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1店舗目の「成功」が、多店舗展開の「壁」になる

高い壁

「味には自信があるし、1号店も繁盛している。」
「なのに、2号店舗目を出した途端に味が落ち、客足が遠のいた……」

多くの外食経営者がぶつかるこの壁。

外食経営において、これは非常によくある話です。

なぜ、1号店の成功を再現できないのか。

その答えは「感覚」で店を回しているからです。

「感覚」の限界:なぜ2店舗目で崩れるのか

最初の1店舗目が回るのは、オーナーの「目」と「腕」があります。

オーナー自身がそこに立ち、「見て、調整して、感覚で合わせる」ことができるからです。

  • ・オーナーが常に現場を見ている
  • ・経験に基づいた微調整ができる
  • ・その場の感覚で味やサービスを合わせられる

しかし、その「感覚」はオーナーの中にしか存在しません。

このやり方はオーナーが現場を離れた瞬間に機能しなくなります。

2号店、3号店と増えるにつれ、物理的にオーナーの目は届かなくなります。

経営の本質とは、「再現性」を作ること。

再現できない経営は、必ずどこかで止まってしまいます。

なぜ「感覚」では拡張できないのか?

感覚的な運営には、3つのリスクが潜んでいます。

  • ・人によって味が違う(スタッフごとに味がバラつく)
  • ・日によってデキが違う、環境で変わる(気温や湿度に対応できない)
  • ・工程が曖昧で教えられない(ミスや無駄の原因が特定できない)

この状態のままでは、多店舗展開も、ブランド化としての信頼は築けません。

ましてや海外進出など到底望めません。

経営は「設計できた範囲まで」しか広がらないのです。

再現できないビジネスは、拡張できないのです。

経営の本質は「設計」にある

経営を止めるか、それとも拡張させるか。

その分岐点は「設計」があるかどうかにかかっています。

特に「麺」の世界では、これまで長く「職人の勘」が優先されてきました。

しかし、勘は共有も教育もできません。

「作る人」から「設計する人」への転換

変化は好機

外食、特に「麺」の世界では、長く「感覚」が重要とされてきました。

しかし、属人的な技術は共有も教育もできません。

つまり、経営に乗らないのです。

今、経営者に求められているのは、感覚を「言語化・数値化された設計」に落とし込む学習です。

「設計」とは

設計とは単なる知識の詰め込みではありません。

単なるレシピではなく、以下の要素がどう影響し合っているのか、その相関図を理解し、科学的・論理的に結びつける必要があります。

  • ・食感と含水率の関係: 加水量が1%変われば、食感はどう変化するか
  • ・タンパク質の含有量: 小麦粉の性質を数値で把握しているか
  • ・グルテン構造の形成: どの工程で、どのような食感を生み出すのか
  • ・各工程における化学変化、工程の標準化: 誰が、どこで、いつ作っても同じ結果になるか

これらがロジックとして繋がったとき、初めて「誰が作っても、どこで作っても同じ品質」という再現性が生まれます。

「作れる人」と「設計できる人」の違い

状態特徴結果
作れる人:自分の目の届く範囲で止まる(限界がある)自分の経験と感覚に頼る1店舗の維持が限界。自分が現場を離れられない。
設計できる人:人や国を超えて価値を拡張できる(無限の可能性)数値とロジックで構築する多店舗展開・海外進出・ブランド化が可能。

独学での試行錯誤には限界があります。

感覚を捨て、科学的根拠に基づいた「設計」を取り入れること。

それが、あなたの店を「一軒の繁盛店」から「世界に通用するブランド」へと進化させる一つの道です。

経営は、設計できたところまでしか広がらない

これは外食経営における絶対の真理です。

国が変わっても、スタッフが変わっても、同じクオリティを再現できる仕組み。

それこそが、あなたのビジネスを次のステージへ押し上げる唯一の武器になります。

まとめ

外食経営は、構造で決まります。

その構造の中心にあるのが、再現性=設計です。

経営は、設計できたところまでしか広がりません。

外食ビジネスが止まる理由は再現できないから。

そして再現できない理由は、感覚に依存しているからです。

だからこそ必要なのは、感覚 → 設計への転換です。

ここを乗り越えた企業だけが、ビジネスは一気に拡張し始め、多店舗化し、ブランドになり、世界に出ていきます。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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