あなたの麺づくり 全麺サポート 大和製作所
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1.練り過ぎ
 
練り時間が5分以上ではありませんか。20分とか25分間練っていませんか。
製麺を行う際、グルテン組織をつなげて、展開させて行く事が重要とされているのは ご承知の事と思います。この グルテンの性質は、チュウインガムの様な物と考えて下さい。一般的には 「うどんは鍛えれば鍛えるほど 腰が強くなる」と思われがちですが、ミキシングの時、生地を長時間 こね続けた場合、、グルテン組織は力に耐えられず、切れてしまいます。ミキシング開始とともに水分が生地の中に均等に分散し、グルテンが結合してゆきます。しかし、更に連続して力を加える(ミキシングを続けると)と グルテンの組織はその力に耐え切れず 破壊、切断されてしまいます。この様なミキシングの仕方は慎むべきです。練り時間は 5分が最適です。これ以上の練り時間は生地を傷めて、以下の様な弊害を起こします。
練り過ぎの弊害
茹で時間が 長くなってしまいます。
当社の試験では、5分練りと、15分練りを比較すると、 茹で時間は 約2倍となりました。
もちろん、その際の 鍛え、熟成、延ばし、切り等の条件は 全く同じです。
皆様も 一度テストしていただければ、実感として お判り頂けます。
・現在 5分練り→15分練ってみると→茹で時間が 2倍程必要になります。
・現在 15分練り→5分練ってみると→茹で時間が 約半分程になります。
・現在 15分練り(機構上短く練れない場合)→手で練ってみると→茹で時間が 半分程になります。
皆様、是非
一度お試しください。
 
2.練ってすぐに足踏み
手打ち式製麺の基本的考え方は、「いかに しっかりした グルテン組織を作り上げるか」に集約されます。従って、本来の手打ちの製麺手法では 寝かせ(熟成)と共に 丹念な鍛えとして 足で踏んで 鍛えたり、麺棒で縦、横、斜め と丁寧に延ばしてゆきます。そして上手に作り上げられた麺の中のグルテン組織は、コンクリートの柱にたとえると、鉄筋の様になり、めんの食感に大きな影響を与えます。ところが、この様な 生麺のグルテン組織中に 小さな気泡が多く存在すると、その麺を茹でた時下記の様な問題が発生します。
@ 加熱されたグルテンは卵の白身の様に固化し、弾力を失います。一方、その組織に包まれる様に存在した気泡は、熱の作用で何倍もの体積に膨張します。結果として、気泡の周りのグルテン組織を内側から押し広げる様な形で 破断してしまいます。従って、せっかく精魂込めて作り上げた手打ち式うどんの 食感を損なってしまいます。
A グルテンの組織が破壊される為、茹で延びにも少し、弱くなります。
B 見た目に 麺は透明感がなく、白く不透明なうどんとなります。例えば透明なガラスの中に小さな気泡がたくさん入っていると、すりガラス状になり透明感が無くなってしまいます。うどんの場合も、麺の中に小さな気泡がたくさん入っていると、透明感が無くなってしまう訳です。
@ABで述べた事は、「イカの刺し身の様な透明感の有るうどん」の全く逆となっている事に お気づきでしょう。つまり、その気泡が抜けていると本来の透明感が出ます。そしてしっかり残ったグルテン組織が 良い食感を与えてくれる訳です。
では、この様な 小さな気泡は どの時点で うどん生地の中に取り込まれるのでしょう。
実は、小麦粉を捏ねる時、小麦粉1粒1粒の中に気泡が出来てしまいます。例えば、小麦粉1粒1粒に対して どの様に水が浸透して行くかを考えた場合、その1粒を水が覆い、中心に向かって浸透して行き、中心に気泡が取り残されてしまいます。ここで、生地を捏ねた直後にプレス(足で踏む、手で丸める等)を行った場合、生地の中に この気泡を封じ込める事になります。そうすると 前に述べた@ABの様なうどんになってしまいます。
第一熟成を行う場合、
必ず生地は そぼろ状のまま 実施して下さい。
足で踏んだり、手で丸めたりした状態では、この気泡は抜けません。そぼろ状のまま熟成を行う事により、毛細管現象や、浸透圧で小麦粉粒の中心まで水が浸透し、気泡を追い出してくれます。この後 初めてプレスや足踏みを おこないます。
   
