← バックナンバーリストへ戻る 亀城庵研修 参考店めぐり
こんにちは! デレック19歳です。
2月20日から5日間、当社のクライアント、Ajijiman Restaurant(味自慢レストラン)の店長が当社の直営店、亀城庵に研修にこられました。 味自慢レストラン(以下、Ajijiman)はカナダのバンクーバーにあるモールのフードコートで営業をはじめて1年ほど経つ、本格讃岐うどんを提供する店です。  店長は…、なんと19歳!  1年ほどパートタイムで勤めており、その麺に対する熱心さ、能力を買われて、大抜擢されたそうです。  今回はその19歳の店長、デレックさんの5日間の研修をレポートです。
Ajijimanは、カナダ、バンクーバーのモール内フードコートで営業しており、当社の直営店、亀城庵と同じく、店舗で麺をつくり、茹でて、注文を受けてからつくって、提供するというスタイルをとっています。 違うのは、店の全面に設置された茹で釜と製麺機。 自家製麺を目の前で、打って茹でるスタイルは、カウンター越しにモールで買い物をするお客様の注意を引くだけではなく、うどん店にとっては、何事にも変えがたいパフォーマンスです。
1年間、フードコート内の店舗で、オペレーション作業を全て経験しており、ピーク時のパニックになりかけの忙しさなども何回も乗り切っておられるので、デレックさんはほとんどの作業を無駄無くこなせます。  今回来られたのは、まず、ご使用中の当社製麺機のメンテナンス等の研修、本場讃岐のうどんを経験し、よりうどんに関して理解してより本物のうどんをカナダで提供できるようになる事、オペレーションの効率化、新しく、より讃岐的で斬新なメニューを取り入れる事です。  デレックさんは、与えられた得られたチャンスに対する貪欲な姿勢から多くを学んで帰るだろうと思いました。
まず1日目、当社の製造工場でのメンテナンス研修です。  カナダのAjijiman様のような海外のクライアントの場合、やはり一番気になるのは、メンテナンスです。  当社の麺機は適切なメンテナンス・掃除を適切な頻度で行っていれば、まず壊れることはありません。  ですから日々のお手入れが大事です。  
そこを踏まえて、もしもの時の応急処置、磨耗等で古くなった部品の交換の仕方等、様々な箇所のメンテナンス、修理法を研修しました。  Derekさんは真剣にノートを取っておられました。  1年以上使っていた美味しい麺をつくる機械が実際に製造されるところをみて、感激していました。  また、一つ一つの機械を丁寧に仕上げていく人たちに感心していました。
機械を一つ一つ組み上げていくスタッフ
駅構内にある為、電車の利用者がお客様に多い
メンテナンス研修を終え、昼に亀城庵へ昼食を兼ねてご挨拶。
ピーク時だった為、20分ほど待ちましたが、座って、生まれて初めての香川の讃岐うどんを注文。  海老と揚げもちのぶっかけうどんを頼んで、その美味しさに感動していました。  早速、新メニューに追加する一品が見つかったようです。  次に目をつけたのが、おでん。  香川や、他の地域のうどん店ではあたりまえになっている、おでんも、Derekさんには新鮮です。  だしは何を使うか、おでんみそ、からしのつくり方など、質問、また質問。 デレックさんの貪欲さと好奇心は止まりません。  
見るもの、体験する事が全て新しく、1年経った、Ajijimanをこれからどのように改善し、進化させていくか、ここで見るものに創造力を掻き立てられるようです。  
ピーク時を過ぎてから、亀城庵のスタッフメンバーにご挨拶。  これから3.5日間、お世話になります。  亀城庵は、フルサービスの店ですが、スタッフは全て、パートさん。  男のスタッフばかりのAjijimanですが、女性ばかりの亀城庵に驚いておられました。  
亀城庵での研修
亀城庵は全てパートさんで運営で、提供するものは全て無添加素材使用。  狭い厨房の中で、殆どのメニューは自家製。  別のところで仕上げた生地を延ばして切り、茹でたてをご提供しております。  だし、天ぷらも全て自家製。  天然素材にこだわり、健康志向。  いいものを一番良い状態で提供するという姿勢をとっています。  いよいよ3日半の亀城庵研修、始まります。
