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食感は「茹で方」で決まる

同じうどんでも、食べたときの印象がまったく違うと感じたことはありませんか?

その違いを生み出している最大の要因は「茹で方」にあります。

たとえば、さぬきうどんの本場・香川県では、かけうどんなら一般的に約10分ほど茹でます。

一方で、釜揚げうどんは硬めに仕上げる場合、わずか4〜5分程度しか茹でません。

それでも硬すぎる食感にならないのは、「冷水で締めない」からです。

食べ方で変わる、まったく別の食感

変化は好機

うどんの食べ方は大きく分けると以下のように分類されます。

  • ・茹でたまま食べる(釜揚げ)
  • ・水で洗い、ぬめりを取り、冷水で締める(ざる・冷やし系)
  • ・出汁の中に入れる(かけうどん)
  • ・濃い出汁をかける(ぶっかけ)
  • ・つけ出汁に浸して食べる(釜揚げスタイル)

これらの違いによって、同じ麺から作られているにもかかわらず、まったく別物のように感じられます。

その理由はシンプルで、「温度」と「水分の状態」が変化するからです。

食感を決める「4つの要素」で設計できる

うどんの食感は、次の組み合わせによって決まります。

  • ・茹で時間
  • ・温度
  • ・水分状態
  • ・提供方法

例えば釜揚げうどんは、茹でた後に水洗いも冷却もしません。そのため、麺本来の状態に近い形で提供されます。

この方法には、以下のような特徴があります。

  • ・水の使用量を抑えられる(節水効果)
  • ・茹で時間が短くなる
  • ・太麺でも提供スピードが速い

釜揚げうどん特有の味わいの理由と特徴とは?

理由

釜揚げうどんは、茹で釜からそのまま麺を引き上げて提供します。

そのため、

  • ・麺表面のでんぷんの粘り(ぬめり)が残る
  • ・塩水で練った麺の塩分がそのまま残る

といった特徴が生まれます。

これにより、

  • ・出汁との絡み方が変わる
  • ・味の印象が変化する

といった違いが出てきます。

ただし、出汁の塩分濃度を調整することで、全体のバランスはしっかりコントロール可能です。

麺づくりは「2つの設計」で決まる

ここで重要なのが「設計」という考え方です。

設計とは、条件をコントロールして結果を作ること。

麺の品質は、大きく2つに分けられます。

設計のステップ主な変数(コントロールできる条件)
① 麺そのものの構造の設計「原材料、加水率、製法、麺の太さ、熟成の具合と状態」によって、麺の「基本構造」が決まる
② 茹での設計「お湯の温度、水の量、水質(硬度・pH)、茹で時間」によって、麺の最終的な麺の状態が決まる

つまり、「麺の構造 × 茹で設計」=最終的な食感は完成します。

価値は無限に広がる

一般的な釜揚げうどんは、茹で湯とともに提供されるか、釜玉のように濃い出汁と絡めて食べます。

しかし中には、少し変わった提供方法もあります。

例えば、

  • ・茹で上げたうどんを魚介出汁の中に入れる

この方法では、

  • ・かけうどんのように食べられる
  • ・釜揚げ特有の食感も楽しめる

という、両方の魅力を同時に味わうことができます。

さらに、つけ汁を変えることで、

  • ・韓国風の辛い味付け
  • ・洋風アレンジ

など、さまざまな展開が可能になります。

食べ方の設計を変えることで、うどんの価値は無限に広がるのです。

まとめ

同じ麺でも食感が大きく変わる理由は、「茹で方」にあります。

ほんの少しの違いが、大きな体験の差を生み出します。

そして何より、工夫によって、麺の価値は無限に広がります

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠を創業。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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