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設計は「理想」から始まる

ビジネスや店づくりにおける「設計」には、揺るぎない決まった順番があります。

  1. 1.理想を決める
  2. 2.分解する
  3. 3.因果を理解する
  4. 4.再現する

このプロセスの中で、最も難しく、かつ最も重要なのが最初のステップである「理想を決める」ことです。

理想を「外」に求めてはいけない

多くの人は、理想のモデルを自分の「外側」に探してしまいがちです。

  • ・世間のトレンド(流行のスタイル)
  • ・行列ができる人気店
  • ・今、売れている新商品

しかし、他者の成功を真似したり、なぞるだけでは、必ず「ズレ」が生じます。

なぜなら、それは「あなた自身の店」ではないからです。

本当の理想は、自分の中にしかありません。

それを「根っ子」と呼んでいます。

成功する店が持つ「根っ子」の正体

長く愛され、成功し続けている店には、共通して揺るぎない「根っ子」があります。

あなたの根っ子を見つけるには、次の問いに向き合う必要があります。

「根っ子」を見つける3つの問い

  • 1.なぜ、この商売を始めたのか?(創業の動機)
  • 2.何を、最も大切にしているのか?(譲れない価値観)
  • 3.何だけは絶対に許せないのか?(美意識の境界線)

この原点が明確だからこそ、細部に至るまで設計がブレないのです。

この根っ子が明確であれば、枝葉となる施策(メニューや内装、接客)に迷いがなくなります

根っ子を貫く名店の共通点

「根っ子」が設計に反映されている具体例を見てみましょう。

店舗名特徴根っ子の現れ方
博多一風堂圧倒的なブランド力ラーメン単体ではなく、空間・音楽・接客・味のすべてを一つの世界観として統一。
ハチバン(8番らーめん)タイで160店舗以上展開根っ子にあるのは「品質」。徹底したセントラルキッチン化により、どの国・店舗でも同じ味を再現。
一鶴(香川県)骨付鳥への集中創業の原点が揺るがないため、メニューを絞り込み、提供方法から体験までを一貫させている。

事例1:博多一風堂

一風堂は単に「ラーメン」という食べ物だけを売っているのではありません。

活気ある空間、流れる音楽、心地よい接客、そして研ぎ澄まされた味。

これら全てが一つの世界観として統一されています。

創業の原点が明確だからこそ、このトータルデザインが可能になります。

事例2:ハチバン(8番らーめん)

タイ国内で160店舗以上を展開しながら、どの店舗でも変わらぬ品質を維持しています。

彼らの根っ子は「品質の安定」にあります。

その理想を実現するために、セントラルキッチンでの徹底した管理を行い、スープから麺の一本に至るまで精密に設計されているのです。

事例3:一鶴(いっかく)

香川の名店「一鶴」は、骨付鳥という看板商品に特化しています。

メニューを絞り込めるのは、創業の原点が揺らいでいない証拠です。

味、提供スタイル、顧客体験のすべてが一貫しており、迷いがありません。

失敗する店

逆に、短命に終わってしまう店は、根っ子がないまま「設計」をしようとします。

  • ・流行を追いかける
  • ・他店の真似をする
  • ・その日の気分でコンセプトが変わる

これでは土台がない場所に家を建てるようなもので、設計図が機能しません。

「理想」を成立させる3つの条件

正しい設計の基盤・出発点となる「理想」には、備えておくべき次の3つの条件が必要です。

理想の条件内容
長期性:長期で成立するか一過性のブームではなく、長く成立するか
再現性:再現できるか職人技に頼りすぎず、技術や仕組みとして落とし込み、再現できるか
一致性:根っ子と一致しているか自分の「信念」と矛盾していないか、ズレていないか

これは麺の食感一つをとっても同じです。

食感は単なる物理的な数値ではありません。

「なぜ、その食感であるべきか」という理想があり、それを形にすることが設計なのです。

設計とは「理想を形にすること」

設計とは、「理想」を具現化し、現実に落とし込むことです。

そしてその理想は、必ず自分自身の中にあります。

すべては「根っ子」から始まります。

まとめ

まとめ

まずは自分の中にある原点を見つめ治すことが、ブレない店づくりの第一歩となります。

根っ子さえしっかりしていれば、その上に築かれる設計は、時間が経っても揺らぐことのない強い店を作り上げます。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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