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食感は固定された価値ではない。常に進化し続ける

ビッグデータがもたらす2つの変革

食感は、一度完成したら終わりというものではありません。

人の「口」は、文化・生活環境・食習慣の変化とともに、常に変わり続けています。

かつて心地よいと感じられていた食感が、今の時代には重く感じられることもあります。

逆に、以前は受け入れられなかった食感が、ある時代を境に「美味しさ」として定着することもあるのです。

つまり「食感」とは、時代によって変化するという時代の写し鏡です。

過去に支持された食感が、今も通用するとは限りません。

小麦粉料理の辿ってきた歴史が示す「食感の進化」

日本に小麦粉料理が伝わった当初、小麦粉は「こねて団子状にして食べるものでした

率直に言えば、これは現代の私たちの口には、あまり心地よい食感とは言えないでしょう。

そこから時代が進み、小麦粉は「麺線」という形に進化しました。

引き延ばし、切り、茹でることで、現在のうどんに代表される、のび・弾力・のど越しを持つ独特の食感文化が生まれたのです。

これは単なる調理法の変化や偶然ではありません。

人の口に合わせて、食感が設計され続けてきた結果としての、食感の進化です。

受け入れられなかった、うどんの食感

さぬきうどん

私が約40年前に北アメリカで仕事を始めた頃、うどんの食感は決して好意的に受け取られていませんでした

  • ・馴染みのないもちもちしている食感
  • ・歯切れが独特で分かりにくい感覚
  • ・食べ慣れない口当たり

当時の北アメリカの食文化にとって、うどんは「異質な食感」だったのです。

味以前に、食感が文化に合っていなかったと言えます。

冷凍うどんが当たり前になった理由

理由

それから数十年。

現在では、冷凍うどんを置いていないスーパーを探す方が難しいほどです

これは何を意味しているのでしょうか。

それは、

  • ・人の口と食文化は変わる
  • ・食感は「慣れ」と「設計」によって受け入れられる

という事実です。

地域一番店が必ずやっていること

地域一番店は、常に問い続けています。

常に見ているのは、

今の人たちは、どんな食感を「心地よい」と感じているのか。

という一点です。

そのために、次の2つを明確に分けています。

  • ・絶対に変えてはいけない「“核”」
  • ・時代とともに変えるべき「食感」

この切り分けができない店は、「昔は良かった店」になっていきます。

すべてを守ろうとすれば、時代から取り残されます。

すべてを変えれば、店の個性は消えます。

この見極めこそが、地域一番店の判断軸です。

食感を「感覚論」で終わらせてはいけない

食感は、感覚・職人の勘・言葉だけで語るものではありません。

設計すべき対象や要素です。

例えば、

  • ・のど越し
  • ・つるみ
  • ・噛み切れ
  • ・口の中でのまとまり
  • ・もちもち感

これらを、時代・地域・お客様の口に合わせて意図的に設計すること。

ここまで踏み込んで初めて、食感は「再現できる価値」になります。

これが、現代の麺ビジネスに求められる姿勢です。

まとめ

食感とは、味と同じくらい、経営の根幹に関わる資産です。
だからこそ、守るべきものを守りながら、変えるべき食感は、勇気を持って進化させ続ける必要があります。

食感を進化させ続けられるかどうか。
それが、これからの時代に選ばれ続ける店と、そうでない店を分ける決定的な差になります。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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