麺は現在2種類、かけ・冷ぶっかけ用と温ぶっかけ用です。
朝9時。  時差ぼけのデレックさんは眠い目を擦りながら亀城庵の朝の準備の様子を見学します。  練り物以外、ほぼ全ての食材を切り、準備していく朝は忙しいです。  その日使う、野菜、だし(天然素材、別の場所で製造)、生地(別の場所で製造)が運ばれて来、狭い厨房にスペースを上手く活かして、収納していきます。  開店は10時半、それまで黙々と作業を進めます。 朝必ずする事、それは、朝礼と、スタッフのみんなで試食する麺です。  うどんは生きている為、その日に出す麺も日によって微妙に変わってきます。  
それを実際につくってみて、一日の最初に亀城庵の味になっているか、それぞれ試食します。  スタッフみんなが、その日1日、どのような麺を亀城庵に来てくださるお客様にご提供しているか知っておくという点でも大切です。  
朝礼と大きな掛け声に戸惑いながらも、真剣にスタッフの動きを観察します。  どこかで自分の店のオペレーション効率化に役立つ点はないか? 厨房のレイアウトを適応できるだろうか? 接客はどのように行っているか? 注文をどのように取っているか? 注文はキッチンにどのように伝わっているか? 等々、様々な点で、Ajijimanレストランに活かせるところを見つけたようです。 最終日には、「早くAjijimanへ戻って、色々気付いた事を試したい!」と居ても立ってもいられない様でした。
実際に厨房に入り、一つ一つの作業工程を分析するデレックさん
忙しいと戦場と化す亀城庵厨房内
一方、デレックさんのお店、Ajijimanもその姿勢を受け継ぎカナダで着実に本格讃岐うどん店の名声を作り上げています。  フードコートという事もあり、オペレーションで違う点もありますが、Ajijimanで使えるところはどんどん盗んでいくつもりです。  と、おっしゃっていました。  今回、実習で学びたいのが、製麺、天ぷら、茹で、と生地の扱い等です。  亀城庵で、ピーク時は忙しい為、できるだけアイドルタイムに時間を取って、教えて頂き、慣れてきたら、実戦に入ります。 
麺機で製麺をするデレックさん
まず最初は製麺から。  まず驚いたのは、生地の柔らかさ、なめらかさです。  カナダの粉を使用している為、どうしても硬い生地に仕上がってしまうそうです。  慣れた硬い生地の扱いから、柔らかい生地を扱うのに最初は手間取っていましたが、何度か麺線をつくり、茹で釜に入れる度に慣れてきて、決められた、幅と厚さぴったりの麺をつくり、亀城庵のベテランスタッフにお褒めの言葉を頂いていました。  
次に茹でです。  亀城庵の提供している麺は、冬の間は、3種類。  それぞれの麺の茹で時間、扱いが違います。  一方、Ajijimanでは、1種類。  これから色々な麺の種類を提供する為に、茹で時間の違う麺の扱い方等を学びました。  スタッフが少なく、なかなか適応するのが難しそうですが、何度も茹でを体験するにつれ、解決策が見えてきたようです。  また、茹であがった麺の命はせいぜい15分。  いつお客様が来ても、茹でたての麺をだせるように、常に麺を茹で続けます。  デレックさんのところでは、常に茹でたての麺をストックしておくというのが難しいようですが、本物を提供したいと意気込むデレックさんはやってみますとおっしゃっていました。
慣れた手つきで茹で棒を操るデレックさん
真剣に海老天をつくるデレックさん
天ぷらは他の作業に比べると経験が浅いという事で、亀城庵のベテランスタッフの方につきっきりで、教えてもらいます。  天ぷらも麺と同じく揚げたてを。  常時、揚げたての天ぷらが出せるようにある程度の数をストックしておきます。  現在、新しいメニューを探していますが、揚げ物で何点か候補が決まったようです。  既にカナダでも天ぷらは大人気。 これから、色々な食材の天ぷらを考えてみるそうです。
参考店めぐり