3.熟成の問題
 
第一熟成温度と時間
上記の様に ミキシング後 次の鍛えに備えて グルテンの緊張を 緩和したり、生地の中の気泡をぬく為に、生地を休める(熟成を行う)事が必要です。この時に必要な温度は 28℃です。又、この時に必要な時間は 2時間です。25℃で熟成をした場合は 3時間程必要です。つまり、熟成温度により、熟成時間も 変わってきます。外気温度に依存して 熟成を行うと、熟成の進行具合が 変わってしまうので、熟成庫を使用すると、安定した 良い生地が 得られます。
主に、第二熟成の意味)
小麦粉の原料である小麦は 元来植物の種子ですから、これが発芽するエネルギー源として 澱粉、蛋白質をその中に貯えています。この澱粉、蛋白質を酵素で分解してエネルギーとして発芽をする訳ですが、小麦粉の中にも この酵素が含まれています。この酵素が 程よく働くと、良い状態のうどん生地となります。古くから製麺をされている方は、よくお判かりと思いますが、年間で 一番良いうどんが出来る時期は 春、秋と言われます。つまり 春、秋の気温が、「酵素の働き」に一番適しているのです。 夏は 酵素が働きすぎて 生地がダレた状態になります。夏場の暑い時期に 生地がダレやすいのは酵素の働きが活発になる為です。極端な例をあげれば、酵素が蛋白質(グルテン)を分解し、麺が切れ易くなります。熟成をしすぎた時に見られる「茹で切れ」は この様な現象のあらわれです。逆に冬場、生地が熟成しにくいのは 温度が低くて 酵素の働きが悪くなる為です。(酵素の作用は温度に左右される為、製麺にも適した季節がある訳です。)
つまり、温度をうまくコントロールすれば 熟成の進行もコントロール出来る事になります。年間安定して、高品質のうどんを生産しようと思った場合、年間均一で 高品質の(春、秋と同じ)生地熟成をさせる為 熟成庫が必要となるのです。
また、熟成庫の使用により、お店の運営に合わせた熟成の進行が可能になります。例えば18℃で熟成を行う場合、一晩熟成としますし、16℃で熟成を行う場合、二晩熟成とします。

夏場、早朝(と言うか、深夜 )に 起きて、うどん生地をコネたり、厳寒時、うどんの生地と一緒に布団に入る程 熱意の有る方には 強いてお薦めはしませんが、私ごとき 凡人には 熟成庫は 誠に 重宝致します。
 
コラム ● うどんは昔から朝練りをしていた。
ところで、昔から製麺をおこなってきた 職人さん達の中に、「うどんは 昔から朝練りをしていた。前日練りをして一晩寝かす必要は無い。」と言う方がおられます。しかし、ここにも 一つ 落とし穴が有るのです。それは、今と昔では、小麦粉の状態が違うと言う部分です。昔は、食糧事情や製粉技術の関係で、小麦は ほぼ全粒粉に近い 状態に製粉されていました。この様な小麦粉は、酵素含有量が多く、熟成が 早く進行します。これは、小麦の中でも、表皮に近い部分に 酵素が多く含まれ、これを全粒粉に近い状態まで製粉する為、小麦粉に含まれた酵素含有量が多くなっていたのです。そして、出来上がるうどんは 色も黒めとなりました。ところが、現在では 「うどんは白いもの」という概念から 色の白いうどんが出来る様な製粉方法、つまり 小麦中心の色の白い部分だけを 上手に挽き取った小麦粉が製造される様になりました。この様な場合、酵素の多い部分は フスマと一緒に選り分けられてしまうので、現在の小麦粉は 「酵素濃度の少ない小麦粉」となっているのです。従って 昔と同じ熟成時間では 充分な熟成に至らず、もっと時間をかけて じっくり寝かせる必要がある訳です。
 
4.水の問題
 
おいしい水なら  おいしいうどんが出来る?
人間が 美味しく感じる水は、適度にミネラル分を含んだ水です。この ミネラル分と言うのは、カルシウム、マグネシウム、カリウム、等 金属成分を言います。これらは 人体にとって 栄養素の1種ですから、美味しく感じる様に成っているのでしょう。例えば「○×の水とか どこそこの水」 などと言う商品がよく有ります。確かに美味しい水です。しかし、麺生地を製造する上で、これらのミネラル成分は 悪影響を及ぼします。小麦粉の成分で有る 「蛋白質」「澱粉」個々について 述べると、
● 蛋白質にミネラル成分が 化合すると、吸水性を悪くし、硬く、伸展製の悪いグルテンになります。
● 澱粉にミネラル成分が化合すると、加熱された時、本来なら糊状になり粘りを出すはずなのに、
  「粘り」が非常に低下し、「腰」も弱く、剛性という「もろさ」が出てしまいます。
ミネラルを含んだ水で、麺を茹でると
● 茹で時間が長くなります。
● 麺に肌荒れが出ます。
● 歩留まりも悪化します。

「だし」を取る水とした時は、
● 風味が出にくく、鰹節の消費量が増えます。

先ほど例にあげたような水は硬度(ミネラル分の含有量を現す数値)で8度有ります。
この程度の硬度の水で 麺を茹でると 茹で時間は 約2倍近くになると言うデータも有ります。ですから、美味しい水だから、美味しい麺が出来るとは 言えません。硬度が2度以下なら 製麺用の水として 良好と言えます。水の硬度は 全国まちまちですから、一度 調べてみると良いでしょう。
当社では、水の硬度測定も実施しています。(無料)ご心配でしたら、是非ご相談下さい。
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つづく
 
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