

必要なのは、生活の中で、繰り返し利用される麺ビジネス です。

そのためには、

  • 高品質
  • 高再現性
  • 高デジタル適性
  • 高持ち帰り適性
  • 高デリバリー適性
  • 高い食感価値
  • 高いブランド想起

これらを、同時に成立させる必要があります。

店内で一度食べて終わりではなく、
また食べたい。
家でも食べたい。
職場でも食べたい。
家族にも食べさせたい。
誰かに贈りたい。

そう思ってもらえる麺ビジネスが、これから強くなります。

日本の麺文化は、本来強い

私は、日本の麺文化には非常に大きな可能性があると思っています。

  • うどん
  • ラーメン
  • 蕎麦

日本人は長年にわたり、麺の食感を極めて細かく研究してきました。

  • 粘り
  • 分離
  • 硬さ
  • 柔らかさ
  • 弾力
  • のど越し
  • つるみ
  • 噛みごたえ

これらを、非常に繊細に感じ分けてきたのが日本の麺文化です。

つまり、日本の麺は、単なる炭水化物ではありません。
食感文化 なのです。

この食感文化は、世界で戦える大きな武器になります。

しかし、良い麺だけでは勝てない

ただし、問題があります。
良い麺を作るだけでは、これからは勝てないということです。

必要なのは、生活に入り込める麺設計 です。

つまり、

  • 食感
  • 再現性
  • デジタル対応
  • 持ち帰り対応
  • デリバリー対応
  • 容器設計
  • メニュー設計
  • オペレーション設計

これらを統合して考える必要があります。

麺だけを良くしても、持ち帰りで品質が落ちれば意味がありません。
スープだけを良くしても、デリバリーでこぼれれば意味がありません。
味が良くても、再注文しにくければ生活には入り込めません。

これから必要なのは、麺単体の改善ではなく、麺ビジネス全体の再設計 です。

大和製作所の役割

だから、これから必要なのは、単なる製麺機ではありません。
必要なのは、

  • 麺設計
  • 食感設計
  • 味設計
  • メニュー設計
  • オペレーション設計
  • デリバリー対応設計
  • デジタル対応設計
  • 高AUV化設計

これらを、一体で考えることです。

大和製作所は、製麺機メーカーであるだけではいけません。

これからは、「生活の中に入り込める麺ビジネス」を設計する存在でなければならない。

だから私は、大和製作所を、世界の食感研究所 と定義しています。

さいごに

ここで考えてください。

あなたの店は、店内売上だけに頼っていませんか。
持ち帰りに対応していますか。
デリバリーに強いですか。
デジタル注文に対応していますか。
お客さまの生活導線の中に、入り込めていますか。

これからの麺ビジネスでは、店内で選ばれるだけでなく、生活の中で選ばれること が重要になります。

これからの麺ビジネスは、「店で待つ商売」から「生活に入り込む商売」へ変わります。

高AUV化とは、客席を増やすことではありません。
お客さまとの接点を増やすこと です。

これから世界で勝つ麺ビジネスは、生活対応型 Fast Casual 麺ビジネス になると、私は考えています。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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