まず、驚かれていたのは、やっぱりうどん店の数。  よく言われるのが、電柱、自動販売機、信号機と同じくらいの数のうどん店が香川県にはある。  どこに行っても目に付く、「うどん」の看板。 日本語は分かりませんが、「うどん」の文字だけは分かるようになったそうです… 
デレックさんはバンクーバーのモールのうどん店で1年間働き、毎日のように讃岐うどんを食べていましたが、日本に来るのは、今回が初めて。  自分が今まで、毎日ふれてきた食べ物がどこから来たのか? それを実際の場所に来て、自分の目で見て、舌で確かめ、ますます、讃岐うどんを好きになった様子です。  私は香川県生まれですが、うどんはあまり食べません。  それなのに海を越えたカナダの方をここまで魅了する讃岐うどんは、他の日本食のように、世界中に広がる食べ物だと実感しました。  もちろん、昼は参考店巡り。  香川を縦横無尽に、目標のうどん屋さんに向かいます。  朝、うどんを食べ、昼もうどん、夜…は、現在の店舗の改装を検討している為、外装・内装が参考になるお店にご案内。  Ajijimanの外装は基本的に“和”。  どうしても天井の高いモール内にある店で、どのようにして、“和”のイメージをきれいに出していくかが課題だそうです。  案内した店それぞれで、素材の使い方の上手さ、狭い空間を居心地良く創りあげており、とても参考になると写真を何十枚も撮っていました。
Ajijiman Restaurantは本物の讃岐うどんの食文化をカナダ、バンクーバーへ、更には北アメリカ全土へ広めようという信念の基、立ち上がりました。  開店して、1年以上経過し、徐々に讃岐うどんが、バンクーバーの人々に馴染んで来ているようです。    
これからの課題
Ajijimanでは、カナダで手に入る小麦粉を使用し、苦労の末、出来るだけ讃岐うどんに近い触感、味を提供しています。  Ajijimanも1年以上運営し、改善を重ねて、美味しい麺を提供できるようになりましたが、香川の何店舗かの有名店の麺を食べて、その美味しさに驚いていました。  自分のところの麺が一番美味しいと思っていたけど、上には上がいる。  コスト的にカナダの小麦粉しか使えないが、まだまだ美味しい麺が出来るはずだと、麺に関しても新しい目標が出来たようです。    
延ばす前に生地を手で丸めてコシをだす
研修終わって…
午後8時にようやく閉店。 皆さんおつかれさまでした!
わずか3.5日間の亀城庵研修(長い方は1ヶ月ほど)、1日間のメンテナンス研修・繁盛店めぐりでしたが、19歳のデレックさんにとっては、どれもが新しい経験であり、大変収穫の大きい滞在になったようです。 もしかすると、 外国で生まれ育ち、日本の食文化に興味を持ち、讃岐うどん店を運営するデレックさんの方が普通の日本人よりも日本文化の本質を捉えているかもしれません。 これから、バンクーバーのAjijimanのうどんは確実にもっともっと美味しくなると思います。
一つ一つの工程は、もちろん少しずつ違いましたが、讃岐うどんの本質を見極めて、本質を守りながら、カナダの土地で提供できるもの、合ったものを提供する事ができる。  カナダ、しかもモールのフードコートという環境で、讃岐うどんを知らないカナダ人を魅了する味を提供する。  
よく海外で、色々な日本料理がその食文化に合った味に“修正”して提供されていますが、やはり、本当に食文化を伝える為には、本物の味を。  その食べ物の美味しさの本質を捉えたものを提供しなくてはいけません。  本質さえ捉えていれば、色々な変化球も味に活きてきます。  そんな讃岐うどんをカナダの人々に、アメリカ全土に、さらには世界中の人々に伝えて、味わって頂きたいと思っています。 と、これからの抱負を語っておられました。  これからの更なるご活躍を期待しております。
後日、カナダ バンクーバーの本格讃岐うどん店、味自慢の店舗をご紹介する予定です。  ご期待ください。
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